さとう しゅういち ブログ
トルコ・サウジ・パキスタンの集団的安全保障 日本が学ぶべき“自立のモデル”
2026/8/9
トルコ・サウジ・パキスタンの集団的安全保障日本が学ぶべき“自立のモデル”
世界は今、かつてない速度で再編されている。
トルコ、サウジアラビア、パキスタンの三国協力は、西側メディアが語るような「イラン包囲網」ではない。むしろ、
米国やイスラエルにイスラム世界の安全保障を壟断させないための“自立化”
という文脈で読むべきだ。この構造は、日本が直面する東アジアの安全保障課題にこそ示唆を与える。
◆1. 体制の違いを超えた“イスラム版集団的安全保障”
トルコは議会制民主主義であり NATO 加盟国。
パキスタンも議会制民主主義。
サウジアラビアは絶対王政。本来なら安全保障協力が難しい三国が連携した背景には、
「大国依存では地域の安全は守れない」
という共通認識がある。安価な防空、分散型の安全保障、そして自立した外交。
これらは中東だけでなく、東アジアにもそのまま当てはまる。
◆2. 日本は“平和の惰性”から覚醒すべきだ
日本は長く「平和」の惰性に浸ってきた。
それ自体は尊いが、世界が“パパっと動く”時代においては、
惰性は安全保障の空白を生む。米国従属の惰性が続けば、
ASEAN・中東・南アジアから「自立したプレイヤー」と見られず、
信頼を失う可能性すらある。
◆3. 東アジアでも“体制の違いを超えた安全保障”が必要だ
ASEANは非同盟の集団安全保障として成熟している。
ここに日本が「特別加盟」することは、
東アジア版の多極的安全保障
を構築するうえで極めて合理的だ。日本ASEANインド豪州これらが海洋安全保障や災害安全保障で連携すれば、
米中対立の狭間で揺れる地域に安定軸を提供できる。◆4. 中国への“礼節のリアリズム”は自立外交の一部である
中国は熊本への支援を行い、村田事件でも比較的寛大な対応を示した。
TSMCも中国本土と緊密であり、日台中の三角安定化は日本の国益に直結する。ここで必要なのは、
反中感情に流されず、示すべき謝意は示すという礼節のリアリズム。これは媚びではなく、
外交カードを増やすための自立した戦略行動
である。一部の過激な反中論に乗ることは、
日本の選択肢を狭め、国益を損なう。
◆結語
トルコ・サウジ・パキスタンの協力は、
「大国依存からの脱却」
という世界的潮流の象徴である。日本もまた、ASEAN特別加盟海洋安全保障共同体災害安全保障同盟中国への礼節を伴う自立外交といった選択肢を迅速に検討すべき時期に来ている。世界は動いている。
日本が“寝ぼけたまま”でいれば、
多極化時代の信頼を失いかねない。自立した安全保障プレイヤーとして覚醒すること。
それこそが、今の日本に求められている。
さとう しゅういち
サトウ シュウイチ/50歳/男