「そうか、あかんか。一緒やで」のフレーズでネット中心に広く知られている2006年に京都市伏見区で起きた認知症の母殺害事件。この事件に、悲しい続きがあったことが先日明らかになりました。
「そうか、あかんか」認知症母殺人心中未遂 息子「後追い自殺」報道にネット「心が痛い」と衝撃|J-CASTニュース
親の介護をめぐり、生活保護を受給できず極度の貧困状態に陥ってしまったこともあり、認知症の母親を殺害し心中を図るという事件でした。
男性が飛び降りたとされる琵琶湖大橋 (C) Si-take.
裁判では、「母の命を奪ったが、もう一度母の子に生まれたい」と述べ、裁判官も目を赤らめながら、「痛ましく悲しい事件だった。今後あなた自身は生き抜いて、絶対に自分をあやめることのないよう、母のことを祈り、母のためにも幸せに生きてください」と述べていました。
さらには、この事件から8年ほど経った昨年8月、承諾殺人罪に問われ、有罪判決を受けた長男が自殺を図ったと見られています。
悲しい事件が、またも悲しい事件とつながってしまいました。
このようなことが起こらないように、弱者を守るのが政治の仕事でもあります。
そこで今回は、この事件に影響のあった「生活保護」や「認知症対策」に対して、各政党がどのような政策を掲げているのか、簡単にまとめてみました。
もちろん、生活保護はばらまけばいいものではありません。必要な方に、しっかりと届けることが大切なのであり、必要の無い方に給付することは税金の無駄遣いではあることは、言うまでもありません。
主要政党の前回の衆議院選挙の際のマニフェストから、関連する部分を抜き出してみました。
◯自民党
認知症の方とそのご家族が、地域社会で安心して暮らせるよう、症状の初期段階から専門家がチームで対応できる体制づくりとともに、行方不明者の所在確認の支援を行います。
自民党は明確に、「認知症」を想定していますね。
◯民主党
生活保護基準引下げについては、生活保護世帯のみならず、多くの低所得者が負担増となることが懸念されるため、その影響や実態把握を行い、勤労者世帯がさらなる生活苦に陥らないよう見直します。
民主党は、生活保護受給の基準作りが中心。
◯公明党
うつや多重債務、DV等制度の隙間や福祉課題を抱え、社会的に孤立している生活困窮者対策を促進します。
具体的には、ワンストップで相談ができ(中略)総合的な窓口を設置
公明党は「まずは相談窓口の設置」という、入り口から検討しています。
◯維新の党
最低生活保障につき、給付付き税額控除はじめ「負の所得税」的な考え方を導入する。その前提となる所得と資産の正確な把握のため、マイナンバー(納税者番号)制度を充実させる。
維新の党 第47回衆議院議員選挙(マニフェスト)
維新は、効率的で正確な対応のために「マイナンバー」を提案しています。
◯共産党
保護費削減や申請の〝門前払い〟の強化など生活保護の切り捨てをやめさせ、改善・強化をすすめます。
共産党のみ「門前払い」「切り捨て」といった強い言葉を使いつつ、踏み込んで「強化」を謳っています。
どの政党の政策が良いか悪いかは、ここでは述べません。皆さんが、判断することでしょう。しかし、今回のような悲しい事件が今後は起こらないことを祈るとともに、私たちの生活が改めて、政治と密接していることを感じますね。
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