2026/9/9
こんにちは。
福井市議会議員選挙に挑戦予定の大谷たかまさです。
これまで福井アリーナについて、
第1回では「民設民営」という基本的な仕組み。
第2回では「なぜ公費を投入するのか」。
第3回では「サンドーム福井との役割分担」。
第4回では「周辺道路の渋滞」。
第5回では「建設費がどこまで増えてよいのか」。
第6回では「完成後に何をもって成功とするのか」。
という順番で考えてきました。
今回は、福井アリーナを整備する大きな目的の一つである、「まちなかのにぎわい創出」について考えてみたいと思います。
アリーナに何千人もの人が集まれば、当然まちはにぎわうように思えます。
しかし、本当にそうでしょうか。
私は、「アリーナに人が来ること」と「まちがにぎわうこと」は、似ているようで少し違うと思っています。
■ 5,000人が来れば、まちはにぎわうのか
福井アリーナは、プロスポーツ開催時で約5,000席、コンサート開催時で約4,500席の規模が想定されています。
満員になれば、一度に数千人が福井駅周辺へやって来ることになります。
確かに大きな人の流れです。
しかし、例えば、
福井駅に到着する。
そのままアリーナへ向かう。
イベントを見る。
終了後、そのまま駅へ戻って帰る。
これだけであれば、アリーナ自体はにぎわっても、周辺の商店や飲食店への効果は限定的です。
逆に、
イベント前に駅前で食事をする。
買い物をする。
イベント終了後に居酒屋へ行く。
ホテルに泊まる。
翌日は市内や県内を観光する。
こうした行動につなげることができれば、アリーナへ来た人たちの消費がまちなかへ広がっていきます。
つまり重要なのは、「何人来たか」ではなく、「来た人にまちをどう回遊してもらうか」なのだと思います。
■ アリーナの入口だけがにぎわっても意味がない
大規模施設によるまちづくりを考えるとき、私はここが非常に重要だと思っています。
例えば年間39万人がアリーナを訪れたとしても、その人たちがアリーナと福井駅の間を往復するだけなら、経済効果は限られた場所に集中します。
一方で、
駅前。
片町。
浜町。
新栄商店街。
足羽川周辺。
さらには市内の観光地。
こうした場所へ人の流れを広げることができれば、アリーナの効果はより大きくなります。
だからこそ、アリーナを造ることと、まちづくりをすることは同じではありません。
アリーナは人を呼ぶ「きっかけ」にはなります。
その人たちをまちへ送り出す仕組みは、別に作らなければなりません。
■ 「イベントの前後」をどう使ってもらうか
例えばコンサートが18時から始まるとします。
県外から来る人に、「せっかくだから昼過ぎに福井へ行こう」と思ってもらえるか。
そしてイベント終了後に、「もう少し福井で過ごしてから帰ろう」と思ってもらえるか。
ここが非常に重要です。
そのためには、アリーナだけではなく、
飲食店。
商店街。
ホテル。
公共交通。
観光施設。
行政。
イベント主催者。
こうした人たちが連携する必要があります。
例えばイベントチケットを提示すると周辺店舗でサービスを受けられる。
試合の日には商店街でも関連イベントを開催する。
福井駅に到着した人へ周辺飲食店や観光地を案内する。
イベント終了時間に合わせて飲食店が営業時間を調整する。
こうした小さな仕組みの積み重ねによって、アリーナの集客力を地域経済へつなげることができます。
■ 「人がいる」と「地域にお金が落ちる」は違う
第2回の記事では、福井アリーナについて年間約61億円の経済波及効果が想定されていることをご紹介しました。
しかし、経済効果を本当に生み出すには、来場者が福井で消費する必要があります。
例えば県外から5,000人が来ても、一人1,000円しか使わない場合と、一人1万円使う場合では地域への効果は大きく違います。
さらに宿泊してもらえれば、その効果は大きくなります。
だから私は、完成後に、来場者数だけを成果として発表するのでは不十分だと思っています。
県外から何人来たのか。
平均でいくら消費したのか。
何人が宿泊したのか。
どの地域を訪れたのか。
こうしたことまで調べて初めて、「まちなかへの効果」を評価できると思います。
■ 福井駅から徒歩圏内だからこそ可能性がある
