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2024年12月20日に公開された動画のゲストは、JX通信社代表の米重克洋氏です。
2024年の東京都知事選、自民党総裁選、衆議院議員選挙の振り返りと今年の選挙の特徴について解説をしてもらいます。
【このトピックのポイント】
最初の話題は、7月の東京都知事選挙についてです。
選挙前は小池百合子氏と蓮舫氏の一騎打ちだと見られましたが、支持を大きく伸ばした石丸伸二氏が2位と大躍進の結果に。
米重氏「石丸さんの躍進はサプライズでした。この『ネット選挙』のうねりや波に対して、政治界隈も含めて世論の関心が一気に高まるきっかけになったのは間違いないです」
石丸氏は比較的、都心部での得票が多く「東京都心の出身でもないのに、なんで地盤的なものが見えるんだろう」と話題になりました。
結果として、地域の壁を越えて、SNSや ネットを通じて、コミュニケーションが発生をする『ネット地盤』的なものがこの石丸さんの選挙を通じて表出。
同じような現象が他の地域の選挙でも今年は結構見られたと米重氏は解説します。
今まで地上戦といえば、町を這いずり回って支持を集めたり、街宣車をいっぱい走らせたりする「ドブ板の選挙」がメイン。しかし、都知事選以降は「ネットを通じた発信をメインにやらなきゃいけない」と大きく変わりました。
例えば、衆院選で大きく躍進した国民民主党の玉木雄一郎氏は、ほぼ毎週YouTubeで生配信をしています。
そこでは2〜3万人の方が同時接続をしていて、横浜アリーナでライブをやってるような規模感とも言えます。
米重氏も「今までのリアルな地上戦においては起き得なかったことで、それが世論の形成に大きな影響を与えるかが分かった」と語りました。
JX通信社が行った「候補者を支持するうえでYouTubeを参考にした?」という調査では、石丸氏の支持層の半分近くの方が参考にしたのに対し、小池氏と蓮舫氏はそれぞれ1割と大きな差がでました。
一方、新聞は逆です。新聞を参考にした方は、蓮舫氏の支持層では5割いますが、石丸氏の支持層では2割ほどでした。
米重氏は「世代間の断層、 メディア接触の断層というものが、選挙の結果を分析する上でかなり重要な要素になってきている」と解説しました。
9月の自民党の総裁選には、9人も立候補し、全国の自民党党員票の動向に注目が集まりました。
MC千葉佳織「高市さんが徐々に伸びて、小泉さんが徐々に失速していったのは、どういう戦い方が関連していたのでしょうか?」
当初、小泉進次郎氏は圧倒的な知名度があり、本命候補でした。
しかし、小泉氏が掲げる、選択的夫婦別姓やライドシェアなどの政策は「党の支持層、党員が求めているものとギャップがあったというのは否めない」と米重氏は分析します。
一方、YouTubeチャンネルの登録者数が多い高市早苗氏は、YouTubeの中の検索ボリュームも1番多い状況でした。
自民党総裁選の党員票は、東京、神奈川、大阪などの大都市部では、高市さんがトップなのに対して、地方に関しては石破茂さんがトップのところが多いという結果でした。
米重氏は「都市と地方のギャップみたいなものが、最終的に高市さんと石破さんの間で表出をしたという点が非常に面白い選挙だった」と述べました。
MC千葉「ネットの影響は、やはり都市部の方が浸透しやすいのでしょうか?」
都市部では、隣近所の人を知らなくても、ネットを通じて地域の壁を越えて、いろいろな人とコミュニケーションを取っている人が多くいます。
「そういう人たちに対して、何か響く言葉や響く政策などを持っている人たちが、ネットでは有利な戦いをしてきているのではないか」と米重氏。「高市さんも、もしかしたらそういう部分の一端を担っていたんじゃないかと私は考えています」と語りました。
10月の衆議院議員選挙では、自民党が逆風を受け、国民民主党が議席を大きく伸ばし、れいわ新選組も議席数を増やし、日本保守党も初陣で議席を獲得しました。
MC千葉「国民民主党の躍進は、いまだに話題になるぐらい衝撃的で、戦略的だったと感じます」
米重氏「我々の調査でも、国民民主党、れいわ、日本保守党の3つの勢力に共通するものとして、YouTubeの支持基盤が非常に強いということが明らかになっています」
情勢調査では、国民民主党の支持層の約4割の人がYouTubeを参考にしていて、れいわや日本保守党はそれぞれ5~6割の人がYouTubeを参考にしていると米重氏。「今回、ある意味、ネット選挙がうまくはまった政党、政治勢力がしっかりと伸ばしたと言える。ある意味、2024年を象徴するような結果だ」と解説しました。
MC千葉「今年の選挙界隈での流行語大賞ともいえる言葉は『ネット地盤』。米重さんが生み出した言葉ですね」
「ネット地盤」を最初に言い出した米重氏。立憲民主党や日本維新の会の衆院選の総括の文章で「ネット地盤」という言葉が書かれていたのを見て、「今年、それだけネット選挙のインパクトが大きかったんだな」と感じたと話します。
では、米重氏が選ぶ選挙界の「今年の漢字」は何でしょうか?
米重氏「今年の漢字は『波』です」
米重氏は、メディアシフトの波が選挙に大きな影響を及ぼしたことや、いろんな波乱があったことから、「波」を選んだと語りました。
ちなみにMC千葉は「若」を選びました。
総裁選で40代の政治家が2名立候補したことや、国民民主党が今回若い世代を巻き込むことを少しずつ構築しているようなことを理由にあげます。
都知事選は60%以上の高い投票率で、都心部の若い世代が投票に行ったことも、大きなポイントとなりました。
米重氏「若い世代が政治に関心を持つきっかけとして、ネット選挙機能というものは結構あったのかもしれないなと、この現象からは感じますね」
選挙界隈の流行語大賞「ネット地盤」の生みの親が2024年の選挙を徹底解説!
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