任期満了に伴う東京都千代田区長選挙が1月29日に告示を迎えました。
立候補したのは、現職で小池百合子都知事から支援を受ける石川雅己氏(75)、新人の五十嵐朝青(あさお)氏(41)、自民党推薦で新人の与謝野馨氏のおいの与謝野信(まこと)氏(40)の3名です。都議選への前哨戦と言われていることもあり、これまで以上に注目を集めそうです。
現職の石川氏は、選挙の日程が決まった昨年9月2日の時点ですでに立候補の意思を表明し、選挙戦へ着々と準備を進めてきました。告示日に76歳の誕生日を迎えますが、5期目への意欲を燃やしています。昨年12月には「区政の変革を目指し、区民目線で区民を主人公とした区政運営を行った」と過去4期を振り返り、「今後も千代田区の区政運営を継続したい」と決意を述べました。
また、昨年12月10日に小池百合子都知事は石川氏への支援を表明。小池知事は、石川氏が行なってきた千代田区の待機児童ゼロ、歩きたばこ・ポイ捨て禁止の条例といった実績を評価し、その果敢な実行力に大きな期待を寄せている、と述べています。
ポスターは小池知事とのツーショット写真を使い、連携をアピール。千代田区と言えば、自民党都連幹事長を務めた内田茂都議の地元ですが、小池知事という大きな後ろ盾を得た選挙戦になります。
もう1名、区長選挙に出馬を表明しているのが五十嵐朝青氏です。弟は昨年11月につくば市長選に当選した五十嵐立青氏。もし当選すれば兄弟で首長を務めるという、珍しいケースとなります。
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五十嵐氏は東京大学法学部政治学科卒業後、株式会社ピコインターナショナルを経てコーチ・エィ入社、コーチ・トゥエンティワン転籍。同社では法人事業部の立ち上げや上海で営業・コーチ職を担当するなど、要職を担っています。これまで手掛けてきたプロジェクトは福島県相双地域雇用創造推進協議会主催の雇用拡大、ヴィッセル神戸コーチングパートナーを始め、企業経営者や代議士、弁護士、公認会計士などクライアントは延べ100人を超えています。
自民党が擁立したのは与謝野信氏です。
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自民党は昨年、中央大学の佐々木信夫教授を擁立しようとしましたが、佐々木氏が「現職の多選を阻止し日本の地方自治を変えたかったが、自民都連と小池都知事の代理戦争になっている」と指摘。さらに「大学内でも代理戦争に巻き込まれることへの反発がある」という理由から、出馬を辞退した経緯もあり、与謝野信氏の名前が浮上したのも1月に入ってからでした。
与謝野信氏は証券会社勤務の41歳。
学生時代から日本と海外を行き来する生活を送り、ケンブリッジ大学経済学部卒業後、証券会社に入社。入社後も香港など海外での勤務も行なっています。
与謝野信氏のおじである与謝野馨氏は内閣官房副長官や財務大臣を歴任した大物政治家、与謝野馨氏の祖母は「君死にたまふことなかれ」で有名な与謝野晶子です。
千代田区はおじ・与謝野馨が長年ご支援いただいた地で
あり、私自身、大変縁の深い千代田区に恩返しできる機会をと考え、この度の千代田区長選への立候補を決意しました
と立候補の理由を述べています。
今回自民党と対立する形となった石川氏は、2001年の初当選の際には自民党からの支援を受けていました。ところが、2013年の千代田区長選挙では4期目に挑んだ石川氏を自民党が応援をやめ、千代田区で副区長を務めた大山恭司氏を擁立。しかし、この時は石川氏が4期目の当選を果たし、内田氏側の候補は敗れました。
その後も対立は続き、今回も都連と対立する小池都知事が石川氏を後押ししたことで、今回も千代田区長選挙でありながら「小池都知事 VS 自民党都連」という大きな争いがクローズアップされています。
今回の選挙の結果によって内田氏は進退を決める、とも言われています。さらには、五十嵐朝青氏の善戦も伝わってきており、注目を集めています。
6月に予定されている都議会議員選挙への影響も大きいと思われており、注目の選挙となっています。
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