2026/6/5
先日、とある読書会で「未来世代のためのウェルビーイング法」という考え方に出会いました。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、私自身、とても大きな刺激を受けました。
これは単なる理想論ではなく、政治や行政の意思決定に「まだ生まれていない世代の幸せ」を組み込もうとする考え方です。
「未来世代のためのウェルビーイング法」は、イギリス・ウェールズで2015年に制定された法律です。
現在を生きる私たちだけでなく、これから生まれてくる人たち、つまり未来世代の幸福も考慮して、政府や自治体などの公共機関が意思決定を行うことを求めるものです。
特徴的なのは、単に「未来のことも考えましょう」という抽象的なスローガンで終わっていない点です。
ウェールズでは、より豊かで、健康で、平等で、地域のつながりがあり、文化を大切にし、環境にも責任を持つ社会を目指すためのウェルビーイング目標が定められています。
また、公共機関が政策を考える際には、短期的な効果だけでなく、長期的な影響、問題の予防、分野をまたいだ統合的な視点、市民との協働や参加といった観点が重視されます。
さらに、目標の達成状況を測るための指標やマイルストーンも設けられています。
ここが非常に重要だと感じました。
政治の世界では、ともすると「理念」や「スローガン」だけが先行しがちです。
しかし、目指す社会像を掲げるだけでなく、それが実際に進んでいるのかを観測できるようにする。これは、政治や行政の透明性を高めるうえでも、とても大切なことだと思います。
私が特に共感したのは、「未来世代コミッショナー」という考え方です。
未来世代は、今の選挙で投票することができません。
まだ生まれていない子どもたちは、当然ながら声を上げることもできません。
だからこそ、今を生きる私たちの中に、未来世代の立場に立って発言し、意思決定をチェックする存在が必要なのだと思います。
これは非常に大事な視点です。
政治はどうしても、今票を持っている人、今声を上げられる人、今影響力を持っている人の意見に引っ張られやすいものです。
もちろん、今困っている人を助けることは政治の重要な役割です。
しかし、それだけでは不十分です。
今の判断が、10年後、20年後、50年後の社会にどのような影響を与えるのか。
今の便利さのために、未来の世代に負担を押しつけていないか。
そうした視点を持つことは、政治家にとって極めて重要な姿勢だと思います。
また、読書会の中で考えたこととして、未来世代だけでなく、「声を発することができない存在」の代弁者という考え方は、もっと広く応用できるのではないかとも感じました。
たとえば、動物たちの代弁者という視点もあるかもしれません。
あるいは、自然環境、地域の歴史や文化、まだ言葉で十分に意思表示できない子どもたちの視点もそうです。
政治は、人間社会の利害調整だけでなく、声になりにくいものをどうすくい上げるかという営みでもあるのだと思います。
政治家が目の前の票獲得だけを見てしまうと、どうしても忖度が発生しやすくなるのではないかと思います。
声の大きい人、組織票を持つ人、短期的な要望を出してくる人に引っ張られる。
これは現実の政治では起こりうることです。
しかし、本来の政治家に求められるのは、それだけではないはずです。
目の前の課題に向き合うこと。
そして同時に、長期的で統合的な視点を持つこと。
福祉、教育、環境、財政、地域コミュニティ、都市計画。
これらはバラバラの問題ではありません。
すべてがつながっています。
たとえば、子育て支援を考えることは、教育や福祉だけの問題ではありません。
将来の地域の担い手をどう育てるか、働き方や交通、住まい、地域のつながりをどう設計するかという問題でもあります。
目先の人気取りではなく、未来に責任を持つ政治。
私は、そういう政治姿勢を大切にしたいと改めて感じました。
そもそも、私が政治家を志したきっかけの一つは、子育てでした。
子どもを育てる中で、強く思うようになりました。
自分の大事な子に、より豊かな社会を残したい。
この子たちが大人になったときに、「あの時代の大人たちは、ちゃんと未来のことを考えてくれていた」と思える社会にしたい。
これは、親としての素朴な願いです。
でも同時に、それは政治に関わる者としての大きな責任でもあると思います。
今の私たちが使っている道路、学校、公園、制度、文化は、過去の世代が積み上げてきたものです。
であるならば、私たちもまた、未来の世代に何を残すのかを真剣に考えなければなりません。
私は1993年生まれで、30代前半です。
政治の世界では、まだ比較的若手に入る年齢だと思います。
現役の川越市議会議員を見ても、最年少の方でも40歳手前です。

もちろん、年齢だけで政治家の価値が決まるわけではありません。経験や知見は非常に重要です。
一方で、若い世代には若い世代の実感があります。
子育て世代としての実感。
これから住宅ローンや教育費、老後不安に向き合っていく世代としての実感。
デジタル社会を前提に生きてきた世代としての実感。
そして、自分たちの子どもやさらに先の世代に、どんな社会を残すのかという切実な感覚。
私は、こうした若い世代、そして次世代の代弁者としての活動に力を入れていきたいと考えています。
未来世代は、今の選挙で一票を投じることはできません。
だからこそ、今を生きる私たちが、その声を想像し、政策に反映させる必要があります。
「今だけ、自分だけ、目の前だけ」ではなく、
「未来へ、地域へ、次の世代へ」。
そうした視点を持った政治を、川越から少しずつ広げていきたいと思います。
今回出会った「未来世代のためのウェルビーイング法」は、私にとって、政治を考えるうえで非常に大きなヒントになりました。
未来に責任を持つ政治。
声なき人たちの声を想像する政治。
そして、理念だけでなく、指標やマイルストーンを持って前に進める政治。
私もその姿勢を大切にしながら、市民の皆さんと一緒に、より良い川越の未来を考えていきたいと思います。
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トクミヤ ユウキ/32歳/男
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