2026/6/7
「お父さん、エアコンつけてよ」——そう声をかけても「もったいない」「そんなに暑くない」と言って使わない。そんなご経験はありませんか。
実は、熱中症で亡くなる方の約8割は65歳以上の高齢者です(東京都監察医務院・令和3年夏のデータ)。しかも屋内で亡くなった方のうち、約9割はエアコンを使用していませんでした。

この記事では、高齢者が熱中症にかかりやすい理由と、家族も一緒に確認しておきたい予防策をまとめました。
目次
出典:厚生労働省・環境省・経済産業省|高齢者のための熱中症対策(2023年5月版)
体内の水分量は年齢とともに減少します。小児で約75%、成人で約60%なのに対し、高齢者では約50%しかありません。さらに老廃物を排出するためにたくさんの尿を必要とするため、脱水状態になりやすい体質です。
加齢により、暑さやのどの渇きに対する感覚が鈍くなります。「暑くない」「水は飲みたくない」という感覚自体が、すでに危険なサインである場合があります。
高齢者は体に熱がたまりやすく、暑い時には若年者よりも循環器系への負担が大きくなります。汗をかく機能も低下しており、体温を下げる力が弱まっています。
心臓や腎臓の疾患をお持ちの方・持病がある方は、水分・塩分の摂取量についてかかりつけ医にご相談ください。
熱中症は屋外だけの問題ではありません。東京都23区の令和3年夏のデータでは、熱中症死亡者(屋内)のうち約9割がエアコンを使用していませんでした。
| エアコンの状況 | 割合 |
|---|---|
| エアコンあり・使用していなかった | 76% |
| エアコン自体がなかった | 18% |
| エアコンあり・使用していた | 6% |
エアコンはあっても使わなければ意味がありません。「もったいない」「電気代が心配」という気持ちはわかりますが、適切な室温管理が命を守ります。節電に配慮しながらも、適切に使うことが大切です。
熱中症は室内・夜間でも多く発生します。以下のポイントを意識してください。
のどが渇いていなくても、こまめに水分と塩分を補給することが大切です。
| タイミング | 内容 |
|---|---|
| 1日の目安 | 1.2リットル(コップ約6杯分) |
| 日中の補給 | 1時間ごとにコップ1杯 |
| 起床後 | まず水分・塩分を補給する |
| 入浴前後 | 必ず水分・塩分を補給する |
水分・塩分の摂取量は、持病や服薬状況によって異なります。心臓・腎臓の疾患がある方はかかりつけ医の指示に従ってください。
以下の項目を、ご本人・ご家族で確認してみてください。
「親が心配だけど、なかなか言うことを聞いてくれない」——そんな悩みを抱える方も多いと思います。この記事を、ご家族への声かけのきっかけにしていただければ幸いです。
地域の高齢者を暑さから守る仕組みについても、皆さんのご意見をお聞かせください。
著者プロフィール
角谷尚哉(かくたに なおや)/医学博士・理学療法士
株式会社Health Link 代表取締役。心臓リハビリテーションの普及と医療・介護分野の人材育成に取り組む。札幌医科大学附属研究連携推進機構 客員講師として大学発スタートアップの起業支援にも携わる。国民民主党北海道 札幌市豊平区 政策委員。2027年札幌市議会議員選挙(豊平区)に向けて活動中。「全世代の健康を支えるまちづくり」を政策の軸に、医療・介護・子育て・働き方など、市民生活に直結するテーマで情報発信を続けている。
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カクタニ ナオヤ/38歳/男
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