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2024年1月29日に公開された動画のテーマは「選択的夫婦別姓 議論の行方は?」
今国会の後半で議論が予想される選択的夫婦別姓制度の導入。朝日・産経の現役新聞記者に「大人の議論」をしていただきました。制度設計だけでなく、政治の流れを大きく変えるかもしれないというお話ですが……?
選択的夫婦別姓の導入について、自民党・公明党で協議が始まりました。
昨年9月の総裁選では、小泉進次郎氏が導入に積極的な発言をしていたのは記憶に新しいと思いますが、自民党内では依然導入に対する賛否はさまざまです。
水内茂幸氏は「家族のありようを根本的に変える問題。なにぶん子どものあり方など、制度がきっちりできていないという部分を含め、これを入れるとどうしてもダメだというので、かなり厳しい」と指摘します。
まず自民党内では、反対派がいる中、高市早苗氏のように通称使用できる範囲を拡大し、今使えないことで不便な部分を埋めていこうとする意見もあります。自民党としては、議論は始めているものの、今国会で成立までは考えていないのではないかと推察します。
一方、賛成の政党は動きを活発化しています。
他方、与党の公明党は選択的夫婦別姓について賛成。自民党に党内の議論をまとめるよう働きかけており、「石破首相にすごくせっついているという状況」とのこと。
この問題に積極的なのは立憲民主党です。朝日新聞の林氏は、法務委員会の委員長に西村智奈美氏が就任したように「立憲民主党としては、(選択的夫婦別姓の問題が)最大の球のひとつであることは間違いない」と述べます。
今国会での議論として、以下の「3つの山場」があると予想されています。
選択的夫婦別姓の問題をそれほど急いでいないことに、「本当にそれで石破さんが大丈夫なのか」と疑問を呈する林氏。
立憲民主党では、国会の後ろのほうになるほうが自民党を揺さぶれるとし、参院選の近くに議論のヤマを持って来るのかが見どころだと解説します。
林尚行氏「選択的夫婦別姓の賛成勢力は過半数を超えている。基本的に過半数を取れるのに、この問題を取り上げない、自民党からブレーキをかけるのは、それによって内閣不信任案の大義になるかもしれない」
この問題が中道派を合流させてしまい、政界再編の芽となる可能性もある、と指摘する林氏。
立憲民主党の野田佳彦代表は、参院選を見据えてシナリオを作っています。
公明党が自民党に対して不信感を持ったまま参院選に突入したら?
森山裕幹事長のミッションは、党内少数の基盤である石破政権を長持ちさせること。分裂の芽を摘まなければなりません。
党内協議によって賛成派と反対派を足して2で割ることは無理でも、自民党としては一定の選択を迫られることになります。
国会を見ると野党が多数で、法務委員長は西村氏。法案の審議に大きな職権を担っています。
「家族のあり方や子どもの扱いなど、制度設計をきちんと詰めないと大変な騒動が起きるものだと僕は思うんですよね」と水内氏。政局の道具になることを危惧します。
「同感です。ここで熟議が問われる」と林氏は指摘します。
今回、法案次第では衆議院を通過し、さらに公明党が賛同すれば参議院も通過するかもしれないのはいままでにない政治情勢です。実現可能性があるという前提で、きちんと最後の詰めを与野党で話し合うべきだとコメントします。
野党側でも、党によって温度感が違うのでしょうか。
国民民主党にインタビューした水内氏は「しっかり考えた方がいいという方向」と紹介します。
林氏「国民民主党は経済と格差(に力を入れている)の政党なので、優先順位が高くない。維新は吉村代表になって柔軟になっているように見える。公明党がこれまで積極的になることはこれまでなかった。モメンタムとしては、あるといえばある」
公明党がほかの政党と意見が一致することがあったら、「与党としての体をなさないという。それぞれの機微に触れる問題」と危惧する水内氏。
水内氏「ここで他の政党と一緒になってやっていかないと、自民党内の反発は政治資金の比じゃないほどすごくなるという恐ろしさがあると思います」
毎日新聞の世論調査では、賛成が42%でした。
産経新聞とフジテレビが1月に実施した調査では、通称使用の拡大のほうが率としては高いことが明らかになっています。選択肢によっては傾向が変わる可能性があると水内氏は指摘します。
「経団連も賛成に舵を切っている。欧米標準になりつつあるのだろう。ビジネスの観点では使いたい」と林氏。
今夏の参院選を見据えて政権与党としても中途半端な対応によって批判を受けることを回避したいのではないかと展望しました。
政界再編の鍵?与野党分裂?「選択的夫婦別姓」制度を朝日・産経記者が激論!
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