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 高市総理発言の撤回を求める 広島から平和と経済の責務を問う

2025/11/15

 
社説
高市総理発言の撤回を求める 広島から平和と経済の責務を問う
広島瀬戸内新聞 代表 佐藤周一

高市総理が「台湾有事は日本の存立危機事態であり、自衛隊出動につながる」と発言した。中国側は強く反発し、大阪の中国総領事による暴言投稿も問題化した。両者の発言は日中関係を一層緊張させ、国民生活と地域経済に深刻な影響を及ぼしかねない。

総理の発言は、台湾が国際的に国家承認されていない現状を踏まえると法理的に不明確であり、中国からは「内政問題への介入」と受け止められる危険性が高い。米国も日本の先走りによる軍事行動には巻き込まれたくない姿勢を示しており、日米同盟の信頼性を損なう恐れがある。発言は撤回されるべきであり、同時に総領事の暴言も撤回されるべきだ。

広島経済への影響は甚大である。県内ではマツダを中心に約2,000社、中国地方全体で約3,000社が自動車産業に関わり、取引額は1.3兆円規模に達する。中国市場縮小や政治的緊張による輸出停止は、雇用や税収に直撃する。さらに、牡蠣やレモンなど瀬戸内ブランドの農水産物輸出も打撃を受け、観光業も外国人客の減少で深刻な影響が予想される。

こうした状況下で広島に求められる役割は明確だ。第一に「平和都市」としての責務である。原爆被害の歴史を持つ広島は、軍事的緊張を和らげる国際的対話の拠点となるべきだ。第二に、経済の自立性強化である。中国依存から脱却し、東南アジア・欧州・国内市場を開拓するとともに、EVや再生可能エネルギーへの投資を進め、次世代産業を育成する必要がある。第三に、市民生活の防衛である。物価高騰や雇用不安に備え、行政が生活支援を拡充することが不可欠だ。

高市総理の発言は撤回されるべきであり、広島は平和と経済の両面で新たな役割を果たすべき時にある。瀬戸内から発する声が、緊張緩和と未来志向の道を切り拓く力となることを期待したい。

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肩書 介護福祉士・元広島県庁職員・広島瀬戸内新聞社主
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