2026/9/3
こんにちは。
福井市議会議員選挙に挑戦予定の大谷たかまさです。
福井市政への挑戦を表明してから、さまざまな市民の方とお話しする機会が増えました。
その中で、よく話題になるものの一つが「福井アリーナ」です。
「大谷さんは、福井アリーナに賛成なんですか?反対なんですか?」
と聞かれることがあります。
また、
「採算が取れるか分からない箱物に税金を使うのはどうなのか」
「サンドーム福井があるのに、もう一つ必要なのか」
「イベントのたびに周辺道路が渋滞したら困る」
といったご意見も伺います。
どれも大切な論点ですし、公費が投入される以上、その必要性や金額について議論するのは当然だと思います。
ただ、皆さんとお話ししている中で、私は一つ気になったことがあります。
それは、福井アリーナを「福井県や福井市が税金で建設し、その後も行政が運営する公共施設」だと認識している方も一定数いらっしゃるのではないかということです。
そこで今回は、福井アリーナに賛成か反対かを考える前に、まずこの事業の基本的な仕組みを整理してみたいと思います。
■ 大前提は「民設民営」
まず知っておきたいのは、現在計画されている福井アリーナは、福井市が建設し、福井市が所有・運営する「公設公営」の施設ではないということです。
計画では、整備・所有を「株式会社福井アリーナ」、運営を「株式会社Fプライマル」が担います。
つまり、基本的な立て付けは、「民設民営」です。
民間側が施設を整備し、完成後の運営についても民間側が担う。
ここは、福井アリーナについて考える際の重要な出発点です。
■ ただし「民設民営=税金を使わない」ではない
一方で、ここは誤解してはいけません。
民設民営だからといって、行政がお金を出さないわけではありません。
公表されている事業計画では、総事業費150億円に対し、国・県・市から60億円、残り90億円を民間側で調達する計画が示されていました。
つまり、「税金だけで建てる公共施設」ではありませんが、「行政のお金が一切入らない完全な民間事業」でもありません。
民間が主体となって整備・運営しながら、行政もその公共的な効果を見込んで公費を投入する、官民連携型の事業と考えるのが分かりやすいと思います。
だからこそ、「民設民営だから税金について議論する必要はない」ということにはなりません。
公費が投入される以上、その金額が適切なのか、どのような公共的効果が期待できるのかについては、当然しっかり検証する必要があります。
■ 赤字になったら税金で穴埋めするのか
もう一つ、非常に重要な前提があります。
それは、「完成後、アリーナの運営が赤字になった場合、誰がその赤字を負担するのか」という問題です。
「民設民営と言っても、結局うまくいかなければ税金で赤字を補填するのではないか」
と考える方もいらっしゃると思います。
しかし、現在示されている計画では、運営赤字を行政が税金で補填する仕組みにはなっていません。
福井市は地元説明会で、アリーナ運営が赤字となった場合でも、行政による赤字補填は考えていないという趣旨の説明をしています。
また、県議会への説明では、運営会社のFプライマルが赤字になった場合には、親会社であるオールコネクトが補填する考えが示されています。
つまり、現在の計画を整理すると、建設段階では行政も公費を投入する一方、完成後の運営については民間側が経営リスクを負うという仕組みです。
これは福井アリーナについて議論するときに、もっと知られてもよい情報だと思います。
■ 「行政からお金が入る=赤字補填」でもない
ただし、さらに少し複雑なところがあります。
事業計画には、県民や市民がアリーナを利用できる時間を確保するための「県民利用料」「市利用料」も想定されています。
これについては、運営会社の赤字を補填するためのお金ではなく、県民・市民が施設を利用できる枠を行政が確保することへの対価として説明されています。
つまり、行政がサービスを購入して対価を支払うことと、民間企業の経営赤字を税金で穴埋めすることは、分けて考える必要があります。
もちろん、どちらも公費である以上、その金額が妥当なのか、支払った金額に見合う市民利用が実現しているのかについては、継続して確認する必要があります。
■ 「民設民営だから安心」という話でもない
ここまで書くと、「それなら民間がリスクを負うのだから問題ない」と思われるかもしれません。
しかし、私はそこまで単純な話でもないと思っています。
アリーナは完成して終わりではありません。
何十年と使われる施設です。
運営会社の経営状況が変化したらどうなるのか。
大規模な修繕が必要になった場合は誰が負担するのか。
万が一、事業継続が難しくなった場合、施設をどうするのか。
こうした長期的なリスクについても、行政には市民へ丁寧に説明してほしいと思います。
重要なのは、「現在、行政が赤字補填する計画ではない」ということと、「将来にわたって行政負担について検証する必要がない」ということは別だということです。
■ 賛成か反対か。その前に前提を共有したい
福井アリーナについて、賛成する方もいれば、反対する方もいると思います。
これだけ大きな事業で、しかも公費が投入される以上、さまざまな意見が出るのは当然です。
ただ、その議論をするためには、まず事業の基本的な仕組みを共有する必要があります。
福井アリーナは民設民営を基本とする施設です。
しかし、多額の公費が投入される官民連携事業でもあります。
そして現在の計画では、開業後の運営赤字を行政が税金で補填する仕組みではなく、経営リスクは基本的に民間側が負うことになっています。
この三つは、福井アリーナの是非を考えるうえで重要な前提だと思います。
「民間事業だから行政は関係ない」でもなければ、「行政が税金だけで巨大な箱物を建て、赤字になれば税金で穴埋めする」という単純な構図でもありません。
市民の皆さんとお話しする中で、私はこの基本的な仕組みについて、行政からもう少し分かりやすく説明する必要があるのではないかと感じています。
賛成か、反対か。
その結論を急ぐ前に、まず正確な前提を共有する。
そのうえで、公費を投入してまで支援する価値がある事業なのかを考えていく。
次回は、「民設民営とはいえ、なぜ福井アリーナにこれだけの公費を投入するのか」という点について考えてみたいと思います。
本日もよろしくお願いいたします。
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ホーム>政党・政治家>大谷 たかまさ (オオタニ タカマサ)>福井アリーナは「税金で建てる市営アリーナ」なのか――賛成・反対の前に知っておきたいこと