さとう しゅういち ブログ
熊本地震で広島大学の熊原康博教授発見 断層は眠らない──同じ断層が再び動くという恐怖の正体
2026/7/29
断層は眠らない──同じ断層が再び動くという恐怖の正体
熊本の地震で広島大学の熊原康博教授が語った
「前回動いた断層と同じ場所がまた動いた」
という事実は、地震学の常識を揺さぶる衝撃だった。「一度動いた断層はもう動かない」
この安心神話は、令和の日本列島では完全に崩れた。
断層は、地球の奥深くで“休むことなく”ストレスを溜め続ける。
そして、前回と同じ場所が再び悲鳴を上げる。◆ 地球は止まらない──応力は再び溜まる
断層が動く
根本原因は、プレート運動による**応力(ストレス)**だ。プレートは年に数センチ動く岩盤に「ねじれ」「押し込み」「引っ張り」が蓄積限界を超えると断層が“ガクッ”とすべる
→ これが地震しかし、地震が起きてもプレート運動は止まらない。
つまり、応力はまた溜まる。地球は、ラウンド間の休憩がないボクシングの試合を続けているようなものだ。
◆ 割れ残り(アスペリティ)──壊れ残った部分が次の震源になる断層は数十km〜百km以上の長さを持つ巨大な“傷”だ。
1回の地震でその全てが壊れるわけではない。よくすべる区間まだ耐えている区間(割れ残り)この「割れ残り」にストレスが集中し、
次の地震の震源候補になる。熊本では2016年:断層の一部が大きくすべる2026年:その近くの割れ残りが破壊
→ 同じ断層帯が10年周期で再活動したこれは、能登半島でも起きた現象だ。
◆ 摩擦の皮肉──すべるほど次もすべりやすくなる
断層内部の岩は、すべるたびに砕けて粉になる。
この粉(断層ガウジ)は摩擦が低く、すべりやすい。つまり、
断層は動けば動くほど“次も動きやすい”構造になる。地震学では「速度・状態依存摩擦」と呼ばれ、
一度すべった場所は“すべりの記憶”を持つ。
◆ 累積損傷──前回耐えた建物が倒れる理由
今回の熊本では、
前回の地震を耐えた建物が次々と倒れている。これは「累積損傷」の典型例だ。2016年の揺れで基礎や鉄筋に微細な亀裂余震で亀裂が拡大経年劣化で弱点が増える2026年の揺れで限界を超えるボクシングで言えば、
前のラウンドで受けたボディブローが、次のラウンドで効いて倒れる。日本製紙工場の煙突崩壊も、まさにこのメカニズムだ。◆ 「一度動いたからもう動かない」は最も危険な幻想
断層はすべりやすい応力が再び溜まる割れ残りが残る摩擦が低下する
→ 再活動しやすい条件がむしろ整うつまり、
過去に大地震があった地域ほど、次の地震に要注意。熊本はその現実を10年周期で示した。◆ 広島への示唆──瀬戸内の断層も“眠らない”広島県には安芸灘断層帯岩国沖断層五日市断層己斐断層
などがある。これらも、
一度動いたら終わりではなく、再び動く可能性がある。防災行政の視点では、
「断層は眠らない」という前提で計画を再構築する必要がある。
さとう しゅういち
サトウ シュウイチ/50歳/男