2026/9/6
こんにちは。
福井市議会議員選挙に挑戦予定の大谷たかまさです。
福井アリーナについて市民の方とお話ししていると、これもよく聞く意見があります。
「イベントのたびに周辺道路が渋滞したら困る」というものです。
これは、周辺に住んでいる方にとって非常に現実的な心配だと思います。
アリーナができることで福井駅周辺に人が集まり、にぎわいが生まれる。
その一方で、何千人もの来場者が一斉に車で訪れれば、生活道路が混雑し、違法駐車や送迎車両の集中が起きる可能性もあります。
今回は、福井アリーナの交通対策について、現在示されている考え方を整理しながら考えてみたいと思います。
■ 福井アリーナには大規模な来場者用駐車場をつくらない
まず、福井アリーナの交通計画には大きな特徴があります。
それは、アリーナ敷地内に一般来場者向けの大規模駐車場を整備しないという考え方です。
福井市の地元説明会資料では、東公園が福井駅から徒歩圏内にある交通利便性の高い場所であることから、敷地内に来場者用駐車場を設けず、徒歩での来場を基本とする考え方が示されています。
福井アリーナの公式情報でも、福井駅から建設予定地までは徒歩約8分、約650メートルとされています。
つまり、「車でアリーナの目の前まで来てもらう施設」ではなく、「福井駅まで公共交通で来てもらい、そこから歩いてもらう施設」として計画されているわけです。
■ サンドーム福井とは、交通の考え方がかなり違う
ここはサンドーム福井との大きな違いでもあります。
サンドーム福井には、周辺に約1,400台の無料駐車場があり、大規模イベント時には主催者が約700台の臨時駐車場を設ける場合もあります。
つまり、サンドーム福井は自動車での来場をかなり受け入れる構造です。
一方の福井アリーナは、福井駅徒歩圏という立地を生かして、できるだけ自動車そのものを会場周辺へ近づけないという発想になっています。
これは単に駐車場をつくらないという話ではありません。
人を福井駅へ集め、そこから歩いてもらうことで、
駅前のお店へ立ち寄る。
飲食する。
まちなかを歩く。
という流れを生み出す狙いともつながっています。
■ しかし「駐車場をつくらない=渋滞しない」ではない
ここで私は、一つ注意が必要だと思っています。
来場者用駐車場をつくらなければ、自動的に渋滞がなくなるわけではありません。
福井県は自動車への依存度が高い地域です。
県内からイベントへ来る方の中には、「福井駅まで公共交通で行くより車の方が便利」という方も多いでしょう。
そのとき、
アリーナには駐車できない。
でも車で行きたい。
となれば、
駅周辺の駐車場を探す。
周辺住宅地へ入り込む。
家族に送迎してもらう。
路上で乗り降りする。
という行動が増える可能性があります。
つまり、アリーナに駐車場をつくらないことは、交通対策のスタートであって、ゴールではないと思います。
■ 本当に重要なのは「どうやって車を減らすか」
例えば4,500人が参加するコンサートを考えてみます。
仮に全員が2人ずつ車に乗って来れば、2,000台を超える車が動くことになります。
一方、多くの来場者が鉄道、バス、徒歩で来れば、道路への負荷は大幅に減ります。
つまり交通対策で本当に重要なのは、「駐車場を何台つくるか」ではなく、「来場者の何割を公共交通へ誘導できるか」ということです。
これはアリーナ完成後の運営にも関わります。
イベント主催者と鉄道会社が連携する。
臨時列車を運行する。
バスを増便する。
パーク・アンド・ライドを用意する。
チケット購入時から公共交通での来場を案内する。
こうした対策を組み合わせなければなりません。
サンドーム福井でも、大型コンサート時には主催者によるシャトルバス運行や、公共交通利用への呼び掛けが行われています。
福井アリーナでは、さらに公共交通中心の運営が求められることになります。
■ 「送迎車」の問題も軽視できない
