2026/5/30
私はモールドベース製造の仕事をしています。
金型の世界では、「ベース」はただの土台ではありません。
どれだけ精密な加工をしても、どれだけ良い部品を組み込んでも、
ベースが雑だと全体がズレてしまう。
だから現場では、目立たない部分ほど大切にします。
見えない部分こそ、全体を支えているからです。
私は最近、大阪のインフラにも同じことを感じています。
大阪は「なにわ八百八橋」と呼ばれる、水の都です。
実際、大阪市が管理する橋は763橋あります。
しかし、そのうち橋齢50年以上の橋は約61%。
全国平均の42%を大きく上回っています。
さらに、戦前に建設され、80年以上経過している橋も約100橋あります。
橋だけではありません。
大阪は全国でも早く都市化した都市だからこそ、水道管や下水管、
公共施設も、他地域より早く老朽化が進んでいます。
もちろん、万博や再開発のような未来への投資も必要です。
大阪に勢いをつくることも大切だと思います。
ただ、現場感覚で考えると、どうしても気になるのです。
ベースの更新が追いつかないまま、その上に新しいものを積み上げて、本当に大丈夫なのか。
現場では、ベースを後回しにしません。
なぜなら、後から一番大きな問題になるのは、たいていベース部分だからです。
インフラも同じです。
橋や水道管は、普段は意識されません。
でも、暮らしを止めずに支えているのは、そうした“見えないベース”です。
大阪の強さは、派手な開発だけではないと思っています。
人を支えること。
街を支えること。
そして、目立たない部分を丁寧に維持してきたこと。
私はそこに、本当の大阪らしさがあると感じています。
ものづくりでも街づくりでも、強いものには共通点があります。
それは、ベースを軽視しないことです。
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ナカガワ タカユキ/47歳/男
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