
2月25日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、開会中の代表質問について政治記者の産経新聞・水内茂幸氏と今野忍氏が独自目線で解説!日本共産党が56年ぶりに代表質問の質問権を喪失する歴史的変化の一方、高市総理の「カタログギフト配布」の影響とは?政治記者2人が、「自民党の古い慣習」うあ国会の前時代的なルールにも斬り込みます。
MC水内茂幸記者(以下、MC水内記者):今日(2月25日)は代表質問2日目です
今野忍記者(以下、今野記者):まず、ちょっと歴史的なことをひとつだけ言っておくと、56年ぶりに日本共産党が代表質問に立たなかった。
MC水内記者:ついにこういう日が来たかなというところですよね。
今野記者:これが一時的なもので復活してくるのか、もう(代表質問に)立つ機会はないのか。そして入れ替わるように、チームみらいが立ったというのは歴史的ですよ。共産党は、(衆議院の議席が)8から4になった。どういうことかというと、衆議院の「議院運営委員会」というところで、本会議の日程や「どの順番で誰が代表質問をやるか」を決めるんですよね。党は国会の中で「会派」と呼ばれるから、ドント式みたいな感じで議席の順に議運のメンバーが決まるんですよね。
MC水内記者:そう、委員の数が決まっていて、一定の人数がいないとそこにメンバーを輩出できないということになるわけですよね。
今野記者:そう。で、代表質問について、僕はいつも「つまんないですよ」と言ってるんです。予定された原稿を読んで、予定された答弁を高市総理が答えるから予定調和なんだけど。でも、本会議場でやるから、やる方にしてみれば「花形」というかさ。
MC水内記者:たとえ与党でも「あそこに出てやった」というのはね。「ちょっと(自分が演壇に立っている)写真を撮って俺に送ってくれ」という人もよくいるよね。
今野記者:そうそう。中堅ぐらいの議員さんの部屋に遊びに行くと、大体飾ってあるのは本会議場で自分が質問をしている時の写真。本会議場の壇上に立てる機会ってなかなかないからね。そういう意味でセレモニーとしては貴重なんだけど。そこに共産党がいない。昭和44年(1969年)以来というから、さっき言った通り56年ぶり。
MC水内記者:いやあ、やっぱりそれって結構な時代の節目を感じるというか。共産党も議席を増やそうと田村智子さんを含めてやっているんでしょうけれど、なかなか今の衰退していった状況。中道とも「もう選挙協力しませんよ」と当たり前のようになっていったでしょう。で、(共産党機関紙の)「しんぶん赤旗」の読者も配っている人も高齢化している中で、ひとつの時代の区切りなのかなという感じ。

今野記者:そうですね。僕は共産党に政権を取ってほしいとは思わないけど、日本に必要な政党だと思っていて。今回の派閥の問題を暴いたのも赤旗だしね。必要なんだけど、なかなか今は幅広い合意や支持を得られるような政策やプレゼンスになっていないんじゃないかなというのは感じますね。
MC水内記者:今日はカタログギフトだよね。一報を聞いたとき、今野さんどう思いました?
