告示まで1ヶ月を切り、都議会議員選挙に向けて様々な報道がなされています。続々と発表される各党の公約や公認候補予定者、メディアで報じられる東京都政の課題を見て、早く投票などで意見を表明していきたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
一方で、選挙のたびに課題とされることに低投票率、特に若い世代の有権者の投票状況があります。要因の1つとして挙げられるのが投票をするための負担が大きいことです。投票するための負担の1つである「投票所に足を運ぶためのコスト」について、「投票所の数」から考えてみましょう。
図表1にあるように、昨年の参議院議員選挙を対象にした調査では、投票所までの所要時間が長くなればなるほど、投票する割合が低くなっていくことが報告されています。
なお、同様の傾向は、最近の衆議院議員選挙や参議院議員選挙においても確認できることが指摘されています。このように、投票所にアクセスしやすいかどうかは投票率に影響を及ぼしています。このように、投票所にアクセスしやすいかどうかは投票率に影響を及ぼしています。それでは、東京都議会議員選挙では、どのような状況にあるのでしょうか。
東京都は都議会議員選挙の投票日に1,867か所の投票所を設置する予定であることを発表しています。ちなみに、東京都には1,276校の公立小学校があります。比べてみると、投票所と小学校では投票所の方が多く、身近な施設であることがわかります。
小学生の頃、学校には歩いて通わなければならずに通学に長い時間がかかった記憶があるという人も、今、自転車で向かったらどれくらいの所要時間で往復できると思いますか?
そうは言っても、投票日に都合がつかず、投票に行けない人も大勢いらっしゃると思います。そんな時に活用できるのが期日前投票所です。期日前投票所は、都議会議員選挙では、286か所に設置される予定です。東京都内の電車の駅数(JR、私鉄、地下鉄等の合計)は772駅です(2013年3月31日時点、出所:都道府県データランキング)。
そう、普段、通勤や通学に電車を使っている人は、平均すると2駅隣までには期日前投票所がある計算になります。加えて、期日前投票所は、商業施設や大学や駅の構内等、若者にとって利便性の高い場所に設置しようという活動も行われています。
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どうしても、投票日に都合のつかないこともあると思います。そんな時でも、期日前投票所を活用して、政治に対する意見表明をしてみるのはいかがでしょうか。
投票所について、身の回りの施設と比べてみましたが、いかがでしょうか。投票することの負担感が少し減った気がしませんか。もちろん、投票するためには、日頃から投票するための情報(各候補者や政党の政策や実績、重要な争点や選挙制度に関する情報など)を集めておく必要があります。
ただ、これらの情報を収集・整理できていれば、投票所で投票の受付をしてから投票するまでは、おそらく5~10分程度で済んでしまうと思います。
冒頭の参議院議員選挙における調査では、投票所までの移動時間が10分以下の人が8割を超えていました。参議院議員選挙で都内に設置された投票所の数は1,868か所。都議会議員選挙で設置される投票所の数とほぼ同じです。仮に投票に10分かかるとしても、都議選では多くの人が移動時間も含めて30分もあれば投票できることになります。
「投票をするのには時間がかかるから、投票なんて考えない。」
そう思われている方がいらっしゃったら、ぜひ一度お住いの地域の投票所の場所を調べてみてください。
「思っていたよりも近くにあった」
「やっぱり遠かった」
色々なご意見があると思いますが、投票所の場所を調べてみることが、政治に向けて1つでも多くの意見が表明されていくきっかけになったら幸いです。
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