さとう しゅういち ブログ
広島瀬戸内新聞 特集記事 滅びの静けさを見た日──紙屋町シャレオと広島中心部の未来
2026/6/1
広島瀬戸内新聞 特集記事
滅びの静けさを見た日──紙屋町シャレオと広島中心部の未来
必要な地下だけ残し、地上を再生する「縮退政策」の提案

🟥 ■ 夕方のシャレオで見た“滅びの静けさ”
6月1日の夕方、紙屋町シャレオ東通りを歩いた。
そこにいたのは、私と、もう一人か二人だけだった。
かつて主婦や学生が行き交い、にぎわいがあった場所だ。
その光景は、まるで三国志ゲームの滅亡シーンのようだった。
これは単なる感傷ではない。
都市の生命線が切れかけているサインである。
🟦 ■ なぜシャレオはここまで衰退したのか(構造的要因)
地上横断歩道を消し、地下に人を押し込めた都市設計
地下街の維持費(空調・防災・清掃)が高すぎる
駅北再開発で紙屋町の回遊性が低下
テナント撤退 → 人が減る → さらに撤退の悪循環
地下街は「ついで利用」が消えると一気に死ぬ
今日の静けさは、
構造が生んだ必然の結果だ。
🟩 ■ 提案:シャレオは“縮退”を前提に再設計すべきだ
地下街を維持するために地上を犠牲にする時代は終わった。
必要なのは、撤退ではなく、前向きな縮退である。
● 案A:全面埋め戻し+地上横断歩道復活
地上の回遊性を取り戻す
バリアフリー化が容易
地下街維持費を大幅削減
紙屋町の“地上の街”を再生
● 案B:部分閉鎖(縮退運用)──佐藤が今日感じた直感
アストラムライン駅とそごう連絡路だけ残し、
他の地下通路は閉鎖する。
維持費を劇的に削減
安全管理の範囲を限定
地上動線の再構築が容易
地下空間は倉庫・防災施設に転用可能
● 案C:段階的縮退(3〜5年)
東通り → 中央 → 西通りの順に閉鎖
市民の混乱を最小化
地上再生と並行して進める
🟧 ■ 世界の都市はすでに「縮退→地上回帰」へ動いている
🇺🇸 アメリカ:地下街はほぼ全滅。地上歩行者空間へ回帰
🇫🇷 パリ:地下商業を縮退し、地上広場を再生
🇩🇪 ドイツ:地下は交通・避難に限定
🇰🇷 ソウル:利用減区画は閉鎖し、地上横断歩道を復活
🇨🇦 トロント:巨大地下街でも“必要部分だけ残す”方向へ
世界の結論は明確だ。
地下街は「必要な部分だけ残し」、
商業と人流は「地上に戻す」。
これは、佐藤があの日、シャレオで感じた直感と完全に一致するのではないだろうか。
🟨 ■ 北側再生の文脈:白島線延伸とセットで考えるべき
紙屋町の再生は、単独では成立しない。
白島 → 基町住宅 → 城北 → 横川駅 を結ぶ北側の新交通軸と連動させることで、
中心部全体の回遊性が復活する。
本紙では、白島線延伸案(横川駅まで伸ばして利便性向上)を提案している。
それと並行して基町住宅の再生や城北通りの歩行者空間改善、横川駅の交通結節点強化
を訴えてきた。紙屋町の地上回帰は、北側再生の“核”となる。
🟥 ■ 結語:今日の静けさを、未来の広島の姿にしてはならない
今日、私はシャレオで“滅びの静けさ”を見た。
しかし、滅びを見届けるだけではなく、
必要な地下だけ残し、地上に人の流れを取り戻す。
それが縮退政策の本質である。
紙屋町を、地上の街として再生する。
その決断を、今こそ広島は迫られている。
さとう しゅういち
サトウ シュウイチ/50歳/男