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大谷 たかまさ ブログ

避難所は誰が運営するのか――横浜市の「地域防災拠点」に学ぶ

2026/8/23

こんにちは。

福井市議会議員選挙に挑戦予定の大谷たかまさです。

前回は、神戸市の「防災福祉コミュニティ」をご紹介しました。

日頃の地域活動が、そのまま災害時の助け合いにつながるというお話でした。

今回は、「避難所」に視点を移したいと思います。

皆さんは、「避難所は誰が運営するもの」だと思いますか。

多くの方は、「市役所や消防、学校の先生が運営してくれる」と考えているかもしれません。

しかし、大規模災害では、その考え方だけでは避難所は成り立ちません。

 

■ 避難所は行政だけでは運営できない

地震や風水害などの大規模災害が発生すると、市役所職員や消防職員も被災者になります。

職員自身の家族が被災していることもあります。

限られた人数で、市内すべての避難所を運営することは現実的ではありません。

避難所では、

受付をする人。

避難者名簿を管理する人。

物資を配る人。

トイレや衛生環境を管理する人。

高齢者や障がいのある方を支援する人。

情報を整理し、行政へ伝える人。

実に多くの役割があります。

つまり、避難所は「行政が運営する場所」ではなく、地域住民と行政が協力して運営する場所なのです。

 

■ 横浜市の「地域防災拠点」という考え方

横浜市では、市立小・中学校などを「地域防災拠点」と位置付けています。

特徴的なのは、避難所を行政任せにしないことです。

自治会・町内会、学校、行政などで構成する「運営委員会」が平常時から組織され、

避難所開設訓練や運営訓練を継続的に実施しています。

つまり、災害が起きてから役割を決めるのではなく、平常時から「誰が何をするか」を地域で共有しているのです。

 

■ 訓練の本当の目的

避難所訓練というと、

テントを組み立てる。

発電機を動かす。

非常食を配る。

そんな訓練をイメージする方が多いと思います。

もちろん、それも大切です。

しかし、横浜市の取組から私が感じたのは、訓練の本当の目的は「人間関係づくり」にあるということです。

「あ、この人は自治会長さんだ。」

「この人は看護師さんだった。」

「この人は学校の先生だった。」

「この人は建設会社に勤めている。」

こうしたことを知っているだけで、災害時の連携は格段にスムーズになります。

 

■ 初対面同士では避難所は回らない

消防職員時代、私はさまざまな災害対応を経験しました。

災害対応で最も重要なのは、「誰が何をできるか」を把握することです。

避難所でも同じです。

全員が初対面では、誰に何を頼めばよいのか分かりません。

しかし、地域活動で何度も顔を合わせている人たちなら、自然と役割分担ができます。

避難所運営で本当に必要なのは、マニュアルだけではありません。

お互いを知っているという安心感なのです。

 

■ 自治会活動は避難所運営の練習でもある

自治会活動というと、

夏祭り。

運動会。

清掃活動。

役員会。

こうした行事が思い浮かびます。

一見すると、防災とは関係がないようにも思えます。

しかし見方を変えれば、

イベントを企画する。

役割を分担する。

受付をする。

会場を設営する。

参加者へ案内する。

片付けをする。

これらはすべて、避難所運営にも必要な力です。

つまり、地域行事を一緒に運営する経験そのものが、災害への備えになっているのです。

 

■ 福井市でもできること

私は、福井市でも避難所を「行政が開設してくれる場所」ではなく、地域のみんなで支える場所という意識を少しずつ広げていくことが大切だと考えています。

そのためには、

自治会。

自主防災組織。

学校。

消防団。

民生委員。

地域住民。

こうした皆さんが、年に一度でも顔を合わせ、一緒に避難所訓練を行う機会を増やしていくことが重要ではないでしょうか。

避難所は、災害が起きて初めて人が集まる場所ではありません。

平常時から人と人とのつながりを育てることで、初めて本当に機能する場所になるのです。

 

■ 災害対応は「地域力」の差が表れる

私は消防職員として、多くの現場を経験してきました。

その中で感じたのは、設備や建物以上に、地域の人間関係が災害対応の質を左右するということです。

近所同士が顔見知りで、「困ったら助けよう」という空気がある地域は、災害にも強い地域です。

避難所運営も、その延長線上にあります。

防災とは、特別な知識や技術だけではありません。

普段から地域で顔を合わせ、一緒に活動すること。

その積み重ねこそが、いざという時に地域の力になります。

次回は、静岡県富士宮市や大阪府箕面市などで取り組まれている「黄色いハンカチ作戦」をご紹介します。

誰でも参加できる安否確認の仕組みから、地域コミュニティの新しい形について考えてみたいと思います。

本日もよろしくお願いいたします。

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著者

大谷 たかまさ

大谷 たかまさ

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肩書 元消防士
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