アメリカの次期大統領に、ドナルド・トランプ氏の就任が決まりました。言わずもがな、アメリカの大統領は日本にとって非常に重要な存在です。
安定した日米関係維持のためには、大統領に日本についての正しい認識を持ってもらうことが欠かせません。
しかしながら、次期大統領となるトランプ氏は「え? その日本イメージ、違いますよ!」と言いたくなるような発言も散見されます。今回は、「トランプ氏に教えてあげたい本当の日本!」をテーマに、トランプ氏の日本に関する発言を見ていきたいと思います。
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不動産王として名を知られているトランプ氏。そんな彼は、ビジネスの場で日本人と関わることも多かったようです。トランプ氏が、日本の商習慣を知っていることがうかがえる発言がこちら。
「(アメリカの)企業幹部たちは、固い握手を交わすのが良いことだと思っているんだ。でも、私はそう思わない。ありゃひどい習慣だ。」
「結構頻繁にある話なんだが、明らかに風邪をひいている人とか、インフルエンザに罹っている人が私のところにやって来て、『トランプさん、握手をさせてください。』と言ってくるんだ。だけどな、あれこそ正にウイルスが感染する原因なんだよ。握手の代わりに、日本の『お辞儀』っていう習慣を見習いたいもんだね。」(2004年12月。トランプ著書「How to Get Rich」にて)
どうやらトランプ氏は日本の「お辞儀」文化を知っているようです。
トランプ氏が日本文化を評価しているのは嬉しいのですが、お辞儀はウイルス感染拡大を防ぐためのものではなく、相手に敬意を示すための行為です。
トランプ大統領訪日の際には、ぜひお辞儀の由来を学んでいただきたいところです。
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日本とアメリカの経済関係の中でも、重要なウェイトを占めるのが自動車貿易です。
1980年代には日米貿易摩擦の原因ともなった自動車産業ですが、トランプ氏は未だにこの時期の日米経済観を持っている可能性があります。
そんな様子がうかがい知れる発言がこちら。
「日本人はやつらの車を何百万と(アメリカ))輸出しているというのに、俺たちアメリカは何をしてるっていうんだ。」
「東京で最後にシボレーの走る姿が見れたのはいつの話だよ。 もう東京にシボレーは走っていないんだ。我々は常に日本にやられているんだ。」(2015年6月)
「日本車がアメリカ車を凌駕している」という話をするために、トランプ氏は、東京にシボレー(アメリカの自動車メーカー)が走っていないという例を挙げたようです。しかし、残念ながら、東京にもシボレーは走っています。
シボレージャパンの公式サイトによれば、シボレーの正規ディーラーは日本国内に24店あるとのこと。
経済の話をする前に、まずは日本にもアメリカ車が走っていることを知ってもらう必要があるかもしれません。
日本とアメリカの間には、様々な条約や協定、取り決めが結ばれています。ニュースでも話題になる日米安全保障条約や日米地位協定といったものから、日米社会保障協定、日米租税条約といった聞きなれないものまで、その内容は複雑で多岐にわたります。
トランプ氏は、兼ねてから日米間の経済・貿易関係が不平等であることを訴えていました。そんなトランプ氏が、日本と経済協定を結ぶことについて語ったのがこのコメント。
「この間のニューヨークタイムズの1面を見てみろよ。『オバマは日本と協定を締結できなかった。』だとさ。」
「私の8才の息子でも日本と交渉して取引できるぞ。日本との取引なんて一番簡単な交渉じゃないか。」(2014年4月)
ここに出てくる「8才の息子」というのは、日本でも話題になったトランプ氏の息子 バロン君(現在10才)のこと。
トランプ氏は、「赤子の手をひねる」という意味合いで、「バロンにでもできる」と言っているのでしょうが、そう事は簡単にいきません。
TPP交渉の際にも、自動車や農産品、著作権など様々な分野で、ハイレベルな交渉が長期間行われました。これは「8才でもできる」ような内容とは言えないでしょう。
今月17日に安倍首相と会談したトランプ氏。1月20日に正式に大統領に就任するまでの間に、日米関係が非常に複雑であることを知ってもらう必要があるかもしれません。
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