2026/8/18
こんにちは。
福井市議会議員選挙に挑戦予定の大谷たかまさです。
前回は、富山市の「コンパクトシティ」の取組をご紹介しました。
公共交通や広場、商業施設を一体的に整備することで、人の流れを生み出しているというお話でした。
今回は、少し視点を変えて、「道路」の使い方について考えてみたいと思います。
私たちは普段、道路は車が走るためのものだと思っています。
もちろん、その役割は今も変わりません。
しかし全国では今、「道路を人が過ごす場所として活用する」という新しいまちづくりが広がっています。
その代表的な事例が、岡山市です。
■ 道路は「移動するだけ」の場所だった
これまでの都市計画では、道路はできるだけ多くの車を、安全に、速く通すことが重要視されてきました。
その結果、道路は広くなり、歩道は狭くなり、人は目的地まで急いで歩くだけになりました。
つまり、「通る場所」ではあっても、「立ち寄る場所」ではなかったのです。
しかし、それでは商店街にも立ち寄らず、人と人との交流も生まれにくくなります。
■ 岡山市が始めた「社会実験」
岡山市では、西川緑道公園周辺で道路の一部を歩行者中心の空間として活用する社会実験を行いました。
道路にテーブルや椅子を置く。
オープンカフェを開く。
キッチンカーを呼ぶ。
イベントを開催する。
すると、それまで車が通り過ぎるだけだった場所に、人が座り、話し、食事を楽しむ風景が生まれました。
重要なのは、最初から大規模な工事をしたわけではないということです。
まずは期間限定で試し、
「本当に人が集まるのか。」
「交通への影響はどうか。」
「地域のお店にはどんな効果があるのか。」
を検証しました。
この「まず試してみる」という考え方は、とても参考になります。
■ 「ウォーカブル」という考え方
近年、国も「ウォーカブルなまちづくり」を推進しています。
ウォーカブルとは、直訳すると「歩きやすい」という意味ですが、それだけではありません。
歩きたくなる。
立ち寄りたくなる。
座って休みたくなる。
誰かと会いたくなる。
そんな空間をつくることを目指しています。
つまり、道路や広場を「移動のための空間」から「滞在するための空間」へ変える考え方です。
■ にぎわいは「滞在時間」がつくる
ここで一つ考えてみたいことがあります。
同じ1,000人が駅前を訪れたとしても、5分で帰るまちと、2時間滞在するまちでは、地域への効果は大きく違います。
飲食店を利用する。
買い物をする。
カフェで休憩する。
街を歩く。
こうした行動は、すべて「滞在時間」が長いほど生まれやすくなります。
だからこそ、これからのにぎわい創出では、「何人来たか」だけでなく、「どれだけ過ごしてもらえたか」という視点も重要になります。
■ 行政が変えるべきは「ルール」
岡山市の事例で興味深いのは、行政の役割です。
行政が毎日イベントを開催しているわけではありません。
行政が行ったのは、道路の使い方を見直し、社会実験を実施し、民間が使いやすいルールを整えることでした。
その結果、飲食店、地域団体、民間事業者が、自ら道路や広場を活用するようになりました。
つまり、行政がにぎわいを「つくった」のではなく、市民や民間が活動しやすい環境をつくったのです。
■ 福井市にも可能性はある
福井市でも、新幹線開業をきっかけに駅前は大きく変わりました。
これからさらに重要になるのは、「人を呼ぶこと」よりも、「人が歩きたくなること」ではないでしょうか。
駅を出て、
商店街へ歩く。
カフェに立ち寄る。
ベンチで休憩する。
イベントがなくても過ごしたくなる。
そんな空間が少しずつ増えていけば、まちの魅力は自然と高まっていきます。
■ 小さく始める勇気
岡山市から学べる最大の教訓は、
最初から100点を目指さないことです。
いきなり大規模な工事をするのではなく、
まずは一日だけ。
一か月だけ。
一つの通りだけ。
社会実験として始めてみる。
そこで得られたデータや市民の声を基に改善し、少しずつ広げていく。
この積み重ねが、本当に地域に合ったまちづくりにつながります。
行政には、大胆な投資を決断する力も必要です。
しかし、それと同じくらい、小さく試し、結果を見ながら改善していく柔軟さも必要なのではないでしょうか。
次回は、このシリーズのまとめとして、全国の成功事例に共通する「5つの法則」について整理したいと思います。
本日もよろしくお願いいたします。
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>大谷 たかまさ (オオタニ タカマサ)>岡山市に学ぶ――道路は「通る場所」から「過ごす場所」へ変えられる