私は、駐車場だけでなく送迎車両についても考える必要があると思います。
例えばコンサート終了時。
数千人が同じ時間に会場を出ます。
そのとき、
「家族に迎えに来てもらおう」
「タクシーを呼ぼう」
という人が大量に出れば、会場周辺に車が集中します。
駐車しなくても、乗降のために数分停車する車が何百台もあれば道路は混雑します。
だからこそ、
どこでタクシーへ乗るのか。
一般送迎車はどこで待機するのか。
バスはどこから発着するのか。
歩行者と車両をどう分離するのか。
ここまで事前に設計する必要があります。
■ 周辺住民だけに負担を押し付けてはいけない
そして、この問題で最も大切なのは周辺住民の生活です。
アリーナが福井全体にもたらす経済効果がどれだけ大きくても、
毎週のように自宅周辺が渋滞する。
自宅前に違法駐車される。
車庫から車を出せない。
夜間に人が大量に歩く。
ごみが捨てられる。
ということになれば、近隣住民にとっては大きな負担です。
私は、「福井全体のためになるのだから、周辺の人には我慢してもらえばいい」という考え方には賛成できません。
アリーナによる利益を広く享受するのであれば、そのために発生する負担も可能な限り地域全体で軽減する必要があります。
■ 完成前に「交通シミュレーション」を示してほしい
私は、行政や事業者には、完成前の段階でできるだけ具体的な交通計画を市民へ示してほしいと思っています。
例えば、
満員時に何人が来場すると想定しているのか。
そのうち何%が鉄道利用なのか。
何%が車なのか。
駅周辺の駐車場で吸収できるのか。
どの交差点に交通が集中するのか。
イベント終了後、何分程度で人や車が分散するのか。
こうしたことは、ある程度シミュレーションできるはずです。
そして完成後には、実際の交通量と比較する。
想定以上に渋滞したのであれば、対策を修正する。
この繰り返しが重要です。
■ 「車社会の福井」で公共交通型アリーナは成立するのか
福井アリーナの交通計画には、もう一つ大きな意味があると思います。
それは、車社会の福井で、「公共交通を使ってイベントへ行く」という行動をどこまで定着させられるのかという挑戦です。
福井駅から徒歩8分という場所にアリーナを置く以上、その立地を生かせなければ意味がありません。
県外客だけでなく、県内客にも鉄道やバスを使ってもらう。
イベントの前後には駅周辺で食事や買い物をしてもらう。
そして公共交通の利用者そのものを増やす。
もしここまで実現できれば、アリーナは単なるイベント施設ではなく、福井の交通やまちづくりを変えるきっかけにもなります。
逆に、「結局みんな車で来て、周辺の駐車場を探し回る」ということになれば、この立地のメリットを十分に生かせません。
■ 渋滞は「できてから考える」では遅い
福井アリーナが完成したあと、
「想定以上に渋滞しました」
「近隣住民から苦情が出たので対策します」
では遅いと思います。
交通問題は、建物の設計と同じ段階から考えるべき問題です。
私は福井アリーナについて、「渋滞するか、しないか」という二択だけで考えるのではなく、「何台の車が来ても耐えられるのか。そして、どうやってそもそもの車の台数を減らすのか」という視点で議論すべきだと思っています。
福井駅徒歩圏という立地は、大きな強みです。
しかし、その強みを生かすには、
鉄道。
バス。
徒歩。
自転車。
タクシー。
送迎車。
駐車場。
これらを一つの交通システムとして設計する必要があります。
そして、その結果として周辺住民の日常生活を守る。
そこまでできて初めて、「まちなかにアリーナをつくる意味」が生まれるのではないでしょうか。
本日もよろしくお願いいたします。
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ホーム>政党・政治家>大谷 たかまさ (オオタニ タカマサ)>【第4回】福井アリーナができたら、周辺道路は渋滞しないのか