さとう しゅういち ブログ
軽々しい核言及は国を危うくする──核抜きで安全保障の道はある
2026/7/25
軽々しい核言及は国を危うくする──核抜きで安全保障の道はある
防衛大臣の核に関する発言が波紋を広げている。
国家安全保障の根幹に関わるテーマを、
思いつきのように口にすること自体、
国家の品格を損なう軽率の極みと言わざるを得ない。核は、抑止の象徴であると同時に、
誤った言及が地域の緊張を一気に高める“危険物”である。
その扱いには、歴史と国際政治の重みを理解した慎重さが不可欠だ。
核発言は抑止ではなく、緊張の増幅装置である
東アジアは、米中対立、北朝鮮の核開発、台湾海峡の不安定化など、
火薬庫の上に座るような構造的緊張にある。
その中で日本の閣僚が核に言及すれば、
中国は「日本の軍国主義復活」と国内宣伝に利用し、
北朝鮮は核態勢強化の口実にする。
ASEANは非核地帯条約の精神に反すると受け止め、
日本への信頼を損なう。つまり、核発言は抑止どころか、
地域の警戒レベルを跳ね上げる“逆効果”でしかない。日本には核抜きで安全保障を強化する道がある日本の安全保障は、核に頼らずとも強化できる。
むしろ核を口にしない方が、地域は安定する。
第一に、
防衛力の質的向上である。
対ドローン防衛、警戒監視、サイバー・宇宙領域の防御、
島嶼防衛と機動力の強化。
これらは核よりも現実的で、抑止効果も高い。第二に、
同盟と地域協力の多軸化である。
日米安保を維持しつつも、
ASEAN+3、豪州、インド、欧州との協力を重層的に積み上げる。
米国一本足ではなく、多軸の安全保障構造こそが日本の安定を支える。
第三に、
非軍事安全保障の強化である。
防災、感染症対策、食料・エネルギー安全保障、
サプライチェーンの多角化。
これらはASEANが最も評価する領域であり、
地域の信頼を得る最も確実な道である。広島の役割は重い被爆地・広島は、
平和首長会議の会長都市として世界8,584都市を束ね、
ASEAN都市とも深い連携を持つ。
1994年アジア大会の「1国1館運動」に象徴されるように、
広島は地域ぐるみの国際交流の経験を積み重ねてきた。広島が発する非核のメッセージは、
国家の外交を補完し、
地域の緊張を和らげる力を持つ。
軽々しい核発言が乱した波形を整える役割は、
広島にこそある。
結語──国家の言葉は重くなければならない
国家の安全保障を担う閣僚の言葉は、
国際社会において“国家そのものの意思”として受け止められる。
核に関する発言は、
軽々しく口にしてよいものではない。日本には、核抜きで安全保障を強化する道がある。
むしろ核を語らない方が、日本は強くなる。
その自覚を欠いた言葉は、
国を危うくする。
さとう しゅういち
サトウ シュウイチ/50歳/男