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2024年6月23日に公開された動画のテーマは「衆議院注目選挙区特集 宮崎1区」
2007年から2011年まで宮崎県知事を務め、現在も宮崎に軸足を置く東国原英夫氏。県都・宮崎市を擁する衆院選宮崎1区の、地元民だけが知るディープな選挙事情を余すところなく紹介します!
保守王国なのに2021年に立憲民主党の候補が勝ったのはなぜ?
【このトピックのポイント】
宮崎1区の、現時点で予想される顔ぶれは以下の4人です。
宮崎1区は、県庁所在地の宮崎市(人口約40万人)を擁し、都市部で人口の流動性が比較的高い地域です。
東国原英夫氏「比較的、宮崎県内では無党派層が多いところです」
前回の結果は次の通りです。
MC鈴木邦和「これはかなり僅差ですね。1000票差ですか」
かなり立憲民主党が強い地域に見えるようですが……というMC鈴木に対し、東国原氏は「保守が強い九州の中でも保守王国です」と首を振り、事情を語ります。
2021年の選挙では、たけい氏の秘書が都内で当て逃げ事故を起こしたとの疑惑から、自民党県連や公明党の支持を失います。そして、自民党系の県議だった脇谷氏が無所属で立候補し、保守分裂の構図となりました。
小選挙区の議席を奪った渡辺氏は元県議。地元ではとても人望の厚い、愛される人物だそうです。
東国原氏は、地元ですれ違った際、軽自動車から「東さ〜ん」と笑顔で手を振る渡辺氏に遭遇したというエピソードを披露。
東国原氏「おととし僕が県知事選にでた時、立憲は現職支持だったんですよ。自民公明も。それなのに、あんなに笑顔で俺に手を振るのかって(笑)ガタイがでかいのに軽自動車の助手席に乗ってるんですよ、ぱんぱんで」
「いい車」に乗っているたけい氏に比べ、いかにも親しみやすさを感じさせる渡辺氏を評し「あれで当て逃げはできないだろうな、というイメージになるんですよ」と苦笑する東国原氏。見た目のイメージを気にする地方で「感情投票」を呼び起こし、2021年の勝利につながったのだろうと分析します。
MC鈴木「日本維新の会が候補を立てていて、前回もそこそこ票を取っています。九州で維新が勢力を伸ばせるイメージはないのですが」
全国行脚をし、勢力を広げようとしている維新ですが、まだまだ宮崎では成長途中と見立てる東国原氏。
2023年3月に、維新・馬場代表が宮崎を訪れ、街頭演説に臨んだ時のエピソードを紹介します。
東国原氏「雨も降ってたけど、(街頭演説の時間に)WBCを真裏でやってたんですよ……馬場さん、そういう日にやっちゃダメだってば」
MC鈴木「それは勝てない(苦笑)」
保守王国の宮崎。自民党はどのような状況でしょうか。
東国原氏は、裏金問題で県連にクレームが入っているという情報を挙げます。また、立て直しに向け、県連会長が交代しているとも明らかにします。
東国原氏「県連の会長が、県議会議員の星原さんから、江藤拓衆院議員に代わりました。これから立て直さなければならない。逆風は逆風」
さらに、次期衆院選に立候補を予定しているたけい氏が「微妙」ともコメント。今回の事情は……
東国原氏「たけいさん、車の中でフロントガラスに見える日南海岸の景色を撮影して、自分のFacebookにアップしたんですよ。ところが、車のスピードメーターに91kmと映っていて……」
1区では、自民党県連から党本部に、たけい氏を指導するよう申請が上がっているのだそうです。
東国原氏が県知事時代、自民党を始めとする議会との関係は、「是々非々、つかず離れず。議会は全員敵でした」と語ります。
東国原氏「安芸高田市の石丸さんと同じ」
「でも、石丸さんと東国原さんのやり方は違いますよね」と尋ねるMC鈴木に対し、東国原氏は「入札契約改革、事業仕分け、県議会議員の定数減で大反対。バッチバチにやってました」と返します。
