2026/9/5
こんにちは。
福井市議会議員選挙に挑戦予定の大谷たかまさです。
福井アリーナについて市民の方とお話ししていると、よく聞く疑問があります。
「福井県にはサンドーム福井があるのに、なぜ新しいアリーナが必要なのですか?」というものです。
確かに、サンドーム福井ではこれまで数多くの有名アーティストのコンサートやイベントが開催されてきました。
現在も福井県を代表する大型イベント施設です。
そこへ新たに福井アリーナを整備するとなれば、
「同じような施設を二つ造ることにならないのか」
「イベントの奪い合いにならないのか」
と疑問を持つのは当然だと思います。
今回は、両施設の違いを整理しながら、この問題を考えてみたいと思います。
■ サンドーム福井は約9,000席の大型施設
まず、サンドーム福井について確認してみます。
サンドーム福井は1995年に開館した福井県の産業振興施設です。
イベントホールは直径116メートル、高さ55メートル、展示面積8,000平方メートルで、9,000席の観客席を持っています。
これまで世界体操選手権をはじめ、展示会や大規模コンサートなど、さまざまなイベントに利用されてきました。
現在でも有名アーティストの全国ツアーが開催されるなど、福井県にとって非常に重要な施設です。
このサンドーム福井が既にある。
だから、「なぜさらにアリーナが必要なのか」という疑問が生まれるわけです。
■ 福井アリーナは4,500~5,000人規模
一方、現在計画されている福井アリーナは、サンドーム福井より小さい施設です。
計画では、
プロスポーツ開催時が約5,000席。
コンサート開催時が約4,500席。
となっています。
また、メインアリーナだけでなくサブアリーナも設け、プロスポーツや各種大会などにも対応する計画です。
つまり、
サンドーム福井=約9,000席
福井アリーナ=約4,500~5,000席
で、そもそも狙っている規模が異なります。
■ 行政側は「市場が違う」と説明している
では、本当に競合しないのでしょうか。
この点については、福井県議会でも議論されています。
県は、経済界がプロモーターなどへ行った需要調査をもとに、5,000人未満の施設で公演実績があるアーティストは約960組、5,000人以上を集客できるアーティストは約440組として、対象となる市場が異なると説明しています。
また、福井アリーナ側も、サンドーム福井が8,000~1万人程度、福井アリーナが4,000~5,000人程度となるため、コンサートやイベントのニーズが異なるという考え方を示しています。
簡単に言えば、
大規模な公演はサンドーム福井。
中規模の公演は福井アリーナ。
という役割分担を想定しているわけです。
■ 大きな会場を小さく使えばいいのでは?
ここで、「それなら4,000人のコンサートをサンドーム福井で開催すればいいのでは?」という疑問も出てきます。
私も、この疑問はもっともだと思います。
しかし、大きな会場を小規模なイベントで利用する場合、会場の設営や使用に必要な経費が大きくなり、興行として成立しにくくなることがあります。
県も県議会で、5,000人程度の催事をサンドーム福井で開催すると、会場のしつらえなどで経費がかさむ可能性があると説明しています。
仮に4,000人しか集められないアーティストにとって、9,000席規模の施設を借りることが採算上難しいのであれば、「福井では開催しない」という判断になる可能性があります。
4,000~5,000人規模の施設をつくる意味は、サンドーム福井で開催しているイベントを奪うことではなく、これまで福井では開催しにくかった規模のイベントを呼び込むこと
にあるというのが、現在示されている考え方です。
■ もう一つ大きく違うのが「立地」
そして、両施設には規模以外にも大きな違いがあります。
それが立地です。
サンドーム福井は丹南地域にあります。
一方、福井アリーナの計画地は福井市東公園内で、福井駅から徒歩圏内です。
これは単なる場所の違いではありません。
例えば県外からコンサートへ来た人が福井駅に到着する。
歩いてアリーナへ行く。
イベント終了後に駅周辺で食事をする。
ホテルに泊まる。
翌日に観光する。
こうした人の流れをつくることが、福井アリーナの目的の一つになっています。
福井アリーナのコンセプトでも、「まちに開かれまちとつながる地域交流拠点」として、アリーナからまち全体へにぎわいを広げることが掲げられています。
つまり福井アリーナは、イベントを開催する建物そのものだけではなく、福井駅周辺のまちづくりとセットで考えられている施設でもあります。
■ プロスポーツの本拠地という役割もある
