2026/5/12
この問題は、単なる週刊誌報道ではありません。
もし報道が事実なら、最高権力者の陣営が、権力と資金を使って対立候補を匿名で攻撃し、選挙の情報空間を汚染していたことになります。
それを「知らない」「秘書を信じる」で済ませるなら、日本の民主主義は壊れます。
与党が金と組織力を使って中傷動画をばらまき、選挙後に「確認していない」「関係ない」と逃げる。そんな国になれば、選挙は公正な政策選択ではなく、権力者による情報戦になります。
これはトランプ的な話題そらし政治、さらに進めばプーチン的な権威主義政治につながる危険な兆候です。
だから野党は、この問題を徹底追及すべきです。
週刊文春は、高市陣営が自民党総裁選や衆院選で、対立候補を中傷する動画の作成・拡散に関与した疑惑を報じました。文春オンラインは、公設第一秘書が陣営メンバーに動画投稿に関するメッセージを送っていたと報じています。
5月11日の参議院決算委員会で、高市首相は、木下剛志公設第一秘書から「直接聞き取りました」と答えました。そのうえで、事務所運営アカウント以外での発信や、他候補へのネガティブ動画の作成・発信は「一切行っていない」と報告を受けたと説明しました。
しかし、高市氏は「記事は捏造だ」と明言していません。
森ゆうこ議員が「全くの事実無根、捏造ということでよろしいですか」と迫っても、高市氏は「秘書を信じます」と答えました。
信じる、信じないの問題ではありません。
国会で問うべきは、事実です。
高市氏は、最低限、次の点を明らかにすべきです。
これに答えず、「秘書を信じる」で終わらせるなら、それは説明責任ではありません。
野党は、抽象的に「記事は捏造か」と聞くだけでは足りません。
相手に逃げ道を与えないよう、質問を分解すべきです。
まず、こう聞くべきです。
総理、週刊誌記事の評価は聞いていません。
5月11日の総理答弁の根拠を聞いています。
「地元の秘書も面識ない」と答弁したとき、地元の秘書とは木下剛志公設第一秘書を含みますか。
次に、曖昧な「面識」という言葉を封じる。
「面識がない」とは、対面で会ったことがないという意味ですか。
それとも、電話、オンライン会議、LINE、Signal、メール、DM、第三者経由の連絡も含めて、一切の接触がないという意味ですか。
さらに、確認手続を問う。
総理は答弁前、木下氏に対して、松井健氏との接触の有無を、手段ごとに確認しましたか。
対面、電話、オンライン会議、LINE、Signal、メール、DM、第三者経由の連絡について、一つずつ確認しましたか。
逃げたら、こう戻す。
秘書を信じるかどうかは聞いていません。
確認したかどうかを聞いています。
そして、最後にこう迫る。
確認したなら、確認日時、確認方法、同席者、木下氏の回答内容を答えてください。
確認していないなら、なぜ確認していない事項について、国会で「地元の秘書も面識ない」と答弁したのですか。
国政野党は、次の順番で追及すべきです。
第一に、高市氏に5月11日答弁の根拠を文書で提出させる。
第二に、木下剛志氏と松井健氏を参考人招致する。
第三に、答弁が食い違えば証人喚問を求める。
第四に、音声データの原本、録音端末、メタデータ、メッセージ履歴、通話履歴、会議記録を保全させる。
第五に、第三者機関による音声の真正性鑑定と話者比較を行う。
第六に、動画制作費、SNS運用費、広告費、振込記録、請求書、政治資金収支報告書、選挙運動費用収支報告書を突き合わせる。
この問題は、国会で高市氏に感想を聞いても解明できません。
必要なのは、証人喚問と資料提出です。
高市氏の政治手法は、反論せずに逃げる、論点をずらす、別の話題を盛り上げて注目をそらすものに見えます。
だから、野党もメディアも、政権側が打ち上げる別の「花火」に乗ってはいけません。
争点は一つです。
5月11日の高市答弁は真実だったのか。
木下氏と松井氏の接触は本当になかったのか。
なかったと言うなら、なぜ記録を出せないのか。
音声鑑定に応じるのか。
証人喚問に応じるのか。
この四点を繰り返すべきです。
この問題を曖昧に終わらせれば、次の選挙から、権力者による匿名の情報工作が当たり前になります。
嘘や中傷で相手を傷つけ、勝ったあとに「秘書を信じる」で逃げる政治がまかり通ります。
そんな国にしてはいけません。
野党が突きつけるべき言葉は、これです。
総理、記事の真偽ではありません。総理答弁の真偽です。
木下剛志氏と松井健氏の接触がなかったと、総理は何を根拠に国会で答えたのですか。
根拠があるなら資料を出してください。
根拠がないなら答弁を訂正してください。
「秘書を信じる」では、民主主義は守れません。
必要なのは、証拠に基づく説明責任です。
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