2026/7/9
皆さん、こんにちは。枚方市議会議員のかじや知宏です。
枚方市の令和7年度決算の概況が公表されました。
決算の概況ですので、正式な決算認定前の速報版となりますが、現時点で分かっている内容から、ポイントを分かりやすくお伝えします。
なお、この記事は資料をじっくり精査した分析ではなく、現時点での私の所見をまとめたものです。
正式な審査は、9月定例月議会の決算特別委員会で行われます。大阪維新の会枚方市議会議員団としても、市民の皆さんの税金が適切に使われているかという視点で、しっかり議論していきます。

今回公表された決算の概況では、枚方市の財政は引き続き実質収支で黒字を維持しています。
これは評価できる点ですが、決算を見るうえで重要なのは、「黒字か赤字か」だけではありません。
人口減少や少子高齢化が進む中、将来にわたって持続可能な財政運営ができるのかという視点から、中身を見ていくことが大切です。
まず、令和7年度普通会計決算の規模です。
📌 歳入(市の収入)は約1,718億円
📌 歳出(市の支出)は約1,688億円
となり、
📌 実質収支は約23億円の黒字
📌 単年度収支は約3億円の黒字(3年ぶりの黒字)

さらに、
✅ 基金残高は約382億円となり前年度より約12億円増加
✅ 市債残高は約1,087億円となり31億円減少しました。
将来への備えとなる基金を積み立てながら、市債残高を減らしていることは、財政運営として評価できる点です。


まず、歳入では、市税収入が前年度より大きく増加しました。
📌 市税収入は約617億円
📌 前年度より約40億円増加(+6.9%)
内訳を見ると、
✅ 個人市民税 約246億円(前年比+11.6%、約26億円増)
✅ 法人市民税 約44億円(前年比+14.7%、約6億円増)
✅ 固定資産税 約235億円(前年比+3.1%、約7億円増)
などが増加しています。
個人市民税は、賃金上昇などによる給与所得の増加が主な要因と考えられます。
また、法人市民税は企業業績の改善、固定資産税はマンションなど住居の増加などにより、いずれも増収となりました。
さらに、市税以外では、
📌 地方交付税が約16億円増
📌 地方消費税交付金が約7億円増
📌 国庫支出金も約35億円増
となり、歳入全体では前年度より約48億円増加しています。
インフレや賃金上昇などを背景に、市税収入は今後も一定の増加傾向が続く可能性があります。
しかし、その一方で、人件費や社会保障費などの歳出も増加しており、歳入が増えても、それ以上に歳出が増える構造となっています。
そのため、歳入の増加だけに頼るのではなく、限られた財源を効果的に活用する視点が、これまで以上に重要になると考えています。

歳出では、毎年必ず支出が必要となる義務的経費の増加が目立ちました。
📌 人件費は約9億円増加
📌 扶助費は約20億円増加
その結果、義務的経費全体では前年度より約28億円増加しています。
人件費が増加した主な要因は、人事院勧告に伴う給与改定によるものです。
さらに注目すべき点として、令和7年度は定年引上げの影響により、定年退職による退職手当の支出が発生しない年度でした。
そのような状況でも人件費は約9億円増加しており、人件費の伸びが続いていることが分かります。
一方で、定年退職年齢は2年に1歳ずつ引き上げられているため、退職者が発生する年度には退職手当が再び増加します。
そのため、令和8年度決算では退職手当の増加も見込まれ、人件費全体はさらに増加する可能性があります。
また、扶助費が増加した主な要因は、児童手当の拡充や障害者自立支援給付費の増加です。高齢化の進展や福祉ニーズの多様化を背景に、今後も増加していく可能性があります。
こうした支出は、市民生活を支えるために必要な経費である一方、一度増えると簡単には減らすことができません。
少子高齢化やインフレなどを背景とした構造的な要因であるため、今後も義務的経費の増加が続く可能性があり、財政運営への影響を注視していく必要があります。


一方で、安心できる状況とは言えません。
特に注目したいのが、**経常収支比率98.7%**です。
経常収支比率とは、市税など毎年入ってくるお金のうち、どれだけが**人件費や扶助費(福祉関連経費)、公債費(借金返済)**など、毎年必ず必要となる経費に使われているかを示す指標です。
この指標は、市の財政の硬直度を表すもので、一般的に90%台後半になると、財政の自由度がほとんどなくなる水準とされています。
つまり、新しい施策や将来への投資に使えるお金が非常に限られている状況です。
令和7年度は前年度から0.2ポイント改善したものの、依然として98.7%という非常に高い水準にあり、財政の硬直化は続いています。
また、令和7年度は市税収入が増加した一方で、人件費や扶助費をはじめとする義務的経費も増加しています。
こうした増加は、物価高騰や少子高齢化の進展など構造的な要因によるものであり、今後も簡単に改善するものではありません。
今後も人口減少や少子高齢化が進むことを考えると、限られた財源を有効に活用するため、事業の優先順位の見直しや行政改革、公共施設マネジメント、DXの推進などを着実に進めていくことが重要だと考えています。
企業会計では、
📌 水道事業は約12億円の黒字
📌 下水道事業は約15億円の黒字
となりました。
一方で、
📌 病院事業は約12億円の赤字
となっています。
さらに注目すべき点は、年度末の未処分利益剰余金が約2億円のマイナスとなったことです。これは、これまで積み上げてきた利益を使い切り、それでも補えず、損失(赤字)が累積している状況を意味します。
市立ひらかた病院は市民の命を守る重要な役割を担っており、経営改善について引き続き確認していく必要があります。
また、水道事業は黒字を維持していますが、老朽化した水道管や基幹施設の更新・耐震化など、今後は多額の投資が必要になります。市の経営戦略では、令和10年度に純損失(赤字)へ転じる見込みとされており、将来的には料金改定も含めた議論が必要になる可能性があります。
企業会計についても、単年度の黒字・赤字だけで判断するのではなく、中長期的な視点で経営状況を確認していくことが重要だと考えています。
私はこれまでも議会で、
「黒字だから安心」という見方ではなく、将来世代に負担を先送りしない財政運営が重要だと訴えてきました。
今回の決算では、
黒字の維持や基金の積み立て、市債残高の減少など、評価できる点もあります。
一方で、
人口減少や少子高齢化が進む中で、
✅ 社会保障費の増加
✅ 賃上げによる人件費の増加
✅ 公共施設の老朽化
など、中長期的な課題は着実に進行しています。
だからこそ、今必要なのは、
📌 限られた財源を最大限に活かすEBPM(根拠に基づく政策立案)
📌 公共施設マネジメント
📌 DXによる行政改革
📌 将来人口を見据えた持続可能なまちづくり
です。
目先だけではなく、10年後、20年後を見据えた財政運営を進めていかなければなりません。
今回公表されたのは、あくまで決算の概況です。
今後、決算書や主要施策の成果なども含めて詳しく分析し、9月定例月議会の決算特別委員会で議論が行われます。
私も、枚方市議会議員として、
✅ 税金が適切に使われているか
✅ 事業に十分な効果があったのか
✅ 将来世代への負担を増やしていないか
という視点から、一つひとつの事業を丁寧に検証し、必要な改善や見直しを積極的に提案していきます。
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