政治家の本当の姿を伝える、選挙ドットコム「政治家インタビュー企画」。
今回は、無所属の参議院議員の松沢成文氏にお話をうかがいました。
松沢氏は、神奈川県議会議員に当時史上最年少で当選後、衆議院議員3期、神奈川県知事2期を務め、2013年より現職。現在は「東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙防止法を実現する議員連盟」の幹事長や自主憲法研究会の共同代表などとして活躍されています。
<参考>ホームページ:http://www.matsuzawa.com/
きっかけは3段階ありました。まず、学生時代に田川誠一代議士の選挙ボランティアをしたことが1段階目です。その経験を通して「政治って面白いな」と思ったんです。
2段階目は、大学を卒業して松下政経塾に入塾し、松下幸之助というカリスマに出会ったことですね。「政治を正さなければ日本は良くならない」と言う彼の塾に入学したからには、そのご縁を大切にするという意味も込めて、ぜひ政治家を目指していきたいと思うようになりました。
最後の3段階目は、民主政治の母国であるアメリカに渡って、アメリカの連邦下院議員の秘書を務めたことです。アメリカの民主政治を目の当たりにして、日本でもこういう政治をつくっていかなければならないと感じ、より「政治家になりたい」という思いが強くなりました。
「保守か革新かではありません。現状か未来かの選択です」
かつてスローガンにしていた言葉です。
私は「2020年東京オリパラ大会のレガシー(社会的遺産)をつくりたい」という軸を持って、3つの政策に力を入れています。
まず1つ目は、国際基準のスモーク・フリー環境の実現です。
日本は世界の国々と比べて、公共施設やレストラン、旅館などの屋内のパブリックスペースでの禁煙化が遅れています。また、IOCとWHOは健康の祭典であるオリパラからタバコを排除する方針を打ち出しており、近年のオリパラ開催都市は必ず大会までに罰則付きの受動喫煙防止法を整備しています。我が国でも東京オリパラ大会までに国際基準の禁煙環境を整備し、国民の喫煙率を下げていく必要があると考えています。スモーク・フリーは非喫煙者にとってのバリアフリーでもありますから、オリパラの理念にも通ずる箇所がありますしね。
喫煙率が下がると一時的にたばこからの税収は減るかもしれませんが、中長期的に見れば医療費が減っていくはずなので、国民の禁煙は国家財政にとってもプラスになるのではないでしょうか。
2つ目は、英語を日本の第二公用語にするということです。
英語を強化するといっても、国語をおろそかにしてもよいという訳ではありません。英語が世界でコミュニケーションをとるための道具となっている現代ですから、私たちがコミュニケーションツールとしてスマホやPCを使うのと同じ感覚で、英語も「道具」として使えるようになる必要があります。
具体的には、習うより慣れろの精神で、公文書や道路標識などに日本語と英語を両方表記したいと考えています。その表示に慣れてきたころには、自然に日本人の英語のレベルは上がっていると思います。
最後は、江戸城天守閣の復元です。
江戸時代に明暦の大火で焼失してしまった江戸城天守閣を復元し、次の世代に贈りたいですね。今の東京は火災や震災、空襲、そして戦後の急激な開発で古い建物が失われてしまい、観光の目玉となるような歴史的建造物がほとんど残っていません。江戸城天守閣が復元されれば間違いなく東京のランドマークになりますよ。
その際にこだわりたいのが、税金ではなく寄付金で作ること。これは寄付してくださった方の郷土愛につながるのではないかと考えています。
もう1つこだわりたいのが、瓦や漆喰などの日本の伝統建築技術を用いて当時の見取り図に忠実に復元を行うことです。そうすれば伝統建築技術の維持・保存につながりますし、、文化的価値の高い建造物になるからです。50〜100年後には文化財にもなり得るでしょう。
今すぐに開始したとしても2020年には間に合いませんが、このような復元の話が出ることが東京オリンピックのレガシーになると考えています。
政治家が政治を行う上で、最も大切なものは政策です。「自分はこんなことをやりたいんです」というしっかりとした政策を打ち出し、その政策を実現できる人物であると有権者の皆さんひとりひとりに訴えかけ、理解してもらい、信任を得る。それが選挙だと思っています。
しかし、候補者の中には、ただただ議員になりたいといって、組織やお金、知名度を使って選挙に勝つ人もいます。そういう人は、政策や理念がないから、いざ議員になっても、選挙の時にお世話になった団体の言う通りに動くだけなんですね。ですから、私はそういう人材は政治の場に必要ないと考えています。
私には、県会議員に初当選した時から、とにかく政策を磨き、その政策とそれを実行する力、この2点で選挙で勝負してきたという自信があります。今後も自分の政策についてPDCAサイクルを回し続け、マニフェスト改革を実行していくつもりです。
現在はインターネットを通じた政治活動も行っています。インターネットを使うと意見交換がしやすく、情報が広く伝わるので便利ですね。しかし、インターネットに頼りすぎてもいけないと考えています。やはり政治の基本は外に出て演説をして、握手をして、という直接的なコミュニケーションですから、そこをおろそかにしてはいけません。
なんといっても、選挙には特効薬がありませんからね。インターネットでアクセスがあってもそれが票になるわけではないし、駅前で演説ばかりしていたら伝わらない層がある。直接のコミュニケーション、インターネットを使った活動、その両方を行い、それで初めて有権者との複数の接点ができて、得票につながると考えています。
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03-5212-4377 担当:苅部 karibe@jcos.net / 工藤 kudo@jcos.net
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