2026/8/24

議会ハラスメント対策について
東かがわ市議会では、令和7年6月26日、市長から、当時の議長による職員への言動について、事実確認と厳正な対応を求める申入れがありました。これを受け、市議会は同年7月4日、議員8人で構成するハラスメント調査特別委員会を設置しました。
特別委員会は、同年9月までに12回開催され、市長、議長、関係職員への聞き取りを行いました。必要に応じて再度の確認も実施し、LINEのメッセージや当日のメモなどの資料を調べ、9件の事案について事実関係を検証しました。
調査では、関係者のプライバシーを守り、安心して話せる環境を確保するため、委員会を原則として非公開としました。議事録や配布資料の取扱いも厳しく管理し、調査報告書を作成する際には、個人が特定されないよう匿名化などの配慮が行われました。その一方で、調査終了後には報告書を公表し、市民への説明責任を果たしています。
事実関係の確認に当たっては、各事案の信憑性を4段階に分け、委員一人一人が評価しました。単に多数決で結論を出すのではなく、証言の一致、資料による裏付け、当事者間の認識の違いなどを整理した上で判断している点が特徴です。証拠が十分でない事案については、無理に事実認定をせず、慎重に扱っています。
ハラスメントに当たるかどうかについては、主に次の三つの観点から検討しています。
・要求の内容に妥当性があるか
・要求する際の手段や態度が、社会通念上適切であるか
・その言動によって、職員の業務や職場環境に支障が生じたり、職員の尊厳が傷つけられたりしていないか
この考え方は、議員が行政を監視し、職員に説明を求めること自体を問題とするものではありません。要求の内容だけでなく、どのような言い方や態度で求めたのか、同じ行為が繰り返されたのか、職員の業務や心理面にどのような影響が生じたのかを分けて検証しています。
調査の結果、委員8人のうち6人が、対象となった行為はハラスメントの要件に該当すると評価し、特別委員会もハラスメントに当たると判断しました。
その上で、本人から申入者への謝罪、本人への文書による指導、謝罪文の公表と読み上げ、議員としての自覚と再発防止策を含む改善案の提出、役職辞任勧告などを決定しました。単に注意して終わらせるのではなく、調査結果に応じて具体的な対応を決定する仕組みを設けた点は参考になります。特に、関係する議員個人の感情や人間関係ではなく、事前に整理した基準に基づいて対応を検討した点は評価できます。
再発防止策としては、ハラスメントに関する仕組みと具体的な対応手順を文書で定めること、軽微な段階から対応できるようにすること、第三者機関や外部弁護士の助言を受けられる仕組みを整えること、アンケートなどによって問題を早期に把握し、予防につなげることが提案されています。
今回の視察を通じて、議会のハラスメント対策は、条例や規程に禁止事項を定めるだけでは十分ではないと感じました。
また、視察時の質疑応答では、東かがわ市議会から、ハラスメント対策では制度そのものよりも実際に機能する仕組みを構築することが重要であり、その仕組みについても運用後にPDCAサイクルを回しながら継続的に改善していく必要があるとの説明がありました。そのため、将来の見直しや改正を迅速に行えるよう、当初から条例化しない方針で制度設計を進めたとのことでした。また、「ハラスメント対策の本質を十分に理解していない議会ほど、条例を作ること自体が目的になりやすい」との説明もあり、制度の形式よりも実効性を重視する考え方が強く印象に残りました。
実際に問題が生じた場合に備え、相談窓口、記録の残し方、事実確認の方法、調査を行う組織、関係者の秘密とプライバシーを守る方法、調査結果に応じた対応まで、あらかじめ具体的に定めておく必要があります。
特に、議長や議会内で強い影響力を持つ議員が当事者となる場合も想定しなければなりません。北名古屋市議会においても、議員が行政を監視し、必要な説明を求める役割を守りながら、議員と職員、議員同士、議員と市民との間で生じ得るハラスメントに、公平かつ適切に対応できる制度を整える必要があります。
相談した人や調査に協力した人が不利益を受けないこと、秘密が守られること、事案の内容に応じて公平な調査が行われることを明確にする必要があります。あわせて、定期的な研修や実態把握を行い、問題が深刻になる前に気付き、対応できる仕組みを整えることが、市民から信頼される議会づくりにつながると考えます。
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ホーム>政党・政治家>ひろた 幸治 (ヒロタ コウジ)>東かがわ市への視察(議会ハラスメント対策)