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「丁寧な説明」って、この閉会中審査のこと? (永田町の洗礼を受ける22歳⑧)

2015/11/21

ゴリ(仮名)

ゴリ(仮名)

今週に入り、安倍首相は臨時国会召集の見送りを明言しました。

これによって憲政史上初めて、通常国会のみで1年を終えることになります。

野党各党から「憲法違反だ」と批判が上がっているほか、自民党の野田聖子前総務会長も疑問の声をあげています。

閉会中審査には積極的に応じるそうですが、それはつまり「(たった2日の)閉会中審査は怖くない」ということでしょう。
実際、先週行われた閉会中審査には緊張感がありませんでした…。

「甘い」「攻めきれず」「不発」「弱腰」

安部首相

新聞各紙も不満だったようで、閉会中審査について以下のような論調を展開しています。

新聞各紙の論調(11/11〜12日付)
・読売新聞:閣僚追及不発気味
・朝日新聞:逃げ切りは許されない(社説)/攻めきれぬ野党
・毎日新聞:野党、攻めきれず
・日経新聞:甘い野党の追及に安倍政権は慢心するな(社説)
・東京新聞:臨時国会を開いてこそ(社説)/安保法質疑ほとんどなし
・産経新聞:返り血怖い民主弱腰/民主、参院でも論戦不発

以上のように、「甘い」「攻めきれず」「不発」「弱腰」などの言葉で野党を批判しています。

新閣僚の「政治とカネ」疑惑、TPP大筋合意、一億総活躍、アベノミクス、普天間基地移設など、限られた時間の中でテーマを広げすぎたと指摘しています。

たしかに、あるテーマに少しだけ触れて「時間がないので次に…」という姿が見られました。同時に、新聞各紙の言葉の裏には「政府・与党はもっと追及されるべきだ」という共通認識があるのだと思います。

「(もっと追及されるべきなのに)野党は甘い」、「(もっと追及されるべきなのに)野党は攻めきれていない、不発だ」ということです。

それがどのテーマを指すのかは各紙で異なるかもしれませんが、高木復興相の「政治とカネ」疑惑に関しては各紙とも批判的な論調を展開しています。TPPや一億総活躍、アベノミクスなどについては、各紙で見解が分かれているようです。

甘利大臣

まさに「数は力」。その“数”を決める参院選に向けて…

秋の臨時国会は、安全保障関連法の「説明を重ねる場」(野田前総務会長)となるだけでなく、通常国会閉会後に進展のあった論点(TPP、新閣僚、一億総活躍など)を議論する場となるはずでした。

先日の閉会中審査では野党が批判されましたが、時間が足りなかったのも事実だと思います。こうした重要なテーマがたくさんあるからです。

そして周知の通り、憲法第53条に「いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と規定されており、これに基づき、衆議院も参議院も4分の1以上の議員が要求書を提出していました。

それなのに、臨時国会を開かずに(中身のない)閉会中審査で済ませようとは、まさに「政治は数であり、数は力」(田中角栄元首相)ですね。その”数”を決める来夏の参院選に向けて、通常国会ではどのような議論がされるのでしょうか。

それにしても、1月4日召集なんて…。

 

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ゴリ(仮名)

ゴリ(仮名)

1992年生まれの新米秘書。国立大卒。ジャーナリストを目指しつつ政治の世界で奮闘中。“22歳の議員秘書にしか書けない政治”で、選挙をオモシロクしたい。ご意見は @POLILLA_s まで。(※特定の人物・団体が、恩恵または損害を被る記事は絶対に書きません。実名は非公表とさせて頂きます。)

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