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おおさわ あつし ブログ

日本人はなぜ株を買わないのか

2026/5/2

衝撃的な数字があります。

日本人の家計金融資産に占める株式の割合——約10%。
アメリカ人は——約36%。

同じ先進国なのに——株式への投資割合が3倍以上違う。

なぜ日本人は株を買わないのか。今日は金融業界出身の私が、正直に分析します。

 

理由①「株で損した」という集合的トラウマ

日本人が株を買わない最大の理由——**バブル崩壊のトラウマ**です。

1989年、日経平均株価は史上最高値の38,915円をつけました。

そして1990年代——バブルが崩壊。株価は暴落し、多くの日本人が大きな損失を被りました。

「株で家を失った」「老後の貯金が消えた」——この記憶が、日本人の集合的なトラウマになっています。

「株は怖い」「株は博打だ」——この感覚は、バブル崩壊を経験した世代から子どもへ、孫へと受け継がれています。

でも——冷静に考えてください。

バブル崩壊から35年が経ちました。2026年、日経平均株価は史上最高値を遥かに更新しています。

「株は長期的に上がる」——これが歴史の答えです。

 

理由②「元本保証」という呪縛

日本人は——「元本保証」という言葉に異常に弱い。

銀行預金は元本保証。郵便貯金は元本保証——「絶対に減らない」という安心感が、日本人の投資行動を縛っています。

でも前の記事で書いた通り——普通預金金利は約0.3%。インフレ率が2〜3%の今、銀行に預けるだけでお金の価値は実質的に目減りしています。

「元本保証=安全」という呪縛が——実は日本人の資産を静かに蝕んでいます。

「減らさない」ことに執着するあまり——「増やす」機会を逃し続けている。これが日本人の資産形成の最大の問題です。

 

理由③ 学校で教えてもらえなかった

日本の学校教育——株式投資をほとんど教えません。

「株とは何か」「なぜ株価は上がるのか」「どうやって株を買うのか」——これらを学校で教わった日本人は、ほとんどいません。

知らないから怖い。怖いから買わない——この悪循環が、日本人の株離れを生んでいます。

アメリカでは——高校の授業で株式投資の基本を学びます。「401k(確定拠出年金)」という制度で、若いうちから投資に慣れる仕組みがある。

「知っている」か「知らない」か——これだけで、人生の資産形成が根本から変わります。

 

理由④「投資=ギャンブル」という誤解

「株を買う」と言うと——「ギャンブルみたいで怖い」という反応をする人が多い。

でも——投資とギャンブルは根本的に違います。

ギャンブル——胴元が必ず利益を取る。長くやればやるほど負ける確率が上がる「マイナスサム」のゲーム。

投資——企業の成長に資金を提供する。企業が成長すれば投資家も利益を得る「プラスサム」のゲーム。

S&P500——過去100年間のデータを見ると、長期的に右肩上がりで成長し続けています。リーマンショック、コロナショック——様々な危機があっても、長期的には回復して成長してきた。

「投資=ギャンブル」という誤解が——日本人の資産形成を30年間阻んできました。

 

理由⑤「今が高値だから買えない」という心理

「今は株が高いから、下がってから買おう」——この心理が、多くの日本人を投資から遠ざけています。

でも——「いつが底か」は、誰にもわかりません。

プロの機関投資家でさえ、底を正確に当てることはできない。「下がってから買おう」と待っていれば——永遠に買えません。

解決策は——「積立投資」です。

毎月一定額を買い続けることで——高いときも安いときも平均的なコストで買える「ドルコスト平均法」の効果が生まれます。

「今が高値か安値か」を考える必要がない——積立投資こそが、日本人に最も合った投資方法です。

 

理由⑥「お金の話=品がない」という文化

前の記事でも書きましたが——日本では「お金の話をすること」がタブー視される文化があります。

「株をやっている」と言うと——「あの人は投機的な人だ」「お金に汚い人だ」というイメージを持たれることがある。

この文化が——「株を買いたくても、周りに言えない」という萎縮を生んでいます。

アメリカでは——「どの株を買ってる?」「401kに何%入れてる?」という会話が日常的に行われています。

お金の話をオープンにできる文化が——金融リテラシーを高め、資産形成を加速させます。

 

では——なぜ今、日本人は株を買い始めているのか

2024年——新NISAが始まり、日本人の株式投資への関心が急速に高まっています。

証券口座の開設数が急増。NISAの口座数が過去最高を更新——「投資元年」とも呼ばれています。

なぜ今、変化が起きているのか。

①新NISAという「後押し」
非課税で投資できる枠が大幅に拡大。「NISAなら始めやすい」という心理的ハードルの低下。

②物価上昇という「圧力」
インフレが進む中で「銀行に預けるだけではダメだ」という危機感が広がっている。

③SNSでの情報拡散
「新NISA始めました」「オルカン買いました」——SNSで投資の話題が当たり前になり、「自分も始めてみようか」という動きが広がっている。

「投資をしない日本人」から「投資をする日本人」へ——この転換が、今まさに起きています。

 

金融業界出身の私が思うこと

正直に言います。

「株は怖い」という感覚は——理解できます。バブル崩壊のトラウマ、元本保証への執着、学校で教わらなかった知識の欠如——これらが重なれば、株を怖いと感じるのは自然なことです。

でも——知識があれば、怖くなくなります。

長期・分散・積立——この3原則を守った投資は、ギャンブルではありません。時間を味方につければ、複利の力が資産を増やしてくれます。

「怖い」のは知らないから。知れば——怖くなくなります。

毎月3万円をS&P500インデックスファンドに積立投資。年利7%で30年運用すれば——約3,600万円。

銀行預金(金利0.3%)なら——約1,170万円。

その差——約2,430万円。これが「株を買う人」と「買わない人」の30年後の差です。

 

おわりに

日本人はなぜ株を買わないのか——バブル崩壊のトラウマ、元本保証への執着、学校で教わらない、投資=ギャンブルという誤解、今が高値という心理、お金の話=品がないという文化——複合的な理由が重なっています。

でも——変えられます。

新NISAを始める。オルカンかS&P500を毎月積み立てる。お金の話をオープンにする——これだけで、30年後の資産は根本から変わります。

「株を買わない日本人」から「株で資産を増やす日本人」へ——その第一歩を、今日踏み出してほしい。

 

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おおさわ あつし

おおさわ あつし

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肩書 一般社団法人日本外国人材振興機構 代表理事/JFRアカデミー(ネパール)校長
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