世界中で立ち上がる「若者政党」!若者のためではなく、社会全体をより良くする活動

2016/05/03

18歳選挙権・若者と政治

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選挙ドットコム編集部

日本では18歳選挙権がはじまり、若者の政治参加が注目を集めています。海外では、さらに進んだ政治参加の形として、「若者による新しい政党」が生まれてきています。今回の記事では、海外で広がりを見せる「若者政党」についてまとめます。

 

与党目前まで躍進したスペイン若者党

スペインで「若者党」と呼ばれるのは2014年1月に結党された「ポデモス」です。ポデモスはメンバーの大半が30代で、党首のパブロ・イグレシアス氏も37歳。スペインで「我々にはできる」という意味の政党名「ポデモス」の通り、政策の決定過程から積極的に市民の参加を促進しています。

(画像はポデモスのFacebookページより)

日本でもクローズアップ現代で取り上げられるなど、報道も増えつつ有ります。ポデモスがなぜ生まれたのか、そしてどんな政党なのか、バレンシア事務局長のハイメ・パウリーノ氏が日本人に向けた動画を配信しています。「字幕」をオンにすると、日本語で見ることができます。17分と少し長いのですが、とても簡潔に説明されていますので、おすすめです。


スペインは、第二次世界大戦後、建設業や不動産業を中心に目覚ましい経済成長を遂げますが、2008年にバブルが崩壊。その後、急速に失業率が上がり、25歳以上では約半数が失業、格差も進み、200万人以上が経済難民と化しています。動画の中で出てくる言葉なのですが、それまで右肩上がりの経済成長しか経験してこなかったスペインで「初めて、親よりも貧しい生活を覚悟した世代」となりました。

スペインには、「国民党」と「社会労働党」の2つの大きな政党があるのですが、その2つの政党では決して大多数の国民の意見を反映すること無く、投資家・銀行・建設業・不動産業・政治家のみが、利益を掴む…そんな状況で、ポデモスが誕生します。

ポデモスが掲げているキャッチコピーの1つに「あなたが政治に参加しないと、誰かがあなたの利益に反する政治を行う」というものがありますが、この言葉が、既存の政党への不信感とポデモスが生まれた理由を表しています。

限られた一部の層のみが利益を得るのではなく、国民全体のための政治を行うため、ポデモスでは「市民参加」と「市民感覚」を徹底しています。例えば、「市民感覚」を失わないために、ポデモスに所属している政治家の給料は、「スペイン国内の最低所得の3倍以内」と決められています。

人気ヘヴィメタルバンド、最高学術研究機構の研究員が立ち上げた台湾若者党

台湾で若者党と言われる政党は、「時代力量」(じだいりきりょう)という政党です。英語名は「New Power Party」。新しいパワーの政党、といったところでしょうか。その名前からも若者が中心なことが伝わってきます。

20160503b (画像は時代力量のFacebookページより)

中国と台湾との関係性を巡り、大学生たちが台湾の国会議事堂にあたる施設を占拠したデモを発端として生まれた政党です。スペインの若者党と同じく、既存政党への嫌悪感から支持を集め、台湾の独立や福祉政策重視、同性結婚の合法化などを目指す、リベラルな思想を持った政党です。

今年1月の選挙では、台湾の最高学術研究機構「中央研究院」の研究員だった党首の黄国昌や、人気ヘヴィメタルバンド「ソニック」のボーカルのフレディ・リムなどが立候補し、113議席の内、5議席を獲得しています。

 

香港でも中国からの独立を目指す若者党

香港でも、中国との関係をめぐり、「香港民族党」という政党が誕生しています。2014年には香港の大学生たちが中国に対し、香港の自治を求め30万人規模でのデモ活動を行なっていますが、その参加者を中心に党が作られています。

結党は3月28日と、まだ1ヶ月ほど。一度も選挙を迎えていませんので、どのように国民に受け入れら、どの程度の議席を獲得できるのかは定かではありません。党員も50名前後と、その数は多くないものの、その大半が大学生たちであり、若者が中心になっていることが分かります。現時点では、掲げている政策である「香港の独立」は現実的ではなく、また政党への支持も若者の一部にしかないため、厳しい評価を受けているようです。

(画像はFacebookページより)

 

ポイントは若者のための政党ではない

以上、スペイン、台湾、香港で「若者党」と呼ばれる政党を見てきました。

香港の「若者党」はまだできたばかりで、どのような政党になるのかは分かりませんが、スペインと台湾の若者党を見る限り、決して、「若者のための政党」ではないことが分かります。支持している層も、若者だけではありません。これまでの政治に失望した若者たちが中心になり、「自分たちの手で、新しい政治を作る」ことを目指していることが分かります。

若者は感受性も豊かで新しいものへの適応も早いでしょう。自分たちの将来を考え、新しい動きを作り出す、そんな特徴が「若者党」の特徴です。日本でも今後、このような動きが出てくるのでしょうか。

 

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選挙ドットコム編集部

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