
YouTube「選挙ドットコムちゃんねる」では、毎週選挙や政治に関連する情報を発信中です。
2024年1月10日に公開された動画のテーマは「後継候補の全国公募・電子投票 やってみてどうだった?」
ゲストに大阪府四條畷市の東修平市長をお迎えし、昨年12月に行われた市長選について、後継候補の全国公募や全国8年ぶりの電子投票についてお伺いしました。新しい取り組みに果敢にチャレンジし続ける四條畷市の秘密とは?
【このトピックのポイント】

求人サイトを用いた市長公募のポイントはふたつあると東氏は語り始めました。
1つ目は、市長というものがどういう人間がいいのか考える機会が生まれたこと。
東氏は、「現状、市長にふさわしい人がなるというより、(構図など)市長になれそうな人がなるという世の中」と指摘します。
しかし、実際には、居住要件がないなど、市長に立候補する要件はそれほど多くありません。「市長にふさわしい方誰しもが挑戦できる枠組みを作れたら」と考え、実施したとコメントします。
もうひとつは広く募ることで、東氏や市民自らが、市長としてふさわしい後継者を選ぶことができたことと指摘します。今回の四條畷市長候補に応募したのは、なんと209名。従来の市長による「後継指名」は市長の知り合いから選ばれることがほとんどですが、東氏たちは「四條畷市民の力」という政治団体を立ち上げていろいろな世代やコミュニティに属する人々が面接する中で、候補者を選びました。
活動を開始したところ、候補者の方が思わぬ体調不良で立候補を断念せざるを得なかったものの、改めて選び出された銭谷翔氏が市長に当選しました。
今回の公募にあたり、東氏はどのように評価しているでしょう。
東修平氏「ポジティブな点は、209人が四條畷市長選挙に挑戦の意欲を示した事実がわかったことは意味があることだと思います。(中略)なり手不足と言われていますが、環境さえ整えばやってみたいと思われる方は日本中にいることが分かった」
もうひとつは、市長候補を公募することで、街の中で議論が起きたことです。
東氏は、思いや資質を持つ人が選挙に立候補しても勝てるわけではないということを示しながら、「市長ってこういうことで決めることができるか」「市長ってどんな人がいいのか」という議論が巻き起こったことを前向きに捉えたいと語ります。

今回の市長候補公募の取り組みには、各地の現職の首長からもさまざまな問い合わせがあったと言います。その内容の多くは「目からうろこ」「こんな方法があったんだ」とポジティブな声だったとのこと。
東氏「首長は、着任した時から、常に辞める時が来ることは意識して仕事をしていると思います」
また東氏は、首長候補の公募の価値を次のように語りました。
東氏「どのような町でも、新しい風やものを取り入れなくなったものは少しずつ停滞をしていく。しっかりと新しい考えを取り入れていくことで発展していける」
公募の課題、難しさは。
東氏「一番は、市民のみなさんにとって不安が大きかったこと。知らない方が急に来て市長が務まるのか。町の出身でない人に町のことがわかるのかという不安。たくさんあるだろうと認識していた」
今回の市長候補として最終候補に残った6人のうち、四條畷市にルーツがあるのは、新市長の銭谷氏を含めた3人でした。東氏は、「元市長として市の歴史、学んでおいたほうがいいことをしっかりと伝えていくのは誰にとってもいいこと」と語ります。
その際どうしても拭えないのは、いわゆる「院政」について。市長退任後も、東氏が新しい市長に働きかけて行政権を行使するのではないかという疑念を払しょくするのが難しかったとコメントしました。
東氏は、首長候補の公募は「有志の市民がグループを作って公募することができる」とアドバイスし、首長の多選によって停滞している地域において、町を変えていきたい市民が声を上げられることの重要性を示します。
また、政党との関わりについて東氏は、「議会の構成を考えた場合、特定政党に近いと議会運営含め難しい側面が出てきうる。10万人以下規模くらいの自治体では、首長は無所属が望ましいのではないか」と指摘。首長候補の公募の可能性を示唆しました。

