2026/6/9
建設進む武雄市の新文化交流施設/整備費高騰で住民1人あたり8万7千円の負担。
武雄市の文化会館の一部機能を引き継ぐ「新文化交流施設」の建設工事が進んでいる。
物価高騰で総事業費は約69.3億円に高騰。懸案となっている文化会館大ホールの改修費29.3億円を除いても、残る事業費は約40億円にのぼる。
この「新文化交流施設」の建設費を武雄市の人口約4万5700人で割ると、赤ちゃんから高齢者まで等しく市民1人当たり約8万7千円を負担する計算。4人家族なら約35万円の負担となる。さらにこの費用には完成後の維持管理経費は含まれていない。
一方、武雄市は第5次行政改革プランで、今後5年間で約30億円の財源不足が生じると自ら認めている。「不足分は基金(貯金)を取り崩して対応せざるを得ない」としている。
貯金を崩さなければ回らないまちで、大ホール抜きでも約40億円規模の新施設整備が進んでいる。
加えて、この新文化交流施設だが、「本当にそれが住民の求めた施設なのか」という問題も指摘されている。
事実、新文化交流施設については利用者団体や文化団体の関係者からは以下のような厳しい声が上がっている。
「自分たちの意見がほとんど反映されていない」
「期待していたものと違う」
「これが大ホールの代わりというのは見当違いだ」
新文化交流施設の建設に併せて、武雄市は文化会館大ホールについては当初補修による維持を前提としていたが、財源不足により断念。一度は小松政市長が「解体」の方針を示した。しかし、利用者団体からの猛反発を受けて、解体方針を撤回。来年3月まで有識者会議に検討を委ねる事態となっている。
この混乱の原因に「新文化交流施設の多目的ホール(約300人収容、ステージなし)を大ホールの代替に」という説明を武雄市が行ったことにもあるようだ。
そもそも新施設の多目的ホールは、大ホール(約1,000人収容)の代替として設計されたものではなかった。大ホールが残る前提で、それを補完する役割だったはずである。
これまでの経緯をよく知る文化団体の関係者は、「補完施設を後付けで代替施設のように語る。ここに無理がある」と指摘する。
結果、懸案の文化会館大ホールの今後についての結論は来年3月まで持ち越しとなった。
だが、有識者会議の関係者からはこんな声も聞こえてくる。
「大ホールの今後についての意見をまとめろと言われても財源がない中で何を言っても無駄ではないか。武雄市は一体何がしたいのか」
新文化交流施設には約40億円を投じる一方、5年間で30億円の「財源が足りない」とも言う。
文化団体の声を聞いて施設を整備する一方、現場からは「求めたものと違う」と言われている。
誰のため、何のための新文化交流施設なのだろうか。
新文化交流施設は来年(2027年)1月に完成予定だ。

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