今野記者:意外だなと思いましたね。政治資金の知識があるから違法性はないんだろうと。政党支部から政治家個人への寄付なら法律的な違法性はないので。ただ、僕の高市さんのイメージって「アウトサイダー」というか、「自民党的な古い文化」、もっと言えば「経世会」的文化とは対極にいる人だと思っていたから、「あ、同じようなことやってるんだな」という。
MC水内記者:僕はこの一報聞いた時に「古い自民党」っぽいイメージがあるでしょう。石破(茂)さんの時も商品券10万円ずつ配ったとかあったし、他の総理時代も伝統的にいろんなものを贈る文化が自民党にはあったから。ネクタイとか、シャツやスーツの仕立て券とかね。高市さんはそういう「古い自民党」とは違うイメージがありながら、今回そうなったというところがね。政党支部から個人であれば違法性はないと思うし、極端なことを言えば政権が傾くというほどではないけど
今野記者:うん、そこまでではないんですけど、立憲民主党参議院幹事長の田名部匡代さんが質問をしました。先の衆議院選挙において、自民党の全ての衆議院議員側にカタログギフトを配ったことを明らかにして(高市総理が24日夜にXで釈明)、石破総理は10万円の商品券を15人に渡し、批判を受けて謝罪した。カタログギフトの総額はいくらになるのか、原資と目的について説明してほしいと質問しました。
ちょっと長いけど公平性を保つために全部読みますね。これに対して、高市総理は、今回の大変厳しい選挙を経て当選したことへの労いの気持ちも込め、今後の議員としての活動に役立てていただきたいと考え、奈良県第二選挙区支部として、品物を寄付した、と説明してます。その上で、品物は本体価格とシステム料、送料に消費税を掛けて1人分約3万円、合計315人分になる。私(高市総理)が支部長を務める「奈良県第二選挙区支部」の政治資金からの支出だ。政党支部から議員個人への寄付として法令上も問題はないと認識している、これが高市さんの答弁。

今野記者:ポイントは政党支部から配っていること。政党支部って何かというと、自民党本部があって、政党支部がある。個人事業主がマイクロ法人を作ると経費がやりやすくなるのと一緒で、政治家個人には政治資金規正法が厳しいが、政党支部を持っていれば「第2の財布」なんですよね。自分のポケットマネーにはできないけど、経費(政治資金)としては比較的自由に使える。政党支部から政治家個人や政党支部への寄附はOKだし、個人から政党支部への寄附もできる。ただ、政治家個人同士での商品券などの金品のやり取りはダメということです。
MC水内記者:皆さん思い出してほしいのは、企業・団体献金のところで、国民民主党と公明党の(政治資金規正法の改正)案では政党本部と都道府県の1つの窓口に絞ろうとして自民党が抵抗したことがありましたよね。
今野記者:(中略)一部野党の人言ってるのは、これを政治とカネの問題を惹起させるみたいに言ってるんだけど、それだとちょっと違って、これはあくまで僕の問題提起としては「古い慣習やめませんか」ということです。
MC水内記者:僕もそう思います。これで鬼の首を取ったように、政治とカネが根付いているような文化があるとか言うけど、そこまでのものではないような気がする。けれども他方で、こんなことやらなくても(自民党議員は)高市さん支えていくだろうし、もらっても意味ないだろうみたいな感じもするからやる意味がね。ちょっと古いなっていうイメージをみんな受けるんじゃないか。
今野記者:僕が中堅議員に取材したら「違法性はないですよね」と。「何頼んだんだ?」って聞いたら、「いや、まだ開けてないです」って(笑)。1週間ぐらい前に高市さんの事務所から(その国会議員の)事務所に、奈良だから近鉄百貨店のラッピングで「祝当選」みたいにのしがついて届いたみたい。届いた話を聞いた後に、若手・中堅議員の集まりでも「絶対どこかの週刊誌か新聞に出るだろうな」と話題になったと。高市総理は今、選挙に勝って求心力があるからやる必要がないよねと。メリットがないのに何でやったのかと。ひどい話なんだけど、石破さんなら人気なかったから分かるけどって。
水内記者:それは切ないね……
今野記者:3万円欲しくないとは極端かもしれないけど、求めてないじゃん。だって、麻生(太郎)さんのところにも届いているはずだけど、3万円のギフトはいらないでしょ。だから、総理大臣官邸とかに伝統的に贈答文化が残ってるんじゃないか(中略)
MC水内記者:ひとつ視点を変えると、今回のニュースが出た時のネットの反応が石破さんの時とは全然違っていた。「野党が予算委員会でこれ(カタログギフト)ばかり追求していたら、本当に野党の存在意義がないね」というような、どちらかと言えばこのテーマに関しても野党への厳しいコメントがあったんですよね。これが今の雰囲気なのかなという感じが非常にしました。

中道側も「鬼の首を取ったように」批判している人が一部にはいたけれど、こればかりやっていたら「何のために前回選挙で人の文句ばかり言っていたことに対して、厳しい審判が下ったのか」ということになってしまう。だから、泉健太さんがXで、俺たちは政策で予算委員会をやるぞということを急に言ったりしていて。これまでの中道の人たちとは少し違う感じが見えたりもしました。この動き、今野さんはどう思いますか?
