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少数与党の予算案攻防の裏側と施政方針演説を政治記者が徹底解説!

2025/1/29

選挙ドットコム編集部

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2025年1月28日に公開された動画のテーマは、「通常国会開幕!予算案攻防どうなる?」です。

ゲストに産経新聞デジタル報道部政治担当デスクの水内茂幸氏と朝日新聞・前政治部長の林尚行氏をお招きし、首相の施政方針演説から予算の攻防まで解説してもらいました。

前原共同代表と石破総理は実はめちゃくちゃ仲が良い!?個人の関係と党の行方とは

【このトピックのポイント】

  • 政治記者による所信表明演説のポイントとは
  • 予算の成否は各党の実績の駆け引きで決まる?
  • 公明党は維新との協力に前向きになれるのか?

石破首相の施政方針演説を解説

通常国会が1月24日に始まりました。ゲストのお2人に今国会の展望についてお話を伺っていきます。

MC伊藤由佳莉「まずは、石破総理の施政方針演説をお聞きになっていかがですか?」

水内氏は「正直に言うと、全く心に残らなかった」とコメント。石破総理は、地方創生、「令和の日本列島改造」、「楽しい日本」を目指すなどの話をしましたが「具体策にちょっと乏しい感じもする」と指摘。

水内氏は“政権の超中枢のある人”から「これから野党、特に国民民主や維新といろいろ交渉が控えている前に、これもやります。あれもやります。なんて少数与党が言えるわけないだろ!」と言われたというエピソードも披露しました。

水内氏「だから、いろんなところから突っ込みを受けないマイナスの施政方針演説みたいなイメージが僕にはあります」

林氏は「“楽しい日本”というフレーズと”日本列島改造論”がみんなつながらない。だから、なんとなくみんなモヤモヤ感を持っているのかな」とコメント。

「結局103万円の壁の話はなかった。無償化の話も全然出てこなかった。本予算をどうやって通すかというところで非常に重要なはずの2つがほとんど目立たなかった」と林氏。「多分、周りの人が助言してあげてないのかなって、逆に心配になりました」と述べました。

MC伊藤「『責任ある立場での熟議』という言葉がありましたが、これはやはり少数与党であることも裏返しなのでしょうか?」

林氏は、石破総理は元日のラジオ放送で「大連立」に触れたことを挙げ「石破さんの頭の中では多分いろいろ考えてはいる」と指摘します。

国民民主党と日本維新の会の天秤だけではなく、その先には立憲民主党を見据えて「熟議」をキーワードに、自分の政権を維持してさらに前に進めたいという思いがすごく出たんじゃないかと推察しました。

一方で、林氏は「熟議ってなんぞや?」と疑問を投げかけます。

臨時国会では、それぞれの政党が自分たちの実現したいことを言ってきて、『与党ボケ』をしていた自民党が「これはヤバい」と譲歩したようにも見えました。

林氏「妥協と譲歩はあったけれども、熟議があったか?というところは問われてくるんだろうと思っています」

予算の成立の行方を予想

今回の通常国会の最大の争点となるのが予算案の成立です。

予算は、国民生活を裏打ちする国家の一番重要なものであり、例えば年度内に予算が成立できなかった場合は、暫定予算という形で国民生活に直撃します。

予算を通せない政権与党は、基本的にダメですが、野党側も国民生活にしわ寄せを与えたとなりかねないため「非常に難しいオペレーションになってくる」と林氏。

しかし、「結論から言うと、予算案を巡って本当のガチンコバトルになる可能性ってのは実はそんなに高くないかなと思っている」と語りました。

水内氏は「立憲民主党が、今の予算案の成否のところで本気になって石破政権を倒しにいってるかというと、今、取材をしていてそういう空気をあんまり感じない」と熱く語ります。

予算成立を勝負の決定的なポイントにする感じではなく、参院選のところまで勝負を先送りしたいという気持ちの方が強い気がすると述べました。

自民党の政調系の人には「参院選に向けて、対決姿勢は維持したいけど、少数与党だからこういう政策は実現できたと、各政党も実績が欲しいんじゃないか」と話す方もいると水内氏。

水内氏「駆け引きをしていって、致命的な対決にならずに通していくみたいな感じの流れになるのかなと思っています」

MC伊藤「少数与党の政権与党としては、予算成立がまずあると思うんですが、野党側にとっても情勢の中でどれだけ自身の成果を勝ち取れるかということも見どころですね」

石破氏と前原氏の意外な関係

水内氏が自民党の人を取材すると「維新とやればいいんじゃないか」と語る人が結構いると言います。

一方で、去年の臨時国会では予算案の撤回動議などもあり「本当に信用できんのか」みたいに話す人もいるそうです。

林氏は自民党と維新が一緒にやることには「2つリスクがある」とコメント。

一つめは、公明党のこと。前回の衆院選で維新と公明党は大阪で激突し、公明党が落選したので「公明党としては、維新とだけは仲良くやりたくない」と語り、公明党と維新の関係性について懸念を示しました。

二つめは、維新の共同代表の前原誠司氏のこと。

「なんとなくギクシャクしている維新の中で、前原さんがまとめて、自分自身が方向を決めたとおりに最終的に賛成までいけるかどうかは、わからないと言っている人もいる」と林氏は話します。

実は、ゲストの両氏によると石破総理と前原氏は鉄道ファンという共通点もあり「めちゃくちゃ仲が良い」とのこと。石破氏個人が仲が良くても、自民党全体で見ると根強い不信感はあるといえます。

また、基本的に前原さんは非自民の立場です。

林氏は「野党でありながら、本当に自民党に協力しきるのかは論点かな」と述べました。

動画本編はこちら!

予算案をめぐる与野党の攻防!カギを握るのは前原氏と石破氏の関係か?

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2023年に年間1億PVを突破した国内最大級の政治・選挙ポータルサイト「選挙ドットコム」を運営しています。元地方議員、元選挙プランナー、大手メディアのニュースサイト制作・編集、地方選挙に関する専門紙記者など様々な経験を持つ『選挙好き』な変わった人々が、『選挙をもっとオモシロク』を合言葉に、選挙や政治家に関連するニュース、コラム、インタビューなど、様々なコンテンツを発信していきます。

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