2026/5/29
武雄市の佐賀バルーナーズ・プレシーズンマッチ2500万支出問題/自治体財政の専門家からも「極めて悪質」。
武雄市の佐賀バルーナーズ・プレシーズンマッチ問題。
今度は、補正予算のそもそも論から見ても、かなり筋が悪いようだ。
この件について、自治体財政に詳しい複数の専門家からコメントが届いた。
その一人は、こう指摘する。
「これは単なる事業費の高い安いの問題ではない。補正予算の使い方として、かなり問題がある。武雄市の予算編成そのものが形骸化しているのではないか、という疑念を持たれても仕方がない」
地方自治法第218条第1項は補正予算を編成できる事由を以下のように定めている。
第218条第1項
普通地方公共団体の長は、予算の調製後に生じた事由に基づく経費の支出又は債務負担行為の必要に対応するため、既定予算の追加又は更正の予算(以下「補正予算」という。)を調製し、これを議会に提出することができる。
専門家が特に注目しているのは、「予算の調製後に生じた事由に基づく」という部分である。
つまり補正予算は、何でも後から足せる便利な財布ではない。
当初予算を組んだ後に、収入や支出の見通しに変動が生じた場合に限られており、具体的には災害、制度改正、国県補助の内示、起債協議のタイミング、経済情勢の変化など、当初予算の段階では見込み切れなかった場合に組むのが、本来の補正予算である。
今回の武雄市の事例はどうか。
佐賀バルーナーズのプレシーズンマッチは、市政施行20周年記念事業として、令和8年度当初予算(今年3月に可決)にすでに約800万円が計上されていた。ところが、わずか3か月後の6月議会で、約1,700万円の追加補正。総額は約2,500万円に膨らんだ。
市の説明では、当初は既存ゴールを使い、体育館の半面をコート、半面を仮設席にする計画だった。しかしその後、公式戦に近い臨場感や選手の安全確保を理由に、センターコート方式へ変更。新たにゴール2基をリースし、床面には木製板を設置し、ドクター、看護師、警備員、会場スタッフも増やす。そのために追加で約1,700万円必要になった、という説明である。
これについて、別の専門家はこう見る。
「プロバスケットボールの試合を誘致する以上、コートの仕様、床面、ゴール、選手の安全確保、医療体制、警備体制、観客席の配置は、当初から検討すべき基本事項。6月になって初めて判明した事情とは考えにくい」
まさに、そこが問題である。
これは本当に、当初予算の後に生じた事情なのか。3月には見えていなかったのか。6月になって突然、公式戦に近い環境や安全確保が必要になったのか。
同専門家からは「そうではないだろう。災害でもない。制度改正でもない。国県補助の内示でもない。当初の積算が甘かった。あるいは、最初は小さく見せておいて、後から大きく膨らませた。そう受け止められても仕方がない。しかも追加補正額は約1,700万円で当初予算の約800万円を大きく上回る。本体よりも追加分の方が大きい。これは通常の不足分補正というより、事業の中身そのものが後から別物になったと言うべき規模で極めて悪質」との厳しい指摘があった。
確かに、当初予算で約2,500万円のイベントとして堂々と出していれば、議会も市民も最初からその妥当性を問うことができた。1日限りのプレシーズンマッチに約2,500万円。観覧規模は約1,000人。観客1人あたり約25,000円。この数字を、当初予算の段階で正面から議論できたはずである。
専門家のコメントを借りれば、これは「補正予算の乱用に近い」。
このようなことをしながら、住民には、5年30億円の財源不足を示す。文化会館大ホールの更新は先送り。中学生の学校給食はいまだに半額自己負担。水道料金は3割値上げ。その一方で、1日限りの華やかなイベントには、後出しの補正予算で約1,700万円を積み増す。
明らかに、税金の使い道と優先順位がおかしい。

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