今日から30年前の1994年12月10日に新党「新進党」が結党されました。1996年衆院選で初めて導入される「小選挙区比例代表並立制」を見据え、当時の自民党・社民党・新党さきがけの3党連立政権に対抗する「非自民」の一大勢力として存在感を示しましたが、わずか3年で解党。政党の期間は短かったものの、所属していた議員が現在の各政党の幹部となっているケースが多いことで話題になっています。このコラムでは、新進党に所属していた議員や結党から解党に至る経緯などを紹介します。
新進党は、自由民主党から分かれた「新生党」、日本新党、公明党、民社党などが合流する形で1994年12月10日に結成されました。初代の党首を海部俊樹元総理、幹事長を小沢一郎衆院議員が務め、国会議員214人が所属する一大勢力となりました。
結党後に初めて臨んだ1995年参院選では40議席を獲得して自民党(46議席)に次ぐ勢力として大勝しました。しかし翌1996年衆院選では前年に結党した民主党と自民批判票を食い合い、さらに比例重複立候補を原則的に認めなかったことから小選挙区では僅差で落選するケースも(野田佳彦氏は105票差で落選)ありました。この結果、新進党は公示前勢力よりも少ない156議席に落としました。
参院選後も、新党結党を理由とした離党者が相次いで分裂し、1997年の12月27日に解党しました。
新進党の初代トップには海部俊樹氏(元総理大臣)、2代目には小沢一郎氏(現・立憲民主党)が就任しました。解党後に、各政党で幹部を務める元所属議員は以下の通りです。
【自民党】
石破茂衆院議員(現・自民党総裁、総理大臣)、高市早苗衆院議員(元総務大臣)
【立憲民主党】
野田佳彦衆院議員(現・代表)、岡田克也衆院議員(元立憲民主党幹事長、元民主党代表、元民進党代表)
【日本維新の会】
松沢成文参院議員(元神奈川県知事)
【公明党】
斉藤鉄夫衆院議員(現・公明党代表)、山口那津男参院議員(元公明党代表)
【日本保守党】
河村たかし共同代表(元名古屋市長)
日本新党結党の背景には、選挙区制度が「小選挙区比例代表並立制」に変更されることに伴い、小選挙区で勝ち抜くために非自民勢力を結集して新たな政治の流れをつくろうとする「改革マインド」がありました。一方で、支持基盤が様々な政党の力を結集したため内部の勢力争いや生煮えの選挙公約などで迷走して求心力が低下。結党時から参画した要の人材の離党も相次ぎ、約3年で政党としての幕を下ろすことになりました。
しかし、この改革マインドはその後の日本政界に引き継がれ続けています。民主党は2009年に政権交代を実現。その後、下野するも現在の立憲民主党や国民民主党へとつながる流れをつくりました。また、2017年には小池百合子氏が「希望の党」を立ち上げて衆院選に臨みました。
自民党に復党した石破茂氏にも、総理大臣就任当初から同党の改革を先導する役割が求められています。
国会では「政治改革」の審議が本格化する中で、次の参院選を見据えた各党の連携模索も始まっています。今後、どのような動きがあるのかぜひご注目ください!
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