もう一つ、サンドーム福井との大きな違いがあります。
福井アリーナは、福井ブローウィンズなどのプロスポーツを開催することを想定した施設です。
計画では、メインアリーナにバスケットボールコート2面を設けることができ、約5,000席の観客席に加えて、BOX席やスイートラウンジ、メディア関連設備なども整備する予定です。
つまり、「コンサート会場をもう一つ造る」というだけの計画ではありません。
プロスポーツ。
コンサート。
各種スポーツ大会。
市民利用。
地域交流。
こうした複数の用途を組み合わせることが想定されています。
■ だから「重複していない」と言い切っていいのか
ここまでを見ると、「それならサンドーム福井とは完全に別物なのではないか」と思うかもしれません。
しかし、私はそこまで単純に結論を出す必要もないと思っています。
収容人数が違っても、イベント市場が完全に分離されるとは限りません。
例えば5,000人前後を集客できるイベントであれば、どちらの施設でも開催できる可能性があります。
また、福井県の人口規模を考えれば、二つの大型施設が年間を通じて十分なイベントを確保できるのかという疑問も残ります。
実際、県議会でも、「収容人数が違うというだけで、本当に競合しないと言えるのか」という趣旨の議論が行われています。
私は、この疑問は重要だと思います。
■ 本当に必要なのは「競争」ではなく「役割分担」
大切なのは、「福井アリーナか、サンドーム福井か」という二者択一にすることではないと思います。
福井県には、すでに全国ツアーを誘致できるサンドーム福井という大きな財産があります。
その価値を落としてまで新しい施設をつくるのであれば、本末転倒です。
新しい福井アリーナを整備するのであれば、
サンドーム福井では取り込めなかった4,000~5,000人規模のイベントを新たに福井県へ呼び込む。
そして、サンドーム福井はより大規模なコンサートやイベントを担う。
このような役割分担が実際に成立することが重要です。
二つの施設が同じイベントを奪い合うのではなく、福井県全体として誘致できるイベントの幅を広げられるか。
ここが評価のポイントになると思います。
■ 完成後にこそ検証してほしい
そして私は、アリーナが完成した後にぜひ検証してほしいことがあります。
福井アリーナで開催されたイベントのうち、これまで福井県では開催できなかったものがどれだけあったのか。
福井アリーナの開業によって、県内のイベント開催数そのものが増えたのか。
それとも、サンドーム福井で開催されていたイベントが福井アリーナへ移っただけなのか。
サンドーム福井の稼働率や利用者数に影響はなかったのか。
こうした数字を確認すれば、本当に「すみ分け」ができたのかが分かります。
新しい施設をつくったこと自体を成果にするのではなく、当初説明していた効果が本当に実現したのかまで検証する。
私は、そこまでが行政の仕事だと思います。
■ 「サンドームがあるから不要」だけでは判断できない
福井アリーナについて、「サンドーム福井があるのだから必要ない」という意見があります。
一方で行政や事業者側は、「施設規模も役割も異なる」と説明しています。
私は、この問題についても、どちらか一言だけで結論を出すのではなく、具体的な数字を見ることが大切だと思います。
サンドーム福井は約9,000席。
福井アリーナは約4,500~5,000席。
そして福井アリーナには、プロスポーツの拠点や福井駅周辺のにぎわい創出という別の目的もあります。
確かに違いはあります。
しかし、「違いがあること」と「二つの施設がともに十分な需要を確保できること」は別問題です。
だからこそ、行政には「すみ分けできます」という説明だけで終わらず、
どの市場を狙うのか。
どの程度のイベント需要があるのか。
サンドーム福井への影響をどう考えているのか。
そして完成後にどう検証するのか。
そこまで市民へ示してほしいと思います。
福井アリーナが、サンドーム福井とイベントを奪い合う施設になるのか。
それとも、これまで福井県が取り込めなかったイベントを呼び込み、県全体の可能性を広げる施設になるのか。
その違いは非常に大きいと思います。
次回は、もう一つ市民の方からよく聞く、「福井アリーナができたら、周辺道路は渋滞しないのか」という問題について考えてみたいと思います。
本日もよろしくお願いいたします。
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ホーム>政党・政治家>大谷 たかまさ (オオタニ タカマサ)>【第3回】サンドーム福井があるのに、なぜ福井アリーナが必要なのか