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2024年12月27日に公開された動画のテーマは、2024年のSNSの威力を振り返る!
本日の動画のゲストは、産経新聞デジタル報道部政治担当デスクの水内茂幸氏と朝日新聞・前政治部長の林尚行氏です。
選挙・政治の世界でSNSの威力が大きくなった2024年。
「オールドメディア」と時には揶揄する文脈で語られる新聞社で、現場取材を重ねてきたゲストの2人の目にSNSがどう映っていたのかを振り返り、メディアのこれからについて語っていただきました。
既存メディアは信用されていない!?新しい選挙報道の行方とは
【このトピックのポイント】
MC伊藤由佳莉「まずは東京都知事選の結果を振り返ってみましょう」
東京都知事選には56人が立候補し、現職の小池百合子都知事が圧勝。
2位には元安芸高田市長の石丸伸二氏が躍進し、非常に衝撃的な結果となりました。
水内茂幸氏「石丸さんの票は考えている以上に伸びましたよね」
都知事選の後に石丸氏とYouTubeで40分間の対談を行った水内氏は、石丸氏との対談を通して、既存メディアが信用されてないことを感じたといいます。
公職選挙法や放送法で、選挙報道は公平中立な報道を求められています。
しかし、公平性を保つあまり「紋切り型の報道」になっていたと水内氏。石丸氏からも「甘えですよね」と指摘されたと語りました。
紋切り型の選挙報道を見た有権者は「既存メディアには本当の答えはない」と感じた結果、「真実はYouTubeにある」という風潮が高まり、YouTubeの影響力が拡大したという一面もあります。
水内氏「既存メディアがこれまでやってきた形式に当てはめて、紋切り型で出すものに、やっぱりもう 飽き飽きされてるんだなっていう気がしたんですよ」
林氏は、SNSがこれだけ選挙に大きな影響力を持つようになり「メディア史に残る1年だった」という見解を述べました。
新聞が政治や選挙を主導していた時代から、90年代に入りテレビが政治や選挙を主導するテレポリティクスに変化しました。
長く続いたテレポリティクス時代が終わり、2024年は選挙や政治の情報提供がインターネットを中心とする時代に変わった節目の年だったと解説しました。
兵庫県知事選もSNSを使った選挙として象徴的でした。
兵庫県の斎藤元彦知事の不信任決議が提出・可決され、斎藤氏は失職。兵庫県知事選には7人が立候補し、斎藤元彦氏が再選されました。
候補者の一人の立花孝志氏は、SNS上で斎藤氏をサポートする内容を発信していました。
選挙ドットコムの調査でも、立花氏関連の動画が非常に見られたというデータがあり、立花氏の動画が斎藤氏再選の後押しになったという味方もできます。
MC伊藤「兵庫県知事選挙は、どこが印象的でしたか?」
林氏は、東京都知事選で石丸氏が上手く地上戦と空中戦を合流させたのとは異なり、兵庫県知事選は「正直言って、たいぶ荒れた部分はあった」と語りました。
林氏は、今後はSNSvs既存メディア(新聞・テレビ)という構造から、SNSvsネットメディアvs既存メディアの三層構造の中で、これからの選挙報道のあり方を問われた選挙だったと振り返りました。
兵庫県知事選で次点だった稲村和美氏は、選挙期間中に誹謗中傷があったということで、選挙後に訴えを起こしています。
MC伊藤は「SNS上で情報が流通すること自体は良い面もありますが、いろいろな玉石混交の情報が回り、どうしたらより良い状況になるのかというところは、まだ答えが見つかってないと思います」と語りました。
水内氏は兵庫県知事選を「真実を探すという選挙でもあった」と振り返ります。
亡くなられた方もいて一連の経過について「何だったんだろう」という大きな問いがありました。
その中で、既存メディアは、徹底的に一次情報に接して、徹底的に調べて、真実を出すことを徹底的にやってきていると水内氏。「その成果をどう言われようが、我々は調べた結果こうやるんだと突きつけなきゃいけないということをこの選挙で知らされたような気がする」と述べました。
話題は、SNSが勢いを増していく時代の既存メディアのあり方に移っていきます。
MC伊藤は、取材をして、記事を書くときに全部入りきらないからと削った情報が有権者にとって必要な情報だったかもしれない可能性もあると指摘します。
「それをうまく活かして、世界に見せることができると、今みたいに『オールドメディアは嘘ばっかりだ』という批判への対抗になるのかな」と語りました。
SNSでは「エコチェンバー」や「フィルターバブル」などで、同じような意見の情報が集まりやすい現象があります。
水内氏は「どうしても周りに似たような話が多いと同調したくなっちゃうけど、とんでもないところまでたどり着くような時もある」と指摘します。
石丸氏と対談した際も「ちゃんとした最後の真実に辿り着くためには、既存メディアの人に頑張ってもらうしかないんですよ」という発言もあり、「まさにそこに僕らの役割がある」と水内氏は力を込めます。
林氏「これから有権者のみなさんと一緒にその新しい選挙報道を作っていかなきゃいけない」
既存メディアは、一次情報に直接取材して情報を取る特性があります。偽情報や誤情報が発生した際に「実はこれ、ここが間違ってますよ、ここは違うんですよ」と一次情報を持っているから、根拠を提示をしてみなさんに伝える役割も担えます。
林氏は「結果として、ネットの中の選挙情報のバランスを取っていくことや、より質を上げることに、貢献できるのであれば、それはぜひしていきたいなと思います」
MC伊藤「来年はSNSさらに全盛期になるんじゃないかと思います」
林尚行氏「今年がSNS選挙元年だとすると、来年はそれが早くも問われる1年になりそうですね」
来年もSNSの情報発信が、選挙結果にどのように影響していくのか注目していきましょう。
2024年はメディア史に残る1年!?SNSの台頭でメディアがどのように変化したのか!?
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