福井アリーナの大きな特徴の一つは、福井駅から徒歩圏内に計画されていることです。
これは非常に大きな可能性を持っていると思います。
郊外型の施設の場合、イベントが終われば駐車場から車に乗って、そのまま帰宅してしまうことも多くなります。
しかし徒歩で移動する施設であれば、人は必ずまちの中を歩きます。
その途中に、
「ちょっと入ってみよう」と思える飲食店やお店がある。
イベント終了後にも立ち寄れる場所がある。
歩いていて楽しい空間がある。
そうした環境をつくることができれば、
アリーナへ向かうための徒歩8分が、まちで消費してもらうための時間に変わります。
この立地をどこまで生かせるかが重要だと思います。
■ 行政だけでは、にぎわいはつくれない
一方で、行政が、「アリーナを造りました。あとは民間の皆さん頑張ってください」でもうまくいかないと思います。
逆に、行政がすべて企画して、行政主導でイベントを繰り返すだけでも持続しません。
大切なのは、アリーナによって生まれる人の流れを、民間の商売につなげることです。
行政の役割は、
道路や歩行空間を整える。
公共交通を使いやすくする。
民間同士をつなぐ。
必要な情報を提供する。
規制や制度上の障壁があれば見直す。
といった、民間が動きやすい環境をつくることだと思います。
そして飲食店やホテル、商店などが、「アリーナに人が来るなら、こんな商売ができる」と自ら考え、投資する。
この循環が生まれて初めて、持続的なにぎわいになるのではないでしょうか。
■ アリーナがない日にも人がいるまちにできるか
さらに重要なのは、イベントがない日です。
アリーナで大きなイベントが開催される日は、人が集まるでしょう。
しかし年間365日、毎日大規模イベントを開催するわけではありません。
イベントの日だけ人が押し寄せ、翌日は誰もいない。
それでは、本当の意味での中心市街地活性化とは言えないと思います。
アリーナをきっかけに新しい飲食店や店舗が生まれる。
人が歩くようになる。
公共交通を利用する人が増える。
「福井駅周辺へ行けば何かある」と思ってもらえる。
そうした変化がイベントのない日にも残る。
私は、そこまでつながれば福井アリーナのまちづくりとしての価値はかなり大きくなると思います。
■ アリーナは「にぎわいを生む装置」ではなく「きっかけ」
福井アリーナについて、「アリーナができれば福井駅周辺がにぎわう」という説明を聞くことがあります。
私は、もう一段踏み込んで考える必要があると思っています。
アリーナそのものが自動的にまちを活性化してくれるわけではありません。
アリーナには、人を集める力があります。
しかし、その人たちを地域経済へつなげられるかどうかは、アリーナの外側の取り組みにかかっています。
だから私は、アリーナへの来場者数だけではなく、
周辺店舗の売上。
宿泊者数。
県外客の消費額。
まちなかの歩行者数。
イベント前後の滞在時間。
新規出店数。
こうした数字も継続的に見ていく必要があると思います。
■ 「アリーナができた」ではなく「まちがどう変わったか」
福井アリーナには多額の民間資金と公費が投入されます。
それだけに、「立派なアリーナが完成しました」だけで終わってはいけません。
アリーナができたことで、
福井駅周辺を歩く人が増えた。
飲食店の利用が増えた。
宿泊者が増えた。
新しい店が生まれた。
公共交通を利用する人が増えた。
そして、福井のまちそのものを楽しむ人が増えた。
そうした変化まで生み出せるか。
私は、そこまで見て初めて「にぎわい創出に成功した」と言えるのだと思います。
福井アリーナを単独の建物として考えるのではなく、「アリーナに集まった数千人を、どうやって福井のまちへ送り出すのか」という視点で考える。
アリーナの成否を決めるのは、建物の中だけではありません。
むしろ、建物の外で何が起きるのか。
そこが非常に重要なのではないでしょうか。
本日もよろしくお願いいたします。
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ホーム>政党・政治家>大谷 たかまさ (オオタニ タカマサ)>【第7回】福井アリーナは、本当に「まちなかのにぎわい」につながるのか