政治家といえば、お茶の間での発言、また新聞や雑誌の記事だけでしかその思想、また人柄を知る機会がないのでは?と思われがちですが、自身をより広くアピールするために、多くの著作のある政治家もたくさんいます。今回は昨年(2017年)に政治家によって書かれた本から、Amazonの政治カテゴリで話題になっていた本を7冊ピックアップし、ご紹介させていただきます。
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言わずと知れた現東京都知事・小池百合子。昨年の総選挙では「希望の党」の立ち上げから、国政にも大きな影響を及ぼしました。本著では都知事として東京が抱える問題にどう向き合うか、政治家としての自身の原点、そして今後の都政へのビジョン――。自身が開催した政治経済塾「希望の塾」の講義録から、その思想を探っていきます。その飾りのない肉声に触れることで、一義的な報道からは見えない新たな「都政」が私たちのもとに感じられるようになるかもしれません。
200万票を超える高支持を得て当選したものの、2016年、高額な海外出張費の存在などを発端とした「公私混同報道」を受けて、自身からの辞任を決めた前東京都知事・舛添要一。影には何があったのでしょうか。退陣から月日を経て、振り返られる都知事時代の反省と後悔。そして小池百合子現都知事への提言。本当に「失格」の都知事だったのか。信じられるのは舛添氏か、マスコミか。答えとは言わないまでも、「あの頃」の都政を見直す上で、大きなヒントが詰まった一冊です。
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の締結において、自民党のTPP対策委員長として最前線に立った元農林水産大臣・西川公也。謎に包まれたその交渉の裏側とは。当事者の目線から協議内容や国家間の外交模様が語られ、その赤裸々な内容から、国会審議の過程で、一度は出版を見あわせられた本書。政治家たちが成立にむけてどのように動いて行ったのか、ドキュメントとして平明に書かれており、法律がどのように生まれるかの、「成り立ち」を知る上でも意義のある一冊です。
政治家に必要なのは確かな中身!と言いたいところですが、知名度や財力などがなければ、選挙での当選にはなかなか結びつかないのが正直なところ。特に国会議員においてはそれが顕著ですが、もちろん例外も存在します。自民党の総務会長、自治政務次官などを歴任した著者・田野瀬良太郎もその一人で、大学時代のバックパッカーの経験から政治の重要性を実感し、28歳で五條市(奈良県)の市議会議員に当選します。本著においては、その後県会議員、衆議院議員と、政治家としての確かな道を歩んでいった人生の振り返りや、「たのせ会」の運営から感じた選挙の対策法などが語られます。
親子での政治家は多くの例が見られますが、その中でも有名な例として、元首相・田中角栄と、その娘である元外相・田中眞紀子が挙げられるでしょう。日中国交正常化などの業績やロッキード事件での疑惑など、良いも悪いも注目され、現在においても高い人気を誇る角栄氏を、身内としての視点から眞紀子氏が語ります。娘であるとともに、政治家としての角栄氏の「羅針盤」でもあった眞紀子氏だけが語れる事実。日常生活でのエピソードも含め、新たな「田中角栄」を知れる一冊です。
かつての麻生太郎首相の失言に見られたように、ちょっとしたことで政治家が信頼を失ってしまうことはよくある話。しかしながら、そうした重箱の隅をつつくような形でしか政権を批判できない野党や、ほとんど有効な動きをすることのできない議員も困りもの。本著においては、日本維新の会所属の衆議院議員であり、youtubeなどでの豪快な発言で知られる足立康史が、そうした「アホバカ」議員たちを、しかし感情的にではなく、極めて論理的にぶった切っていきます。エンターテイメントとしても面白い一冊。
執筆時にガンの闘病中であった元首相・森喜朗が、まさに「遺書」のつもりで取り組んだ一冊。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長としても知られる森氏の、来たるオリンピックへの思いは並々ならぬものがあり、本著では自身のこれまでの道のりとともに、自身のオリンピックに臨む覚悟や、権力拡大のために邁進する現都知事・小池百合子やマスコミ批判なども語られます。「森節」も健在で、奇跡的な回復を遂げた森氏の今後の活躍にも期待が高まります。
政治家の数だけ、それぞれ異なった「色」があります。ここで触れた7冊は編集部よりすぐりですが、政治の多様性を知る上でも、ぜひ、さまざまな著作に触れてみてください!
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