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災害時に本当に必要なのは「支援を受け入れる力」かもしれない

2026/7/1

能登半島地震では、自衛隊、警察、緊急消防援助隊、DMATなど、全国から多くの応援部隊が集結し、人命救助や物資輸送、避難所支援などに大きな役割を果たしました。

私自身、消防職員として災害対応に携わってきた経験がありますが、大規模災害では被災自治体だけで対応できることには限界があります。

だからこそ、全国から駆けつける応援部隊の存在は極めて重要です。

一方で、災害対応について考えるとき、私たちは「何を備蓄するか」という議論をすることは多くても、「全国から来る支援をどう受け入れるか」という議論はあまり多くありません。

しかし、本当に重要なのは両方ではないでしょうか。

どれだけ多くの応援部隊が福井県に到着しても、活動拠点がなければ十分な力を発揮することはできません。

例えば、

数百人規模の応援部隊が寝泊まりできる場所はあるのか。

何十台、何百台もの消防車両や特殊車両を集結させるスペースは確保できるのか。

大量の救援物資を一時的に集積し、必要な場所へ仕分け・配送する機能は十分なのか。

ヘリコプターや航空機との連携は円滑に行えるのか。

自衛隊、警察、消防、医療機関などが同じ場所で情報共有し、作戦を調整できる環境は整っているのか。

こうした視点は、被災後ではなく平時から考えておかなければなりません。

消防時代、私は緊急消防援助隊の派遣や大規模災害対応に関わる訓練を経験しました。

その中で強く感じたのは、災害対応は「組織の強さ」だけで決まるものではなく、「受け入れる仕組みの強さ」が結果を大きく左右するということです。

実際、全国から優秀な部隊や最新の資機材が集まっても、受け入れ体制が整っていなければ、その力を十分に活かすことはできません。

近年、福井県では防災道の駅の整備や福井空港の防災機能強化などが進められています。

これらは非常に重要な取組だと思います。

しかし、南海トラフ巨大地震や福井平野東縁断層帯地震、さらには激甚化する水害などを考えると、今後は「広域受援拠点」という視点をさらに強化していく必要があるのではないでしょうか。

私は、防災とは単に備蓄品を増やすことではないと考えています。

災害が発生したとき、全国から寄せられる善意や支援の力を最大限活かせる仕組みをつくることも、防災の重要な役割です。

先人たちは堤防を築き、道路を整備し、消防や医療の体制を整えながら、より安全な福井を次の世代へ引き継いできました。

私たちの世代もまた、未来の子どもたちにより安全で安心な福井を引き継ぐ責任があります。

そのためにも、「備える防災」だけでなく、「支援を受け入れる防災」という視点を持ちながら、災害に強い福井の実現を目指していきたいと思います。

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大谷 たかまさ

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