2026/8/16
こんにちは。
福井市議会議員選挙に挑戦予定の大谷たかまさです。
前回は、滋賀県長浜市の「黒壁スクエア」をご紹介しました。
行政が主役になるのではなく、民間が挑戦できる環境を整えることが、持続的なにぎわいにつながるというお話でした。
今回は、全国の自治体職員が視察に訪れるまちづくりとして有名な、岩手県紫波町の「オガールプロジェクト」をご紹介します。
■ 始まりは「使われていない町有地」だった
紫波町は人口約3万人の町です。
JR紫波中央駅の前には、長年活用されていない町有地が広がっていました。
「何か建物を造れば人が来る。」
そんな発想で開発を進めることもできたでしょう。
しかし、紫波町は違いました。
まず考えたのは、「この土地で、どんな事業なら成り立つのか。」ということでした。
つまり、「何を建てるか」ではなく、「何を営むか」を最初に考えたのです。
■ 「造ってから考える」をやめた
行政の事業では、施設を建設してから利用者を集める、という順番になりがちです。
しかしオガールでは逆でした。
「本当に利用したい人はいるのか。」
「民間事業として採算は取れるのか。」
「テナントは入るのか。」
これらを十分に調査し、需要が確認できてから建設を進めました。
だからこそ、完成した時には利用者も事業者も決まっていたのです。
私は、この考え方は行政事業全般に通じる重要な視点だと思います。
■ 公共施設も「人を呼ぶ仕掛け」に変えた
オガールには、図書館、地域交流センター、産直施設、飲食店、ホテル、保育施設、オフィス、スポーツ施設などが集まっています。
一見すると、いろいろな施設が並んでいるだけに見えるかもしれません。
しかし、実際にはそれぞれが互いに利用者を送り合うよう設計されています。
図書館へ来た人が昼食を食べる。
スポーツ施設を利用した人が買い物をする。
ホテル宿泊者が地元のお店を利用する。
地域住民も観光客も自然と同じエリアを歩く。
つまり、一つひとつの施設ではなく、「人の流れ」を設計しているのです。
■ 行政・民間・金融機関、それぞれが役割を果たした
オガールでも、行政がすべてを行ったわけではありません。
行政は土地を提供し、まちづくり全体を調整しました。
民間は事業を行い、利益を生み出しました。
金融機関は資金面で支えました。
それぞれが得意分野を担当したからこそ、大きな成功につながったのです。
行政が商売をしようとすると、どうしても市場の変化への対応が遅くなります。
一方で民間だけでは、道路や土地利用などの調整は難しい場合があります。
だからこそ、官民連携には大きな意味があります。
■ 「補助金がなくなっても続くか」が重要
オガールが全国から高く評価されている理由は、施設が立派だからではありません。
補助金に頼り続けなくても、事業として成り立っていること。
ここにあります。
行政事業では、「建設費」ばかりが注目されがちです。
しかし本当に重要なのは、完成後も自立して運営できることです。
毎年多額の税金を投入し続けなければ維持できない施設では、将来世代の負担になってしまいます。
オガールは、「稼ぐ公共空間」という考え方を全国へ示した先進事例と言えるでしょう。
■ 福井市が学ぶべきこと
私は、オガールから学ぶべきことは建物のデザインではないと思います。
本当に重要なのは、「まず需要を確認し、その後で建設する」という順番です。
行政は、「この施設を造りたい。」
ではなく、「市民は何を必要としているのか。」「民間はどんな事業なら挑戦したいのか。」という視点から考える必要があります。
そして、その答えが見えてから施設整備を進める。
この順番こそが、失敗を減らす鍵になるのではないでしょうか。
■ まちづくりは「建設業」ではなく「経営」である
オガールを見ていると、まちづくりは建設事業ではないことがよく分かります。
建物を完成させることが目的ではありません。
完成した後も、人が訪れ、事業が続き、新しい挑戦が生まれ、地域全体が少しずつ豊かになっていく。
その状態をつくることが、本当の目的です。
つまり、まちづくりとは「建設」ではなく「経営」なのです。
次回は、富山市の中心市街地活性化を取り上げます。
路面電車(LRT)や公共交通、広場整備などを一体的に進めた富山市は、「コンパクトシティ」の代表例として全国から注目されています。
福井市にとっても、多くの学びがある事例です。
本日もよろしくお願いいたします。
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ホーム>政党・政治家>大谷 たかまさ (オオタニ タカマサ)>岩手県紫波町「オガール」に学ぶ――「建物」ではなく「事業」をつくったまちづくり