2026/4/21
【インクルーシブの時代にこそ重要だと感じたろう教育の専門性】
本日4月21日、北海道札幌聾学校を視察してきました。
北海道におけるろう学校(聴覚障がい児を対象とした特別支援学校)は、広大な地域特性の中で、専門的な教育と地域支援の両立を担う重要な存在です。札幌市をはじめ道内各地に拠点校が設置され、幼稚部から高等部まで一貫した学びが保障されています。
近年はインクルーシブ教育の進展により、地域の学校に通う難聴児への支援や教員への助言など、いわゆる「センター的機能」も期待されています。また、乳幼児期からの早期発見・早期支援の重要性が高まる中で、厚労省と文科省の縦割りを越え、道教委として教育相談体制の充実に取り組んでいることも印象的でした。
今回の視察では、3歳から中学3年生までの授業を拝見し、「聴こえ」の状況に応じたきめ細かな教育のあり方を実感しました。
補聴器や人工内耳などの機器の進展や、インクルーシブ教育の流れがある一方で、単に音声としての「ことば」を身につけるだけではなく、その意味や概念を深く理解すること――そのためには、ろう教育ならではの専門的な支援が不可欠であることを改めて強く感じました。
授業では、手話を基本とする方法と、口話を含めた方法を、子どもの状況や家庭環境、進路に応じて柔軟に選択できる仕組みが整えられていました。かつてのように手話が制限されることはなく、むしろ言語として尊重されている点は大きな変化です。
教員の皆さんの高い手話技術、視覚的に理解しやすい授業の工夫、そして必ず問いかけと確認を重ねながら進めていく丁寧な指導――その一つひとつに、専門性の積み重ねを感じました。これは、本来すべての教育現場に通じる大切な視点でもあるのではないかと思います。
一方で、ろう学校に初めて配置された教員への支援として、手話に堪能な同僚が通訳に入る体制も見られました。教育の質を支える重要な工夫である一方で、現場にとっては負担の側面もあるはずです。教員不足が課題となる中で、専門性の継承や人材育成のあり方は、今後の大きなテーマだと感じました。
また、0歳から2歳までを対象とした「きこえとことばの相談室」「乳幼児相談室」も大きな柱です。そこには、デフリンピックのバスケットボールで活躍された経験を持つ職員の方もおり、当事者としての視点と専門性を兼ね備えた支援が行われていました。
相談に訪れるのは、いわゆるデフファミリーだけではなく、初めて子どもの「聴こえ」に向き合う健聴の親御さんも多くいらっしゃいます。その戸惑いや不安に寄り添いながら、子どもの発達やコミュニケーションのあり方を共に考えていく――まさに、子どもと家族を支える拠点であると感じました。
さらに、地域の耳鼻科や保健センターを訪問し、必要な情報を届ける取組も行われているとのこと。札幌は比較的恵まれた環境にありますが、道内の他地域では、距離や人口規模の問題から同様の支援を届ける難しさもあると伺いました。
今後は、札幌近郊にとどまらず、道内各地のろう学校の状況や、聴こえに課題のある子どもたちへの支援体制についても、改めて確認していきたいと考えています。
インクルーシブ教育が進む今だからこそ、ろう教育の専門性と役割をどう支えていくのか――その重要性を強く感じた視察となりました。
地域の手話サークルで学ぶ先生方や、学生時代の経験をきっかけにろう教育に関わる方もいると伺い、「地域に手話があること」が、ろう教育の未来につながるのだと感じました。
実は私も、手話サークル「白石手輪の会」の会員ですが、なかなか参加できておらず、反省するばかりです。今回の学びをきっかけに、自分自身もできることから関わり直していきたいと思います。
この投稿が、少しでも多くの方に「聴こえ」や「ことば」、そしてろう教育について考えるきっかけになれば幸いです。子どもの聞こえの状態やことばの発達について、コミュニケーションの様子やこれからの進路選択などに不安がある方は、是非、一度、電話ファックスまたはメールで、まずは、相談してみてくださいね。
-------------------------
<北海道札幌聾学校乳幼児相談室>
札幌市北区北26条西12丁目
TEL 011-716-2979
FAX 011-758-7617
mail sappororou@hokkaido-c.ed.jp

この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>広田 まゆみ (ヒロタ マユミ)>【インクルーシブの時代にこそ重要だと感じたろう教育の専門性】本日4月21日、北海道札幌聾学校を...