もうひとつ、今回の四條畷市長選で新たな取り組みとなったのは電子投票です(※編集部注:同日執行の市議補選でも実施されました)。
全国で8年ぶりとなる今回の電子投票は、総務省が新たな技術的要件を定めてから初めてのものです。総務省の変更は、専用端末から汎用タブレットで投票行為をできるようにしたものです。
電子投票というのは、自宅や自分の端末から投票する「ネット投票」でなく、投票所に赴いて、コンピューターやタブレットで候補者の氏名を選ぶもので、ネット投票の一歩手前の状態といえます。
東氏は、電子投票の最大のメリットは、効率性でなく疑問票や無効票が激減することだと説明します。
従来の投票用紙での選挙では、厳密な記載ルールに従った結果、本来有権者が示しているはずの1票が正しく反映されないことがあります。電子投票によって、疑問票をなくすことができたのは大きいと評価します。
東氏「今回、市長選と同時に行われた市議会議員の補欠選挙の票差は35票でした。疑問票・無効票で左右される票差」
また、今回四條畷市の選挙では「候補者を選ばずに終了する」という選択肢を設けました。この結果出た白票は、市長選では200、市議補選では800票ほど。東氏は、議会からも白票を設置すべきという意見があり、有権者にとっては意思を示すことができたと振り返ります。
今回の電子投票は、実は市の選挙管理委員会の発案によって行われたものです。総務省の新しい技術要件に基づいて取り組んだ初の選挙であることから、市選管を始め四條畷市では「成功させることに重きを置いて、慎重に」取り組みました。
東氏「(トラブルなく成功に終わった要因は)市選挙管理委員会が緻密に準備をし、丁寧な対応をしたことに尽きる。過去に起きた失敗を研究し、すべてつぶしました」
トラブルを発生させないことを重視した結果、今回の選挙ではネットワークを使わず、タブレットに鍵付きのUSBメモリを挿入。選挙終了後は職員が開票所に運ぶという、紙の選挙と同じ運用を行っています。
選挙の集計では票を運ぶ時間が多く占めるため、劇的な時短にはつながらなかった模様です。
市の職員の負担は劇的に下がったとのこと。残るはコスト面ですが、多くの自治体が取り組むことで、スケールメリットが図れるのではないかと東氏は指摘します。
最後の問題は法律面。現在、電子投票は国政選挙には適用できません。このため、国政選挙と市長選が同時に行われた場合、電子投票と紙の投票のハイブリッドになってしまうとのこと。今回の四條畷市の取り組みをきっかけに、法律改正が望まれるところです。

東市長の革新性が取り上げられやすい四條畷市ですが、今回の電子投票を始め、市の全国初の取り組みはすべて現場発のものだと東氏は語ります。その秘密は。
まず、組織理念に「日本一前向きな市役所」、人事ポリシーに「挑戦・共感・連携」を掲げていることで、職員の挑戦を前向きに評価することが、人事制度的にも整えられていることを挙げます。
四條畷市の人事評価は、課長級の評価を半期に一度、部長級会議でみんなで決められます。推挙したい課長を取りまとめ、それぞれのよかった点を議論して、組織として誰がいいかを決定するというものです。
東氏「組織としてどういう人物をよしとするのか、意識のすりあわせができることが、組織理念の浸透につながる」
また、議会も市の挑戦をあと押しする気風だそうです。電子投票の条例制定の際も、議会は基本的に概ね賛成。議会の「ファーストペンギンとして挑戦するのはいいことだ」という姿勢が、今回の挑戦につながったと東氏は結びました。
選挙ドットコムちゃんねるは毎週火曜日から日曜日に公開!
ぜひ高評価とチャンネル登録をよろしくお願いいたします!
【有権者の心に響く第一印象を。選挙ドットコムで、あなたの情報を掲載しませんか?】
選挙ドットコムの政治家情報ページには、顔写真やSNSアカウントへのリンクなどを完全無料で掲載いただけます。
有権者の皆さまにとって、こうした情報は候補者一人ひとりを知るための大切な第一歩になります。
ぜひ、あなたのページを充実させて、有権者の皆さまとの距離をぐっと縮めてみませんか?
情報掲載をご希望の際は、こちらのフォームよりお送りください。皆さまからの情報をお待ちしております!
※申請は「政治家・候補者本人」または「政治家・候補者本人から承諾を得ている方」に限ります。承諾がない場合は掲載できませんこと、予めご了承ください。
この記事をシェアする
選挙ドットコムの最新記事をお届けします