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2024年10月18日に公開された動画では、衆院選2024争点解説として、政治とカネをテーマにお届けします。
今回の衆院選の争点として「政治とカネ」、「物価高」の2つが挙げられています。今回は、「政治とカネ」の問題について選挙ドットコム編集長の鈴木邦和が解説します。
【このトピックのポイント】
MC伊藤由佳莉「政治とカネについて、何が論点なのでしょうか?」
元々は、自民党の派閥の政治資金パーティーのキックバックが収支報告書に不記載だった金額が「裏金」と呼ばれ、政治とカネの問題が大きくクローズアップされました。
その後、派閥は解消され、政治資金規正法も改正が行われて、一定の結論は出ています。
今回の衆院選では「まだ手がつけられていない」部分として、
の2つが論点となっています。
1点目の「政策活動費を廃止すべきか」について見ていきましょう。
政党が議員に支出する政治資金が政策活動費です。
政策活動費は、政治資金規正法での定義がないため、使途を公表する義務がありません。
そのため、何にいくら使われたかがわからない「ブラックボックス」になっているため、「廃止すべきだ」という政党が多いというのが現状です。
2点目は「企業・団体献金を禁止すべきか」です。企業や団体からの政治家個人への寄附は政治資金規正法で禁止されていますが、政党や政党支部に寄付を行い、そこから政治家個人の資金管理団体や後援会に移すことは可能です。この状態は「特定組織の利益のために民主主義がカネによって歪められる可能性」が懸念されるため、「禁止すべきだ」という政党が多いです。
MC伊藤「政治とカネの問題については、以前からずっと話し合われてきている問題です。なぜこのような問題はなくならないのでしょうか?」
MC鈴木は、海外の事例を見ても「公職者が一定の権力を持っていてそれを利用したい企業・団体がいること」と「政治活動や選挙にカネがかかること」の2つの理由があると解説しました。
MC伊藤「鈴木さんも議員を務めていた経験がありますが、現場にいて、カネがかかることや権力が集中しているためそれを利用したい人が出てくる問題を感じたことはありますか?」
MC鈴木は「間違いなくある」と答えました。
この問題は、必ず起きるため「有権者にとって良い形にしていくこと」が重要であり、特に「透明性の確保」と「民主主義が歪められないこと」がポイントになります。
例えば、アメリカでは透明性の確保においては、日本よりも優れた制度がありますが、それでも多くの寄付によって、政策決定が行われている実態もあります。
MC鈴木は「この辺は、民主主義の本質的な課題」だと指摘しました。
日本は海外から見て、政治とカネの問題は、根深い問題なのでしょうか?
政治資金に関して調査をしている国際NGOの調査によると、日本は全世界で16位であり、「比較的、透明性が高い」と評価されています。
結果を見ると、アジア、アフリカ、南アメリカなどの発展途上国は透明性が低く、北米、ヨーロッパ、日本、オーストラリアなどの先進国は透明性が高いと言われています。
企業・団体献金について、G7の中で見ると、アメリカ、カナダ、フランスは禁止、イギリス、ドイツ、イタリアは禁止していません。
この国際NGOは、日本に対して「収支報告書が電子化されていない、市民やメディアのアクセスがあまり良好ではない」という比較的大きすぎない問題を指摘しています。
MC鈴木「いわゆる日本の政治資金規正法や公職選挙法に当たる法律がない国もたくさんあります。それが最低限あるというのは、日本はそれなりには進んでいますが、世界で見ると先進国の中では真ん中ぐらいだと思います」
アメリカは企業献金を禁止し、個人での献金に上限額がありますが、スーパーPACという制度を使うと上限がなくなるという「抜け穴」もあります。
MC鈴木「原則、企業・団体献金禁止になっていても実態は違うという事例はいくらでもあり、正直、どこの国でも政治とカネの問題は常日頃、起こりつづけているなというのが、私の認識です」
選挙ドットコムの投票マッチングで行った各政党の回答を元に一覧を作成しました。
「政治活動費を廃止すべきか」という質問に対しては、自民党だけは中立。自民党以外の政党は、ほぼ賛成でした。
「自民党も将来的には廃止も念頭」という森山幹事長の発言があったという報道もありました。
MC伊藤「ここは方向性としては、あまり違いが各党では出ていない設問の一つと言えるのでしょうか」
政治とカネの問題については、合意されても抜け穴があって解決できなかったというケースが歴史的に続いていると言えます。
「各党の表向きのスタンスは見た上で、本当にその政党がやる気があるのかというのはちゃんと見た方がいい」とMC鈴木。
自民党の将来的な廃止という発言も、時期の明言はなく、詳細はこれからの議論です。
「結局、抜け穴を設けるような形で廃止するなら、あまり意味がないので、ここは有権者として見ていく必要があるかな」と語りました。
2つめの「企業・団体献金の廃止」については、自民党は反対。公明党、国民民主党、みんなで作る党はやや賛成。他の政党は賛成という回答でした。
MC鈴木「これも、自民党と他の政党で大きく分かれているのかなという印象を持ちます」
違いが出る理由の一つとして、「政党のビジネスモデルの違い」をあげます。
例えば日本共産党は、政党の機関紙が政党の大きな運営資金になっていて、政党交付金も受け取っていません。企業献金に依存していないため、企業・団体献金も廃止すべきだと言う立場を取っていると解説しました。
MC伊藤「企業・団体献金を継続すべきだという意見では、どのような見解があるのでしょうか」
企業・団体献金の廃止に、明確に反対している自民党は「最高裁の判決によれば、企業も個人と同様に社会を構成する一員であり、政治寄付を行うことは憲法上認められている」とし、いわゆる「政治活動の自由」に抵触する恐れがあるという見解を示しています。
また、企業・団体献金を廃止した際、政治活動や選挙に現実的にお金がかかるという状況の中で、どのようにお金を賄っていくのかがなかなか整理できないため、企業・団体献金を廃止するだけだと政治活動を制限してしまうという懸念の声もありました。
政治とカネについて、他にはどのような争点があるのでしょうか?
アメリカやイギリスで実際に設置されているような政治資金をチェックする第三者機関を作るべきだと訴えている政党があります。
また、「世襲」に関しても問題にあがります。
今回の公約ではあまり書かれていませんが、家族に政治団体を継承するときに、事実上非課税で相続しているという見方もできるため、本当にそれでいいのかという声もあります。
あとは、国会議員と会計責任者の連座制の問題です。会計責任者が罰を受けても議員本人までいかないのは問題だという点について、言及している政党もありました。
気になる点がありましたら、各政党の政策もチェックしてみましょう!
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