
とにかく広い。徳島県と高知県が一つの選挙区になって、1議席を争う合区初の選挙。
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高知県62万人、徳島県64万人。更に今回の「18歳選挙権」の実施で、2万7千人が加わり130万人近い有権者にアピールする選挙だ。
今回、立候補した3人は、何れも徳島県出身の候補者だ。3人の立候補者たちは130万人の有権者に向け訴えを挑むことになる。
参議院選挙は選挙期間が17日間と定められている。
単純計算で、1日に7万6千人に会わないと、有権者全員にアピールすることが適わない。インターネットを利用した選挙も可能ではあるが、人の心を鷲掴みにするには、会って握手して「よろしくお願いします」が言いたい。
徳島駅に着いたのは演説のマイクを置く直前19時30分頃だった。選挙期間中は、マイクやスピーカーなどを使って声を上げることができる時間帯が朝8時から夜8時迄と公選法で定められている。大きなバスロータリーがある駅前は、演説でさぞ賑やかなことだろうと思いながら降り立った徳島駅は、静かだった。
各陣営のホームページやFacebookで、街宣予定を見てはいたが、金曜の夜に、サラリーマンが一杯飲んで帰宅する大きな駅頭に街宣車が1台も居ないなんて考えてもいなかった。
選挙では土日を含めた休日に、どんなイベントをやるのか、どんな大物議員に応援演説に入ってもらって、有権者を集めることができるのか、集票にやっきになる。ましてや、「週末」は選挙期間中2度しかない貴重な時間だ。
その金曜の夜、徳島で一番大きな駅頭に誰もいなかったのだ。選挙のムードはどこにもない。既にご機嫌になったのサラリーマン風の男性が、トランク片手に呆然と立っていた私にぶつかって来た。「あら、お仕事ですか。私はもう2軒目!」と笑って立ち去っていった。平和な光景だった。
街宣活動が見られないなら、せめて選挙事務所を訪問してみようと翌朝タクシーで徳島市内の2事務所に行ってみることにした。土地言葉が優しい白髪の運転手さんは、その2事務所を良く知っているという。帰りの電車の時間を伝え、その時間迄にここに戻ってこられるか確認して、車を走らせてもらった。
最初に着いたのは民進党事務所。でも、あれ?運転手さん、誰もいないような。すると「ほうじゃのう。おらんのう」と。扉を見ると「移転しました」との張り紙。仕方がないので、自民党の候補者事務所へ向かってもらった。20分程街道を走っただろうか。問屋街にあったその事務所は、土曜日ということもあるためか、一帯がシーンとしていて、人が出入りしている気配がない。
「運転手さん、ここも引っ越したのでは?静かすぎませんか?」すると「いんやー、おるよ。ほれ。問屋街じゃけ土曜は人が少ない」
折角来たのだし、その扉を押してみたら、開いた。「こんにちはー。東京から来たのですが、候補者の方のチラシとか、頂けるものがありましたら嬉しいのですが」。そう言いながら奥に進むと、会議テーブルを寄せ集めた島が二つ。5人程の男女が居た。「あー、はい。こんなんで良いですかねぇ」と、証紙の貼ってある選挙ビラと政党のパンフレットなど3種類ほどササッとまとめて手渡してくれた。和やかな雰囲気に、また驚いた。
駅へ戻る道すがら、これも片側3車線の国道を走ったのですが、街宣車には一度もすれ違っていません。「運転手さん、今日は選挙カーにも会いませんでしたね。「そうよのう。わしも2回も会ったかのう」えーっ。一日中車を運転しているタクシーの運転手さんが、公示日から10日目で2回しかすれ違っていない?私が会える訳はないかと、妙に諦めよく次に向かう気持ちになれました。
さて、有権者にしてみたら街宣車も見かけない選挙戦。投票率にはどう影響するのか。
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