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2024年5月24日に公開された動画のテーマは「自民党総裁選挙」。
自由民主党の平井卓也衆院議員をお迎えし、9月の総裁選挙に向けての党内の様子や、8回連続当選の秘訣などをお話しいただきました。
4年前の総裁選で宏池会の一員として岸田総理を支えた平井氏によると、次の総裁選は構図が大きく変わってくるとのことです。
【このトピックのポイント】
平井氏のプロフィールは以下の通りです。
平井卓也衆院議員は香川県高松市のご出身。現在は、自民党の広報本部長を務めています。
大学卒業後、電通に入社。西日本放送の代表取締役を経て、衆院選に挑戦。議員になってからの24年は「長いようであっという間でした」と語ります。
平井氏はデジタル分野の政策で自民党をリード、初代のデジタル改革担当大臣としてスタートアップや科学技術、デジタル改革を担当されました。その後菅内閣のもとデジタル庁を立ち上げ、2021年には初代のデジタル大臣に就任しています。
デジタル庁を作った頃は「まさにスタートアップ」。3年で1000人ほどの組織に成長しましたが、「作った頃の勢いはちょっと陰りが見えたかな」と語ります。
今回は以下の質問からいくつかピックアップして平井氏に回答していただきました。
2024年秋に行われる自民党総裁選。議員の皆さんの意識は総裁選に向いてきたのでしょうか?
平井卓也氏「おそらくこの国会が終わってから、ゴングが鳴るんだろうと思います」
3年前の総裁選で、宏池会の一員として岸田文雄総理をサポートした平井氏は、当時を「明確なビジョンを持って総裁選に臨んだことで、多くの支持を得て勝てたと思います」と振り返ります。
MC鈴木邦和「そもそも総裁選では、どんな活動をしていくんですか?」
前回の総裁選では、「岸田さんの人柄はご存じですが、直接政策の話はしたことがないという議員に対し、公約も作って説明して回ったりしました」と語ります。
現在、4月の衆院補選の結果を受けて、会期末解散は避けるべきという議論を仲間内で進めているという平井氏。
MC鈴木「総裁選で勝敗を分けるものとは?」
「その時々によって党員投票の重みが変わってくる」と返す平井氏。
平井氏「次の9月は臨時の総裁選でなく、任期満了に伴う総裁選。フルスペックだと思うんですね。今回は要するに、派閥が解消された後、党員票の投票があって、結果を受けて議員の票がある。今回は派閥がないので党員票の重みが上がると思っています」
MC鈴木「元派閥の通りに行かず、党員に近い形に」
平井氏は、「次の選挙の顔を選ぶということがあって、自民党の支持率がどうやったら上がるんだろうかという発想で投票するんではないか」と推察します。
今後総裁選に向けてどんな動きになりそうか、というMC鈴木の問いに対しては、平井氏は「まったくわかりません」とコメントしながらも、「リセットという状況になる」と見据えます。
平井氏「岸田さんがもう一度やられるにしても、いったん区切りがあって、新しい目標をもってチャレンジするかどうかということだし、ほかの候補者になろうという方々も、自民党の窮地を救うためにどうしようかというプランが固められるかどうか」
また、政策もいくつか見直さないといけないと指摘します。
平井氏「党是である憲法改正をどのスケジュールで。やるやる詐欺みたいに言われているんで、年内に国民投票まで持っていくぐらいのプランを掲げる候補も出てくるのではないか」
MC鈴木「とくにどういうものを掲げるのが重要?」
平井氏は、「安全保障や経済対策。たとえば働き方改革」を候補に挙げました。
平井氏「多くの人に会って話を聞くと、働くかたの時間だけで制約をかけるのはなんとかしてくれという声が多い。働き方改革の見直しは総裁選のテーマになると思います」
政治改革は、「現総裁の時に区切りがつくと思います」とコメントする平井氏。法律改正も、党内の処分も終わっているという見立てです。
初当選から連続8回当選、選挙戦では強さを誇る平井氏。
平井氏「でも、選挙区で2回負けてますからね(2009年、2021年)」
