前回の都議選に続いて今回も選挙ドットコム×AFEE(エンターテイメント表現の自由の会)で衆院選の候補者に対して表現の自由についての政策アンケートを実施しました。概要は以下の通りです。
期間:10月15日~23日(可能な限り期限を過ぎたものも掲載した)
対象:衆議院議員選挙立候補者
送付方法:郵送・FAX・メール(郵送は全件、FAXとメールは認知している方のみ)
回答方法:Webアンケートフォーム・FAX
有効回答数:178名(自民26、立憲42、公明1、維新9、共産81、国民6など)
質問1 過激な表現も含め、マンガ・アニメ・ゲーム等の表現の自由について
A.民間の自主規制に任せるべき
B.一定の条件の下に法令でさらに規制すべき
C.わからない
上記回答は
1.国会内外で積極的に発言し取り組みたい
2.委員会等で議論になった場合は、その趣旨の発言をしたい
3.特に発言する予定はない
質問2 青少年のゲーム・ネットの利用時間を法律で定めることについて
A.青少年に対して、一律の使用時間制限などの法規制を安易に行うべきではない
B.青少年に対して、一律の使用時間制限などを法的に行うべきだ
C.分からない
上記回答は
1.国会内外で積極的に発言し取り組みたい
2.委員会等で議論になった場合は、その趣旨の発言をしたい
3.特に発言する予定はない
質問3 コロナ禍での大規模イベントの開催について
A.感染対策を施した上で、イベントの開催を積極的に認めるべきだ
B.感染状況を加味し、イベントは限定的に行われるべきだ
C.イベントは原則中止にするべきだ
D.分からない
質問4 好きなマンガ・アニメ・ゲームがありましたら教えてください(最大3つ)
児童ポルノ禁止法やTPPによる著作権非親告罪化問題など、国政レベルでマンガやアニメ・ゲームの表現の自由に関わる問題が起こり続けています。また、国連女子差別撤廃委員会からは「性差別の固定観念を悪化させ、女性や少女に対する性暴力を助長するポルノのビデオゲームやアニメの製造・配信を規制するために、既存の法律と監視プログラムを有効活用すること」という勧告を受けるなど、外圧による表現の規制の動きもあります。
そのような中、AFEEは2013年に団体を設立し、表現の自由を守るための消費者団体として活動を行っています。また、2019年の参院選では山田太郎さん(自民・全国比例)が、このエンタメ表現の自由を主張し、特定の支持母体を持たずに立候補し、その結果特定枠を除く46人当選の中で3位、54万票という結果を収めるなど一つの政策イシューとなっています。(政党により違うが一般的には全国比例で当選するためには10万票前後必要とされている)
今回、選挙ドットコムさん協力の下、AFEEで全候補者アンケートを行い、有権者の方に候補者の考え方を提示出来ればと思っています。
※今回は衆院選の急な前倒しで十分に回答が集まっておりません。次回、参院選ではもっと多くの回答を集める予定です。
この質問では8割を超える候補者から民間の自主規制に任せるべきとの回答をしています。昔、オタクバッシングが普通に行われていた時代からするとかなり候補者の意識は変わってきていると言えるでしょう。しかしながら民間の自主規制を促したり、自主規制を促すための風潮を広めるなどのやり方で、結果的に表現規制を行うやり方がないとも言えませんので次回以降は質問についても工夫したいと考えています。
この問題については、共産党が2021 総選挙政策の「7、女性とジェンダー(https://www.jcp.or.jp/web_policy/2021/10/2021s-bunya-007.html)」の中でマンガやアニメを規制するのではないかとネット上で騒ぎになり、後に「今回の『女性とジェンダー』の政策は、一足飛びに表現物・創作物に対する法的規制を提起したものではありません。」と否定していますが、現在も批判がある状態です。
しかしながらアンケートでは95%(77人)が「民間の自主規制に任せるべき」と各政党の中で最も高い割合で回答しており、個々人の普段の言動や、共産党からでた「『共産党は表現規制の容認に舵を切ったのですか』とのご質問に答えて(https://www.jcp.or.jp/jcp_with_you/2021/10/post-49.html)」などを見て判断する必要がありそうです。
主要政党で「一定の条件の下に法令でさらに規制するべき」と答えた割合が高かったのは国民(50%)、自民(23%)、立憲(17%)になります。詳しい選挙区毎の情報は最後のリンクに掲載されていますので、是非、回答を見た上で投票の参考として頂ければと思います。
こちらは、2019年にWHOが公表しているICD-11(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)に「ゲーム依存症」が追加されたことや、香川県でネット・ゲーム依存症対策条例が施行されたことなどを受けて、国レベルでのゲームやネットの利用時間を法律で定めることの是非を問うたものです。
補足をすると、ゲームやネット・スマホ依存の発症のメカニズムや治療や予防についての知見は現時点で存在しないというのが日本政府の見解です。一見、ゲームやネットの時間を減らすとゲーム依存症などにかかりにくくなるのではと思われていますが、一概にそうとは言えないようです。また、それぞれの家庭の問題にまで行政が立ち入るべきなのかという議論もなされています。
こちらの結果も93%が「青少年に対して、一律の使用時間制限などの法規制を安易に行うべきではない」と法令での規制に対しては慎重な姿勢が見て取れます。逆に「青少年に対して、一律の使用時間制限などを法的に行うべきだ」と答えた候補者は主要政党では立憲3(7%)、自民1(4%)、共産1(1%)となりました。
好転の兆しがあるとはいえ長引くコロナ禍で同人誌即売会などの大規模イベントがかなり制限されており、年末のコミケの開催も予断を許さない状態です。そんな中で、コロナ禍での大規模イベントの開催についての意見を聞きました。結論としては、「感染状況を加味し、イベントは限定的に行われるべきだ」の割合が69%となり、「感染対策を施した上で、イベントの開催を積極的に認めるべきだ」が29%となりました。
イベントの開催を積極的に行うという回答は維新(78%)、自民(73%)などでは高く、逆に限定的に行うとした回答は共産(94%)、立憲(71%)が高く、国民は半々という状態でした。
1位(15人)鬼滅の刃
2位(8人)風の谷のナウシカ
3位(7人)火の鳥、キングダム
5位(6人)ゴルゴ13
6位(5人)ブラックジャック
7位(4人)アルプスの少女ハイジ、スラムダンク、機動戦士ガンダム、新世紀エヴァンゲリオン、進撃の巨人
上記に回答が多かったものを抜き出してみました。意外にマンガやアニメが多く、ゲームを回答する方はあまりいませんでした。こちらは、文末にある候補者の個別の回答から見てもらいたいですね。中にはレアな作品名をあげている方もおり、それぞれの候補者の意外な素顔を見ることが出来て楽しいです。
全候補者のアンケートはこちら(https://afee.jp/?p=11497)からご覧頂けます。
AFEEの表現の自由を守るための活動に月々300円~のご支援(https://www.fanbox.cc/@afee/posts/1307181)にご協力お願いします。 (今回のアンケート集計にかかる費用等は皆さんからの寄付や同人誌の売り上げから捻出しています)
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