東国原氏「あの頃YouTubeがあったら石丸さんよりバズってる。間違いなくバズってる。当時は地上波しかなかったのであまり伝わってなかった(笑)」
とはいえ、「議会運営が重要なので、話し合いながら。向こうも大人なので、話し合いながらわーっとやってました」と微笑む東国原氏。
東国原氏「あの頃の宮崎県議会、めちゃめちゃ改革したんです」
そもそも、前の知事が官製談合事件で逮捕されたことを受けての県知事選で当選した東国原氏。「全国で注目されていたので改革の流れは止められなかった」と振り返ります。
当然、議会でも鋭い対立がありましたが、「改革すると全国から評価されるんです。評価されると議員さんも悪い気がしない。県民もようやっているなということになるので、話し合いながら、バチバチやりながら、是々非々で議会を進めていった」と穏やかに語ります。
古い慣習から抜けられないとしても、県益を獲得するためには他府県と同じことをしていてはいけない、「どげんとせんといかん」の心は議会とも共通認識だったようです。
東国原氏「イメージがよくならないと、県産品も売れない。観光客も来てくれない、移住も来ないし企業誘致もままならない。リーマンショックの時だったので他府県と同じことをしていたらダメですよというのが共通認識」
MC鈴木「……議会に対して『恥を知れ』という発言で、ずっと議会運営がうまくいかなかった印象がありますが」
東国原氏「やっぱり話し合いです。議論しかありません。ここはドラスティックにやりますよ、ここは僕が譲りますわ、ここは話し合いながら妥協点を見つけあいませんか、という話し合いをずっと続ける。飲み食いもしますよ、もちろん割り勘でね。腹を割って話し合いながら政策を進めていく」
実を言うと、入札契約改革も県議会からの要望だったと肩をすくめる東国原氏。「宮崎県のためになると、水面下で話し合っていたわけです」
東国原氏は宮崎県知事時代、議会とぶつかるだけではなく、真摯な話し合いも推し進めながら、宮崎県のためになる改革を進めていったようです。
東国原氏「議会運営は重要。東京都議会で蓮舫さん、石丸さんが仮に都知事になった時、議会運営をどうするかものすごく興味があります」
ふと、東国原氏がつぶやきます。
東国原氏「石丸さんに言いたいのは……『恥を知れ』あれって丸川珠代さんがいった台詞だよね。ちょっとね、惜しかったわ。『恥を知れ』を広島弁で言ったら流行語大賞を取れたんじゃないかな。少なくとも、あれよりもインパクトがあったんじゃないかな」
自身も「どげんとせんといかん」で2007年の流行語大賞を受賞した東国原氏。宮崎弁を全国的に有名にしたことが、対立から始まった議会との関係性も変えていったのではないでしょうか。
最後に宮崎1区の展望。衆院解散が9月から来年の頭くらいになるだろうと見立てる東国原氏は、先述のたけい氏の状況から「前回のように対抗馬が立つかもしれません。(保守が)割れるかもしれない」とコメントします。
東国原氏「もし自民党系のかたが対抗馬として出てきたら、1区の支部はどうするのかなあと思って。武井くんの支持者からクレームも来てますよね。じゃあ武井くんをこのまま公認していくのかどうか。武井くんとしては、今回、もし小選挙区で勝ち上がれなくて2回連続比例復活になったら、次の選挙は公認なしになりますから」
宮崎1区にとって、今回の衆院選は死活問題となるだろうと予想します。
東国原氏「今の自民党の状態で分裂したら、2021年のように負けます。保守王国で自民党が負けるのは自民党さんにとってどうなのか。県連会長に就任した江藤さんの手腕も問われる」
東国原さんが「本当におもしろい!」と太鼓判を押す、宮崎1区の動向にもご注目ください!
自民候補が連続不祥事?保守王国宮崎1区を東国原英夫が徹底解説!
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