今野記者:(国民民主党代表の)玉木さんたちが言っているあたりが一番本質的で、「国民がどう受け止めるかへの想像力が欠けていたのは残念」ということですよね。あくまで法律には違反していないわけですからね。
だからこれを「政治とカネの問題」だと言って、「裏金問題」と言われた不記載事件と並べて語ってしまうのはちょっと違う。裏金の方は明確な政治資金規正法の違反で、刑事事件にもなっているわけだから。こっち(今回のカタログギフト)は法令的な違反はないけれど、一般感覚から見て「えっ?」という違和感はある。
高市さんの熱心な支持者は「そんなの全然問題ない」と言うかもしれないけれど、いわゆる無党派層や、「今回は自民党は嫌だけど高市さんは応援したい」と思って(自民党に)票を入れた人から見れば、「古い自民党を見せつけられちゃったな」と
MC水内記者:そうだね。そのガッカリ感はすごくありますよね。
ただおそらく、来週から始まる予算委員会かなんかでこればっかり染まるみたいなことは中道もしないとは思うけれども。 これまでの予算委員会って揚げ足を取ったり、スキャンダル追及だけにずっと時間を費やすみたいな部分があったと思うけれども、それが今回の選挙を受けて予算委員会がどういう風になっていくか1つ注目だなと思います。
MC水内記者:今日はね、(国民民主党代表の)玉木(雄一郎)さんの質問でちょっと面白い話がありました。国会のタブレット持ち込みていうのが質問になったわけですよ。 玉木さんは紙の原稿を見てるけれども、本会議場などではタブレットの持ち込みが「品位を欠く」という理由で禁止されているんですね。色々調べ物をしたりするために「(持ち込みを)解禁したらどうですか」という話ですけど、それを提案した時に与党側からうわーってヤジが出たんですよね。
玉木さんはヤジを飛ばすことと、タブレットを出すこと、果たして「どちらが品位を欠くのか」という問題提起をしたわけですよ。どうですか?
今野記者:いや、タブレットぐらいもういいじゃん、と思いますよね。今時タブレットが品位を欠くなんて、その感性が僕には理解できない。
MC水内記者:僕ら記者も、本会議場の上にある記者席でスマホを出していると、たまに衛視さんに見つかって「やめてください」と言われることが結構あるんです。
今野記者:え、記者席もダメなんですか?僕、いつも普通に(写真を)撮ってましたよ。
MC水内記者:スマホとかは使わないでください、と怒られたことがあります。議員たちも結構スマホをいじってたりしますけど、本当はダメなんですね。

今野記者:厳しすぎますよね、今時。
MC水内記者:自民党本部での会議はタブレットありですし、委員会でもパソコンを開いてる人は結構いますよね。なのに「パソコンはいいけどタブレットはダメ」とか意味がわからない。
国会のデジタル化って、進んでいないところがある。以前、鈴木貴子さんから聞いたんですが、女性議員が妊娠して産休を取る際、国民から付託を受けている訳だから、リモート投票などで採決に参加できないかと動いたことがあるそうなんです。自民党の小泉進次郎さんたちもサポートして運動を起こしたんですが、当時の重鎮たちが、「議場の中にいないとダメだ」と。結局ダメになったと聞きましたね。
今の時代なら、なりすましを防ぐ技術もあるし、もっと柔軟であってもいいと思う。鈴木さんが言っていたのは、そういった議論を提起したら「付託を受けているんだから、妊娠するようなら最初から出馬しなければいい」という暴論まで返ってきたそうです。
今野記者:選ぶのは有権者の自由だから、出馬するなはおかしいですよね。
今野記者:他にも、昔から議事録などが全部印刷されて、それが配られるまで2〜3時間待つなんてこともありました。不毛の限りですよ。
MC水内記者:タブレットを使えば一瞬で終わる話。印刷代だけでも、年間にしたら軽く何億というレベルでかかっているはずです。チームみらいも提案しているけど。その時間と労力、費用を考えれば変えられる部分は非常にある。
今野記者:国会の内側の話は外になかなか開かれないから、一般の人に見えないところにものすごい無駄がある。「タブレット禁止」みたいな意味不明なルールは、一度全部並べて(無駄を)洗ってみたいですよね
MC水内記者:「昔からの伝統でこうです」というのばかりで。なんとかしなきゃいけないですね。
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