2026/8/3
先日、野暮用で青森県むつ市を訪れました。青森県庁職員時代以来、約8年ぶりの来訪です。

田名部神社から続く飲食店街に「神社横丁」(親富孝通り)
むつ市の推計人口は、2026年6月1日時点で47,715人。宮古市とほぼ同じ人口規模のまちです。
そんなむつ市で、最も印象に残ったのが飲食店街の活気でした。

もちろん、この賑わいをそのまま宮古市と比較することはできません。
むつ市近郊には自衛隊や原子力関連施設があり、それに伴う出張者が多いこと、さらに下北半島の中心都市として人が集まるという地域特性があり、また、日本三大霊場の一つである「恐山」という、全国的な知名度を誇る場所もあります。
それでも、宮古市内の居酒屋に携わる一人として、飲食店が軒を連ね、多くの人が行き交う光景には大きな活力を感じました。

ちょうど祭りの時期ということもあり、神社へ続く道には提灯が並び、夜遅くまで街には楽しそうな笑い声が響いていました。
宮古で言うところの「アウェーコ」(細い路地)も、雰囲気があって魅力的!
むつ市を歩きながら、私は改めて宮古市大通の価値について考えました。
宮古市大通の飲食店街は、岩手県沿岸でも有数の店舗数を誇り、昔ながらの路地や雰囲気が今も残る、魅力ある飲食店街です。
このような街並みは決して当たり前ではありません。沿岸地域を見渡しても、これほど飲食店が集積し、夜の街としての風情を残しているエリアは多くありません。
私は、この飲食店街そのものが宮古市の大切な地域資源であり、もっと市民にも観光客にも誇ってよい財産だと思っています。
しかし宮古市大通の飲食店街は、以前のような夜の賑わいを取り戻せていません。
その背景には、復興事業の終了に伴う出張者の減少や、Z世代を中心としたライフスタイルの変化などがあります。
つまり、飲食店が努力をしていないわけではありません。
むしろ、客船寄港日に合わせた「昼飲みフェスタ」を開催するなど、飲食店の皆さんは新たな交流を生み出そうと様々な挑戦を続けています。

私は以前から、「夜の賑わいは、地域の元気を映し出す鏡である」と考えています。
だからこそ、飲食店街だけを活性化しようとしても、本当の意味での解決にはなりません。
夜の賑わいは、原因ではなく結果だからです。
その結果を生み出すためには、人の流れを増やさなければなりません。
まず、飲食店街(宮古市大通)の振興に必要なのは、日帰りではなく宿泊を伴う観光を増やすことです。
宮古市には浄土ヶ浜という全国に誇れる観光資源があります。
しかし、何度も当ブログで触れているとおり、「浄土ヶ浜を見て帰る」日帰り観光だけでは夜の街に人は増えません。
「もう一泊したい」と思っていただける滞在型観光へ転換することが重要です。
参考記事1
宮古市内の宿泊施設の「債務整理」から考える、地域観光のこれから
参考記事2
「浄土ヶ浜頼み」からの脱却を —— 宮古観光の次なる一手
参考記事3
宮古市の海外誘客!今が勝負時
参考記事4
帝国データバンク(2026上半期、飲食店の倒産件数過去最多)
海外からの誘客についても、客船寄港だけに頼るのではなく、宿泊を伴う訪日外国人旅行者を着実に増やしていく必要があります。
もう一つ重要なのが産業振興です。
出張者の多さは、その地域の産業の活力を映す一つの指標でもあります。
企業活動が活発になれば、人が訪れ、宿泊し、飲食店街にも自然と人の流れが生まれます。
観光振興と産業振興は別々の政策ではなく、夜の賑わいという視点で見れば、一つにつながっているのです。
このように、私は居酒屋関係者ということもあり、地域振興を考えるとき、夜の賑わいから逆算して政策を考えることがあります。
宿泊客をどう増やすのか。
企業活動をどう活発にするのか。
そして、人が「泊まりたい」「歩きたい」と思える中心市街地をどうつくるのか。
その積み重ねの先に、飲食店街の賑わいがあり、地域経済の活力があります。
宮古市には、岩手県沿岸でも誇ることのできる飲食店街という財産があります。
この貴重な地域資源を未来へつないでいくためにも、観光振興、産業振興、そして交流人口・関係人口の拡大を一体的に進めながら、「泊まりたくなるまち」「歩きたくなるまち」を実現していきたい。
そんな思いを、むつ市の夜を歩きながら、改めて強く感じました。
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ホーム>政党・政治家>植田 収一 (ウエダ シュウイチ)>夜の賑わいから逆算する、宮古市の地域振興