2026/9/10
こんにちは。
福井市議会議員選挙に挑戦予定の大谷たかまさです。
これまで福井アリーナについて、民設民営の仕組み、公費投入、サンドーム福井との役割分担、交通問題、建設費、完成後の評価、そしてまちなかへの経済効果について考えてきました。
今回は少し視点を変えて、「福井アリーナは、普段の市民にとってどのような施設になるのか」について考えてみたいと思います。
プロスポーツやコンサートによって県外から人を呼び込むことは、アリーナの大きな目的です。
しかし、多額の公費を投入する以上、「イベントを見に行く人だけが恩恵を受ける施設にならないか」という視点も必要だと思います。
■ プロスポーツやコンサートだけの施設ではない
福井アリーナという名前から、
プロバスケットボールの試合。
有名アーティストのコンサート。
大規模なイベント。
こうしたものをイメージする方が多いと思います。
もちろん、それらは重要な用途です。
一方、現在の事業計画では、プロスポーツや興行だけでなく、県民・市民がスポーツなどで利用する時間も確保することが想定されています。
行政から支払われる「県民利用料」「市利用料」についても、こうした利用枠を確保するための対価という位置付けです。
つまり、「民間施設だけれど、公費を投入することで市民が利用できる時間も確保する」という考え方です。
■ 大切なのは「利用できます」ではなく「実際に利用できるか」
ここで私が重要だと思うのは、制度上、市民利用が可能であることと、実際に市民が気軽に利用できることは違うということです。
例えば、市民利用枠が確保されていても、
利用料金が高い。
予約が取りにくい。
利用できる時間帯が限られている。
土日や夜間はほとんど興行で埋まっている。
という状況であれば、一般の市民にとっては使いやすい施設とは言えません。
逆に、
地域のスポーツ大会。
学生の大会。
市民スポーツ。
地域イベント。
こうした用途で日常的に利用できるのであれば、市民にとっての価値は大きく変わります。
だから私は、単に、「市民利用もできます」という説明だけではなく、年間何日程度を市民利用に充てるのかまで具体的に示すことが大切だと思います。
■ 市民利用と興行は、時には競合する
これは民設民営だからこそ難しい問題でもあります。
民間企業がアリーナを運営する以上、当然、収益を確保しなければ事業は続きません。
例えば土曜日の夜に、
プロスポーツの試合を開催する。
人気アーティストのコンサートを開催する。
市民スポーツ大会を開催する。
この三つを比較すれば、施設運営側にとって収益性が高いイベントを優先したいという判断は当然あり得ます。
これは民間企業として悪いことではありません。
むしろ、民設民営である以上、事業として自立してもらわなければ困ります。
しかし一方で、行政は公費を投入しています。
だからこそ、「民間事業としての収益性」と「市民が利用できる公共性」をどう両立させるのかという問題が出てきます。
ここは福井アリーナの非常に重要なポイントだと思います。
■ 公費を投入する理由の一つが「公共性」なら
第2回の記事では、なぜ民間施設である福井アリーナに公費を投入するのかを考えました。
交流人口の拡大。
地域経済への波及。
スポーツ振興。
まちなかのにぎわい。
こうした公共的な効果が期待されているからこそ、行政が支援するわけです。
その中には当然、県民・市民が利用できるスポーツ環境の充実という意味もあります。
だからこそ、市民利用については、
何日確保されたか。
何人が利用したか。
どのような団体が利用したか。
利用料金はいくらだったか。
予約を希望しても利用できなかったケースはどの程度あったか。
こうしたことを完成後に検証してほしいと思います。
■ 「利用者数」だけでは分からないこともある
例えば年間10万人の市民が利用したとします。
数字だけを見れば、多くの人が利用しているように見えます。
しかし、その10万人の大半が大規模なスポーツ大会の観客だった場合と、地域のさまざまなスポーツ団体や市民が実際に競技スペースを利用した場合では意味が違います。
ですから、「何人利用したか」だけではなく、「どのように利用されたか」を見る必要があります。
子どもから高齢者まで利用できているのか。
特定の競技だけに偏っていないか。
学校や地域団体が使えているのか。
障がいのある方も利用しやすい施設になっているのか。
こうした視点も公共性を考える上では重要です。
■ 既存の体育施設との役割分担も必要
そして、もう一つ考えなければならないのが既存施設との関係です。
福井市には、すでに体育館やさまざまなスポーツ施設があります。
新しいアリーナができたからといって、市民スポーツをすべてアリーナへ集めればよいわけではありません。
むしろ、
大規模大会はアリーナ。
日常的な練習は既存体育館。
地域活動は地域の施設。
というように、それぞれの特徴を生かした役割分担が必要です。
新しい施設を造る一方で、既存施設が使われなくなり、維持管理費だけが残る。
そんなことになれば、市全体で見た施設運営が効率的とは言えません。
■ 「アリーナを使わない人」にも価値があるか
私は、この視点も非常に大切だと思っています。
市民全員がバスケットボールを見るわけではありません。
コンサートへ行かない人もいます。
スポーツをしない人もいます。
それでも税金は広く市民から集められています。
だからこそ、アリーナへ一度も入らない人にも、何らかの形で利益が波及することが重要です。
県外から来た人が市内でお金を使う。
飲食店の売上が増える。
宿泊者が増える。
新しい雇用が生まれる。
まちなかの店舗が増える。
公共交通が便利になる。
そうした効果が広く市民へ波及すれば、「自分はアリーナを使わないけれど、地域にとって意味のある施設だ」と考えることもできます。
逆に、利用する一部の人だけが恩恵を受け、その他の市民には公費負担だけが残るのであれば、行政支援の説明は難しくなります。
■ 市民利用は「おまけ」ではない
福井アリーナは民設民営です。
だから、民間事業としてしっかり利益を出し、長く運営されることは非常に重要です。
しかし、公費も投入されます。
その以上、市民利用は、民間興行の空いた時間に使わせてもらう「おまけ」であってはいけないと思います。
民間事業としての収益性。
県外から人を呼び込む集客力。
市民が利用できる公共性。
この三つをどう両立させるのか。
ここに民設民営型アリーナの難しさがあり、同時に可能性もあるのだと思います。
■ 完成後に市民へ数字を示してほしい
私は福井アリーナが完成した後、毎年でも市民に分かりやすい形で実績を示してほしいと思います。
例えば、
年間の興行開催日数。
プロスポーツ開催日数。
県民・市民利用日数。
利用者数。
利用料金。
施設の収支。
行政が支払った金額。
こうした情報が公開されれば、市民自身が、「公費を投入するだけの公共的な価値がある施設になっているか」を判断できます。
アリーナは完成した瞬間に評価が決まるものではありません。
10年、20年と使われていく中で、その価値が問われ続ける施設です。
だからこそ、「造るべきか、造らないべきか」という議論だけではなく、「完成した施設を、どうすれば市民にとって価値のあるものにできるのか」という議論も必要だと思います。
福井アリーナが、プロスポーツやコンサートを楽しむ人だけの施設ではなく、
市民スポーツ。
地域経済。
まちづくり。
交流人口。
さまざまな形で福井市民に利益をもたらす施設になる。
多額の公費を投入するのであれば、私はそこまで目指してほしいと思います。
本日もよろしくお願いいたします。
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ホーム>政党・政治家>大谷 たかまさ (オオタニ タカマサ)>【第8回】福井アリーナは、市民にとって「使える施設」になるのか