2026/8/13
こんにちは。千葉県議会議員(八千代市)の横山ひであきです。
先日、地域回りをした際に、自治体が発注する草刈りや除草作業を下請けで担っている造園業者の方から、猛暑期の作業について切実なご意見を伺いました。
「熱中症を防ぐため、昼間の気温が高い時間帯を避け、朝方や夕方に作業したい。しかし、決められた工期がある上、早朝や夕方の作業は機械音などに対する住民からの苦情も心配される。そのため、危険な暑さの中でも作業せざるを得ないので、本当に大変なんです・・・」
現場の実情を伝える、大変重要な声です。
自治体が委託する屋外作業は、建設工事だけではありません。
道路や河川、公園、学校、庁舎などにおける草刈りや除草、樹木の剪定、道路・側溝・公園の清掃、植栽管理、屋外施設の巡回・点検など、地域の生活環境と安全を守るために欠かせない業務が数多くあります。
特に草刈りや除草は、植物が繁茂する夏場に作業の必要性が高まります。作業員は強い日差しの下で、防護服やヘルメットなどを着用し、熱を発する機械を扱わなければなりません。
しかし、猛暑が常態化しているにもかかわらず、工期や作業時間が従来どおりであれば、現場の努力だけで安全を確保することには限界があります。
8月13日付の読売新聞朝刊では、都道府県が発注する「建設工事」について、真夏の現場作業を一定期間休止する「夏季休工」の動きが報じられました。
同紙が47都道府県を対象に行ったアンケートによると、8都府県が既に導入し、千葉県と大阪府が導入を予定しています。さらに23県が導入に向けて検討中と回答しました。
導入済み、導入予定、検討中を合わせると33都府県となり、全国の約7割が導入に向けて動いていることになります。
国土交通省も今年度から、地方整備局が発注する道路舗装や河川掘削などの工事に導入しているとのことで、発注時に休工期間を設定する方法と、契約後に発注者と受注者が協議して休工期間を決める方法があります。
これは、熱中症対策を作業員一人ひとりの注意や我慢に委ねるのではなく、発注者が工期や契約の段階から猛暑を考慮する取り組みです。
千葉県では「夏季休工」とは別に、猛暑の中で工事を行う場合の追加負担を費用面から支える「熱中症対策に資する現場管理費の補正」を実施しています。
熱中症対策に資する現場管理費の補正の試行/千葉県
これは、最高気温30度以上、または暑さ指数(WBGT)25以上の日を「真夏日」として数え、対象期間に占める真夏日の割合に応じて、現場管理費を増額する仕組みです。
今年(2026年)8月からは、県土整備部が発注する草刈り、日常管理、側溝清掃などの「特定委託業務」にも対象が広げられました。
猛暑の現場では、給水や休憩の確保、冷却用品、健康管理、作業時間の短縮などによって、通常以上の経費や人員が必要になります。また、こまめに休憩を取れば、同じ仕事を終えるまでの日数が増えることもあります。
こうした負担を受注業者だけに負わせず、発注者である自治体も適正に負担するという考え方は重要です。
ただし、現在の対象は、県土整備部が発注し、土木工事の積算基準に基づいて諸経費を算定する一定の業務です。
公園、学校、庁舎、県営住宅などの植栽管理をはじめ、他部局や市町村が発注する屋外委託業務についても、同様の対策が講じられているか確認する必要があります。
猛暑対策は、「夏季休工」か「費用の増額」か、どちらか一方を選ぶものではありません。
第一に、危険な暑さの中では作業を休止できるよう、夏季休工の導入や工期の延長、作業時間の変更を柔軟に認めることが必要です。
第二に、住民生活や安全を守るために休止できない業務については、熱中症対策や作業効率の低下に伴う追加負担を、委託費や現場管理費へ適切に反映する必要があります。
つまり、
この両面から制度を整えることが大切です。
現場からは、朝方や夕方に作業したくても、草刈り機などの音に対する住民からの苦情が懸念され、実施しにくいという声もあります。
この問題を受注業者だけに任せるのではなく、発注者である自治体が責任を持って調整する必要があります。
例えば、次のような対応が考えられます。
「なぜ早朝や夕方に作業するのか」を自治体から丁寧に説明し、作業員の命を守るための取り組みとして住民の理解を得ることが重要です。
さらに、自治体から元請け事業者へ支払われた熱中症対策費が、実際に作業を担う下請けの事業者や現場作業員まで届く仕組みも欠かせません。
発注額を増やしても、下請け代金や作業員の処遇に反映されなければ、現場の安全確保にはつながりません。
熱中症対策費の内訳や下請け契約への反映状況を確認することも、今後の重要な課題です。
今後、千葉県に対して、次の点を確認・提言していきたいと考えています。
近年の猛暑は、もはや一時的な異常気象ではありません。公共工事や維持管理業務の工期、作業時間、積算、契約の在り方そのものを、気候の変化に合わせて見直す段階に来ています。
地域の道路、公園、河川、公共施設を維持しているのは、厳しい環境の中で働く一人ひとりの作業員です。
「工期があるから、暑くても作業するしかない」という状況を改めなければなりません。
危険な暑さの中では休むことができ、どうしても作業が必要な場合には、その負担に見合う工期と費用が確保されるような制度づくりに向け、現場から寄せられた声を政策提言につなげてまいります。
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