2026/8/17
こんにちは。
福井市議会議員選挙に挑戦予定の大谷たかまさです。
前回は、岩手県紫波町の「オガールプロジェクト」をご紹介しました。
「何を建てるか」ではなく、「どんな事業をつくるか」を考えることが、持続可能なまちづくりにつながるというお話でした。
今回は、全国でも「コンパクトシティ」の先進事例として知られる富山市を取り上げます。
富山市は、単に駅前を整備しただけではありません。
「人が暮らす場所」と「人が集まる場所」を、公共交通で結び直したことが最大の特徴です。
■ 富山市が抱えていた課題
富山市は、全国の地方都市と同じような課題を抱えていました。
郊外へ大型商業施設や住宅が広がり、車がなければ生活しにくいまちになっていました。
その結果、
中心市街地の空洞化。
公共交通の利用者減少。
高齢化による移動手段の問題。
行政サービスの維持コストの増加。
こうした課題が同時に進んでいました。
これは、福井市を含め、多くの地方都市が直面している課題でもあります。
■ 「人を集める」のではなく、「人が暮らす」まちへ
富山市が目指したのは、イベントで一時的に人を集めることではありませんでした。
むしろ、「まちなかで暮らす人を増やすこと」を重視しました。
公共交通の沿線へ住宅や公共施設を誘導し、日常的に人が生活する環境を整えていったのです。
人が暮らせば、
毎日スーパーへ行きます。
病院へ行きます。
飲食店を利用します。
商店街を歩きます。
つまり、にぎわいはイベントではなく、日常生活から生まれるという考え方です。
■ 路面電車(LRT)がまちを変えた
富山市を語るうえで欠かせないのが、LRT(次世代型路面電車)です。
それまで利用者が減少していた鉄道路線を再整備し、運行本数を増やし、利用しやすい公共交通へ生まれ変わらせました。
さらに、路面電車だけを整備したのではありません。
駅前広場。
バス。
歩行空間。
商業施設。
これらを一体的に整備することで、「移動しやすいまち」をつくりました。
つまり、LRTは目的ではなく、「まち全体をつなぐ手段」だったのです。
■ 「広場」はイベント会場ではなく、日常の居場所
富山市中心部には、「グランドプラザ」という全天候型の公共広場があります。
ここではイベントも開催されますが、それだけではありません。
何もイベントがない日でも、
待ち合わせをする人。
休憩する人。
買い物帰りに立ち寄る人。
子ども連れの家族。
学生。
高齢者。
さまざまな人が自然に利用しています。
ここから学べるのは、本当に良い公共空間は、イベントがない日こそ価値を発揮するということです。
イベントだけに頼る広場は、開催日だけ人が集まり、翌日には静かになります。
一方で、毎日使われる広場は、地域の暮らしそのものになります。
■ 一つの施設ではなく「面」で考える
富山市のまちづくりには、もう一つ特徴があります。
それは、「点」ではなく「面」で考えていることです。
図書館だけ。
広場だけ。
商店街だけ。
駅だけ。
ではありません。
公共交通を降りる。
歩く。
広場へ立ち寄る。
買い物をする。
食事をする。
文化施設へ行く。
家へ帰る。
こうした一連の流れが自然につながるよう設計されています。
人は、一つの施設だけを目的に行動するわけではありません。
だからこそ、施設同士をどう結び付けるかが重要なのです。
■ 福井市が学ぶべきこと
富山市の事例から学ぶべきなのは、「LRTを導入すること」ではありません。
本当に重要なのは、人の移動を中心にまちを考えることです。
人が歩きたくなる道になっているか。
公共交通を利用しやすいか。
駅前だけで完結せず、周辺へ人が流れる仕組みがあるか。
滞在したくなる場所があるか。
こうした視点で考えることが、持続的なにぎわいにつながります。
■ にぎわいは「移動」から生まれる
にぎわいというと、どうしても建物やイベントに目が向きがちです。
しかし富山市が教えてくれるのは、「人が移動しやすいまちは、人が集まりやすいまちでもある」ということです。
どれだけ立派な施設があっても、そこへ行きにくければ利用されません。
逆に、歩きやすく、回遊しやすく、何度でも訪れたくなる環境があれば、人の流れは自然と生まれます。
行政の役割は、人を一か所へ集めることではありません。
人が自然に歩き、滞在し、地域全体を楽しめる環境を整えることではないでしょうか。
次回は、岡山市の「ウォーカブルなまちづくり」をご紹介します。
道路や公園を「通る場所」から「過ごす場所」へ変えた取組には、福井市でも参考になるヒントが数多くあります。
本日もよろしくお願いいたします。
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