選挙での必勝法は?と尋ねられた平井氏は、野球の野村克也氏の「勝ちに不思議の勝ちなし 負けに不思議の負けなし」という言葉を引用します。
平井氏「必勝法はないと思っていて……風にも左右されますし。選挙はいつまでやっても、何が起きるかわからないと言うことだと思います。地上戦であるとかSNSとかいろいろあるんでしょうけれど、これをやれば必ず勝つ方法はないと思います」
最初は無所属で初当選された平井氏。1回目の落選を経て、どういう想いで戦われたんでしょうか。
平井氏「自民党現職、大臣経験者と戦うということで、落選してから4年間、1軒残らず歩きました。無所属で出るのは相当ハンデを背負うんで。その分時間があったので、1軒残らず歩きました」
2021年は選挙区で敗れてしまいました。この時は、「4年間(2017年〜2021年)に2回閣僚をしていたこと、コロナ禍があったことで、ほぼ地元に帰れなかった」と振り返ります。
MC鈴木「大臣のお仕事を有権者に評価してほしいですけどね」
平井氏「でも、大臣になって落ちる人が、今、多いですよ」
地元に行けないだけでなく、「おらが町の大臣」という感覚が、有権者から失われてきている、と平井氏は分析します。
初代デジタル大臣など重要な役割を担っていても……?という問いに対して、平井氏は淡々と説明します。
平井氏「デジタルは有権者に遠い政策なんですよね。今でこそ毎日新聞紙上を賑わせますけれど、多くの皆さんにとってデジタル政策は自分の政策に直結しないんですよ。デジタルは票にならないというのは自民党内での定説です」
MC鈴木「次の衆院選は逆風が吹くかもしれないとされますが、勝ち抜くためには何がポイント?」
平井氏は「2009年に壊滅的に負けた時を思い出しますが」と、その時と今回を比較します。
平井氏「自民党への批判もありましたが、民主党に対する期待も大きかった。かつてないほど投票率も高かった」
自民党は、この春の衆院補選での敗北が取り沙汰されていますが、「このままでは、政治に対してエネルギーが向くような選挙にはならない」と平井氏は予測します。
平井氏「なぜなら、自民党に対する批判は非常に大きいと思うんですけれど、野党に対する期待感が大きいわけではない」
さらに平井氏は、野党の戦い方も「自民党の批判票をどうやって取り込むか」となるだろうと冷静に見立てます。
平井氏「おそらく野党は、ハードルの高い公約を一切掲げずに選挙をやると思います。2009年には相当難しい高速道路の無償化、子ども手当、コンクリートから人へ、など、できるのかな、と思う政策を掲げた。国民の期待も上がった。できなくてその時の落差が大きかったことに学んでいる議員が多いと思う。自民党の批判票の受け皿としてなんとかしようとするでしょう」
最後に、東京15区の選挙妨害についてお伺いしました。
平井氏「あれ、ちょっとびっくりしましたよね。あそこまでの妨害は僕は危ないと思います」
ご自身のこれまでの選挙戦を振り返っても「多少危ないことはあったでしょうけれど、あそこまでの妨害はなかった」と語る平井氏。懸念点を挙げます。
平井氏「公職選挙法の落選運動には制限がない。今回懸念しているのが、ネット上における落選運動というのが大々的に行われてしまった場合、果たしてそれが健全な民主主義といえるのか」
加えて、「公職選挙法は各党・各会派と一緒になって作っていくもの」と指摘する平井氏。選挙のネット解禁をリードした平井氏は、当時のことを「全党と話し合ったが、やっぱり大変です。皆さんの合意をもって進めるのは、与党がベースで法案を作るようなものとはまったく違う」と振り返ります。
平井氏「インターネットの影響力がこれほど大きくなった以上、何らかの歯止めがないと。フェイクニュースや誰かを落とすためのニュースや書き込みは、本来日本人が好きなことではないはず」
平井氏は、「相手の足を引っ張るようになると、ますます政治離れが進むのではないか」と今後を憂いました。
総裁選の動きは「国会後」と平井氏。派閥解散で投票行動が変わると予測します。
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