『SP 警視庁警備部警護課第四係』(主演:岡田准一)で一躍有名になったSP(Security Police)。
国会内や街頭演説で見かけるたびに、SPがついている議員とついていない議員の線引きはどこにあるんだろうと、疑問に思っていました。
そもそもSPとは誰のことなのか、そしてSPは誰のことを守るのか。いろいろ調べていくうちに、こうしたことがわかってきました。
まず、厳密に言えば、“SP”と“ボディガード”は異なるそうです。
“SP”とは、Security Policeの略称であることからもわかるように、警視庁警備部の警察官のことを指します。これに対して、民間警備会社に勤める方は“ボディガード”あるいは“民間SP”などと呼ばれるそうです。
そして、SPによって警護される人(警護対象者という)は、「警護要則」によって法的に定められています。
警護要則(第一章 第二条)
この規則において「警護対象者」とは、内閣総理大臣、国賓その他その身辺に危害が及ぶことが国の公安に係ることとなるおそれがある者として警察庁長官(以下「長官」という。)が定める者をいう。
「警察庁長官が定める者」については、「警護細則」において衆・参両院議長などが挙げられており、これらまとめると、警護対象者は以下の通りです。
<国内の要人>
<外国の要人>
これ以外にも、警察庁警備局長が指定した人にはSPがつくそうです。例えば5日告示された大阪府知事選挙では、応援弁士を務めた橋下徹大阪市長の周りにはたくさんのSPが立っていたと聞きました。
本来市長にはSPはつかないはずですが、知り合いに送ってもらった現場写真を見ると、確かに同じバッジをつけたSPらしき人が街宣車の四方に配置されています。橋下氏は政党要人でもあるので、大阪府警の警備部・警衛警護課の方々が出動したのかもしれません。加工してますが皆さんシブイお顔です。
しかし一般的に要人でない方は、民間警備会社のボディガードを雇っていると言えそうです。
ちなみに、国会中継でよく見かける、青い制服・帽子を身にまとっているのは衛視さんです。
衆議院および参議院事務局の警務部に所属する国会職員で、身分は特別職国家公務員にあたるそうです。人事・給与体系は国会の一般事務職員とは区分されており、高卒程度を対象とする衛視採用試験によって任用されるとのことです。
最後に、SPやボディガードが題材となっている映画をご紹介します。
『 SP THE MOTION PICTURE 野望編/革命編 』(2010/2011年)
言わずと知れた作品。
政治家を警護するもので、今回のテーマにピッタリ。
アクションがかっこいい。
『 ボディガード 』(1992年、アメリカ)
ケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストンが共演。
主題歌の「I Will Always Love You」が大ヒット。
『 ザ・シークレット・サービス 』(1993年、アメリカ)
シークレットサービスとは、SPの海外版。
アメリカ合衆国シークレットサービス(USSS)が有名。
『 マイ・ボディガード 』(2004年、アメリカ)
原作の『燃える男』(A・J・クィネル、新潮文庫)は、1987年にも映画化(日本未公開)されている。
<参考文献>
・要人の警護 −東京サミットの開催を間近にして−(警察庁、昭和54年通巻第192号)
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