2026/8/15
こんにちは。
福井市議会議員選挙に挑戦予定の大谷たかまさです。
前回は、「人が集まること」と「まちがにぎわうこと」は違う、というお話をしました。
今回は、全国でも中心市街地活性化の成功事例として知られる、滋賀県長浜市の「黒壁スクエア」をご紹介します。
■ 始まりは「古い建物を壊すか、残すか」だった
今では年間約200万人が訪れる観光地として知られる黒壁スクエアですが、その始まりは華やかなものではありませんでした。
きっかけは、明治時代に建てられ、市民から「黒壁銀行」と親しまれていた建物が取り壊されそうになったことです。
そこで立ち上がったのが、行政ではなく地元の経営者たちでした。
長浜市も出資し、民間企業とともに第三セクター「株式会社黒壁」を設立。歴史ある建物を保存すると同時に、まちづくりの核として再生することを決めました。
■ 「ガラスのまち」という物語をつくった
興味深いのは、長浜市は単に建物を保存しただけではないことです。
黒壁を活用して何をするかを考えた結果、選ばれたのが「ガラス」でした。
ガラス工房。
ガラスショップ。
ギャラリー。
体験施設。
カフェ。
これらを一つひとつ増やしながら、「ガラスのまち」という分かりやすいブランドを育てていったのです。
つまり、人を呼んだのは建物そのものではありません。
「ここでしか体験できない」という物語だったのです。
■ 行政は主役ではなく「舞台」を整えた
黒壁スクエアから学べる最も重要な点は、行政の立ち位置です。
行政が自ら観光施設を運営したわけではありません。
行政は出資や環境整備を行い、民間が挑戦できる土台を整えました。
一方で、店舗運営や商品開発、イベント企画などは民間が主体となって進めています。
私は、ここが成功の本質だと思います。
行政は商売のプロではありません。
だからこそ、行政にしかできない役割に集中し、民間の力を引き出すことが重要なのです。
■ 空き店舗まで資産に変えた
黒壁スクエアの成功は、一つの建物だけで終わりませんでした。
人が集まり始めると、周辺の空き店舗にも新しい店舗が入り、町並み全体が少しずつ生まれ変わっていきました。
国の資料でも、空き店舗の活用や歴史的景観との調和を進めながら、街全体として魅力を高めていったことが紹介されています。
つまり、「一つの施設を成功させた」のではなく、まち全体に波及効果を生み出したのです。
■ 成功の裏には苦労もある
一方で、「黒壁は成功したから、そのまま真似すればいい」という話でもありません。
実は黒壁は近年、経営改革に取り組んでいます。
長浜市も「観光と中心市街地活性化の牽引役だからこそ、持続可能な経営への改革が必要」としています。
これは、とても大切な視点です。
成功した事業であっても、時代の変化に合わせて見直し続けなければなりません。
にぎわい創出には、「完成」という言葉はないのです。
■ 福井市が学ぶべきこと
黒壁スクエアから福井市が学ぶべきことは、「ガラスのまち」をつくることではありません。
本当に学ぶべきなのは、
地域にしかない資源を見つけ、それを磨き続けること。
そして、行政は前に出過ぎず、民間が挑戦しやすい環境を整えること。
この二つです。
立派な建物だけでは、人は何度も訪れてくれません。
しかし、その地域ならではの魅力や物語があれば、人は「また来たい」と思います。
にぎわいとは、一時的なイベントではなく、「また来たい」が積み重なった結果なのだと、黒壁スクエアは教えてくれているように感じます。
次回は、公有地を活用した官民連携の成功事例として全国から注目されている、岩手県紫波町の「オガールプロジェクト」をご紹介します。
本日もよろしくお願いいたします。
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ホーム>政党・政治家>大谷 たかまさ (オオタニ タカマサ)>滋賀県長浜市「黒壁スクエア」に学ぶ――歴史ある街並みが年間200万人を呼ぶ理由