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2024年12月26日に公開された動画のテーマは、信じられないこと続きの2024年を振り返る!
ゲストに産経新聞デジタル報道部政治担当デスクの水内茂幸氏と朝日新聞・前政治部長の林尚行氏をお招きし、いわゆる「裏金問題」から衆院選の与党過半数割れまで、2024年の政治トピックについて解説してもらいました。
信じられないことが起こり続けた2024年!水内記者がビックリ仰天したこととは!?
【このトピックのポイント】
MC伊藤由佳莉「今年の政治・選挙の出来事をスライドにまとめました。特にどれが印象的だったでしょうか」
2024年政治・選挙の主な出来事
2年半ぐらい石破総理の番記者をしていた水内氏。石破氏がまだ総裁選に出れるかどうかわからない時期にちょっと話した時には「推薦人を集めることすら苦労しているような感じだった」と振り返ります。
そこから数カ月で石破茂総理が誕生。「石破茂内閣総理大臣なんて言われる日が来るというのは、いろんな意味でもう信じられない」と水内氏。「本人に失礼ですけど。ビックリ仰天ですよ」と感慨深げな表情を見せました。
林氏は「衆議院選挙での自公の過半数割れ」が特に印象的だったと語ります。
世論調査で「次の総理にふさわしい」と人気があったこともあり、総理に選ばれた石破氏。
人気があったはずにも関わらず、総理に就任後すぐに解散した結果、自公過半数割れの大惨敗でした。
林氏は「2009年に自公から民主党に政権が変わっていくときも相当スゴイなと思いましたけど、今回の負け方も、相当スゴイ」とコメント。
選挙戦の前半は「そうは言っても自公が過半数ギリギリいくかもね」という肌感覚があったという林氏。「例の2000万円の支給問題で、 一気にガーっと自民党への風がもう一段強まって、最終的にまさかの公明党の代表が落ちる。あまりない姿を見せてもらったなと思ってます」と語りました。
林氏「やっぱり選挙って、わずか数日で変わるんだなという『選挙の怖さ』というものを改めてわかった。我々、政治記者はちょっとそこが麻痺してたのかもしれないなと思った」
水内氏「やっぱりこれまでの常識で測ると、この結論は絶対出てこない感じですよね……」
MC伊藤「前半の記憶が遠い昔になっているかと思いますが、そもそも岸田文雄総理が総裁選不出馬というのも、国政にとっても大きなトピックでした」
2023年の年末に発覚した政治資金収支報告書の不記載問題がずっと尾を引き、現職総理の不出馬につながりました。
この件について水内氏は、当初、自民党の人も裏金問題を軽く見すぎていたと語ります。
水内氏の周りのメディア側の人も途中までは「大した問題ではない」という認識の人も結構いたそうです。
しかし、政治家の訳が分からないお金の使い方に対して国民が感じる怒りや政治に対する不信感が想像以上に強く、今回の衆院選の自公過半数割れの結果にまで繋がったといえます。
MC伊藤「現職総理が次の総裁選に出ずに、若手も含めて総裁選を行うことで、党は刷新できたのでしょうか?」
林氏は、総裁選の動きの中で、派閥を解消し、同じ派閥からも複数の候補者が出る状況が作り出されたところまでは良かったと分析します。
しかし、決選投票を勝ちぬくプロセスで、麻生太郎氏、岸田文雄氏、菅義偉氏などのキングメーカー的な人たちの数合わせで石破氏が選出されたため、数の論理に先祖がえりをする結果に。
林氏「数の論理から最も遠い所にいたはずの石破さん。まさに遠い所にいてほしいと国民世論から期待された石破さんが、この数の論理に縛られる形で、言ってたことが変わってしまったり、予算委員会で本当の論戦をせずに、元々の小泉シナリオに乗っかって解散してしまったりというところが、結果として衆議院選の大敗を招いた」
林氏「自民党自体が本当に変われたのかというのは、実はこの1年見てもよくまだわからないという状況なんだと思ってますね」
MC伊藤「先日閉会した臨時国会のメイントピックが103万円の壁であり、政治改革、政治とカネの問題でした」
水内氏は「産経新聞の社説と自分の考えが違うと怒られちゃうかもしれないですけどあえて言う」と前置きをした上で「自民党は選挙結果を深刻に受け止めてないんじゃないかと思う」と指摘します。
今、国民は物価高で苦しみ、手取りを増やすという政策に反応した結果、衆院選で国民民主党が躍進。
一方、自民党の宮澤洋一税調会長は、国民民主党との税の議論で「グリーンはどこでしょうか」と発言していました。
水内氏「まだ横綱相撲をしているような感じがして。あんな対応を取ればとるほど、自民党の支持率が日を追うごとに下がっていくんじゃないかと思う」
最終的に今回の臨時国会では、国民民主党が主張する年収の壁の103万円から178万円へ引き上げるという主張は完全には通らず、引き続き協議をすることになりました。
これは、自民党や国民民主党にとってマイナスとなる結果なのでしょうか?
12月の政党支持率の世論調査では、国民民主党が立憲民主党を上回る結果となりました。
この結果から「国民民主党は損してない」と推察できます。
一方、「自民党も実は損はしてない」と林氏。
少数与党の自民党は、国民民主党を繋ぎとめる必要があるため税の協議を続け、178万円に近づけながら「俺たち頑張ったから、予算通してね」としたいのではと推察します。
103万円の壁に関する自民党と国民民主党の協議を「切った張ったをしている歌舞伎だ」という人も永田町ではいるそうです。
「両方とも損はしていないと思う」と林氏はまとめました。
MC伊藤「野党第1党であり、予算委員長のポストも担っていた立憲民主党の存在感はいかがでしたでしょうか?」
水内氏「少なくとも年内の間は、ちょっと存在感はなかったなという感じ」
野田氏は、政権にたどりつくまでのファーストステップだと考えているのではないかと水内氏は推察。
一方、国民から見ると「立憲民主党は何をする政党なのだろう?」という印象があり、政策的な部分も伝わってこないので「来年の特に参院選に向けては大きな課題がある」と語りました。
林氏も水内氏の意見に同意し「自民党が自分探しをしているのと同時に、立憲民主党もまだ自分探しをしていると思う」と分析。(立憲民主党は)何をしたい政党なのか、政権を取ったら何をするということを言語化して国民に分かりやすく伝える作業が必要だと指摘しました。
MC伊藤「2024年を振り返る1回目でした」
水内氏「自分自身を恥じる1年でした……」
林氏「そうですね。これを当てた人はいないし、当てられるわけがないかも……」
「これまでの常識が通用しなかった」と政治記者が語る激動の2024年の政治を振り返る!
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